「抜山蓋世」の意味や由来。読み方や使い方の例文、英語・類義語をご紹介

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どんなことにも前向きな力と、人を引き寄せる力を持っている人があなたの周りにはいませんか?もしかしたら、あなた自身がその力が持ち主かもしれません。
何事にも恐れることなく立ち向かい、気迫のある人、特にそんな男性に女性は魅かれることも多いのではないでしょうか?
ここでは、気迫に満ちた状態を例えた四字熟語であります「抜山蓋世」について、意味や英語・類義語、例文を用いた使い方を詳しくご紹介していきます。

 

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「抜山蓋世」の意味は?語源は?

「抜山蓋世」を読めたあなたは、漢文の得意な人のようですね。
この四字熟語は「ばつざんがいせい」と読みます。四字熟語は、音読みのものが多いのも特徴です。

「抜山蓋世」の意味は?

「抜山蓋世」とは「山を引き抜くほどの大きな力と、世を覆い尽くすほどの気力がある」という意味です。
威勢があり、強靭な力の持ち主であることを表現するときに使います。山を引き抜き、世を覆う力とは想像できないですよね。

「抜山蓋世」の語源は?

それでは「抜山蓋世」の語源についてみていきましょう。

  • 「抜山」・・・「山を引き抜く」という意味
  • 「蓋世」・・・「世を覆う、世を圧倒する」という意味

古代中国の戦国時代に、漢の劉邦と天下争いをした楚の項羽が漢軍に包囲され、最後の酒宴の場で寵愛する虞美人の前で自らを奮い立たせるために詠んだ詩の一句で、「史記」項羽紀に残されています。
「山を抜き世を蓋す」と訓読みで読まれることもあります。
天下を取るということは、それだけの気力を勢いがあると自分に言い聞かせ、戦場に向かっていったのでしょう。

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「抜山蓋世」を英語・類義語で表現してみよう

「抜山蓋世」を英語で表現すると、以下のようになります。

  • great strength and energy
  • Herculean strength and vitality

【例文】

  • great strength and energy(of a mighty hero) Herculean strength and vitality(抜山蓋世な人物)

偉人・英雄などを、英語では「hero」と表現します。
強靭なパワーと卓越した力を持ったという意味の「great strength and energy」に「hero」をつけることにより一層わかりやすくなりますね。

「抜山蓋世」の類義語

また「抜山蓋世」の類義語には、どのようなものがあるのでしょうか。

  • 大胆奔放(だいたんほんぽう)
  • 幕天席地(ばくてんせきち)
  • 回山倒海(かいざんとうかい)
  • 抜山翻海(ばつざんほんかい)

「抜山蓋世」の類義語は「史記」に出典されているものが多く、自然を例えているものが多いです。人間にとって自然というものが、とても偉大であることの証なのかもしれません。

 

「抜山蓋世」の使い方と例文

それでは「抜山蓋世」を使った例文をご紹介していきます。

【例文】

  1. 「生徒会長になった彼は、抜山蓋世の意気込みです。」
  2. 「混沌とした現代に、抜山蓋世の英雄が現れることを期待します。」
  3. 「三国志には、抜山蓋世の英雄が数多く登場します。」
  4. 「運動会でのあなたは抜山蓋世ですね。」
  5. 「彼の抜山蓋世の姿には憧れます。」

どの例文からもわかるように、「抜山蓋世」とは人の評価に使うことがほとんどです。
古代中国の戦国時代は、武将が国を取り合うといった世の中でした。戦いに挑むためには山をも動かすパワーが必要だったのでしょう。

 

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古代から現代まで受け継がれるもの

ここまで「抜山蓋世」について解説してきました。
意気揚々とし、怖じることがない人の姿は頼りがいがあり、またうらやましくも感じます。しかし、古代から人間が越えることのできない自然は、偉大な存在であったことがわかります。
だからこそ、自分を山や海・世界を動かすほどの力の持ち主と表現することで、周囲はもちろん自身に対して気合を入れる言葉として生まれたのでしょう。
混沌とした時代において「抜山蓋世」なヒーローが存在することを、古代から現代までその思いは「抜山蓋世」の言葉とともに受け継がれているでしょう。

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