「臥薪嘗胆」とは?意味と語源、英語表現・類義語【使い方の例文】

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あなたは、「臥薪嘗胆」という言葉をご存じでしょうか。

あまり聞きなれない言葉かもしれません。漢字もとても難しいですよね。

以前テレビ番組で怪我をしてしまい試合に出られないアスリートのドキュメントを放送していたのですが、復帰できるまで辛いリハビリをこなす日常を「臥薪嘗胆の日々」と表現していました。

実際は、どのような意味で使われるのでしょうか。

この記事では、「臥薪嘗胆」の意味や語源、英語・類義語表現や例文による使い方をご紹介します。

 

 

 

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「臥薪嘗胆」の意味と語源

 

まずは、「臥薪嘗胆」の意味と語源についてご紹介していきます。

 

「臥薪嘗胆」の意味

 

はじめに読み方ですが、「臥薪嘗胆」は「がしんしょうたん」と読みます。

漢検準1級レベルの超難関漢字です。

続いて意味を見てみましょう。

「臥薪嘗胆」とは「仇(かたき)を討つため、自分の身を苦しめてその志が衰えないように励ますことのたとえ。転じて、目的を達成するために苦労に耐えること」という意味になります。

とても熱い意味の言葉ですね。

苦労に耐えるとはいえ、短い期間だけ耐えることは「臥薪嘗胆」とは言えません。

 

 

「臥薪嘗胆」の語源

続いて、「臥薪嘗胆」の語源を確認しましょう。

「臥薪嘗胆」は中国の故事成語です。

漢文では「薪に臥(ふ)して胆を嘗(な)む」と読みます。

  • 「臥薪」とは「たきぎの上に寝ること」
    (「臥」は「横になる」「薪」は「たきぎ」のことを指します)
  • 「嘗胆」は「苦いきもをなめること」
    (「嘗」は「なめる」「胆」は「内臓の一つである胆嚢(たんのう)」を指します)

この言葉(「薪に臥(ふ)して胆を嘗(な)む」)の由来は、中国の春秋時代の話からできました。

「呉の国王が、越の攻撃で亡くなったため呉の国王の息子の夫差(ふさ)は、父親の仇である越の王、句践(こうせん)を討つという復讐心をかきたてるため薪の上に寝起きするという苦しみを自分に課し、ついに句践に勝ち降伏させた。

しかしながら、敗れた句践は、その恥を忘れないよう苦い胆をなめ苦心の末に夫差を滅ぼした。」

という内容のお話です。

 

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「臥薪嘗胆」の英語表現・類義語

 

「臥薪嘗胆」の英語表現

 

それでは、「臥薪嘗胆」の英語表現をご紹介します。

【例文】

  • Pay off an old grudge after years of hard training. (臥薪嘗胆して積年の恨みを晴らす)
  • After many years of perseverance, he passed the National Bar Examination. (臥薪嘗胆の末、彼は司法試験に合格した)

 

どちらも「after (many) years of 〇〇」が使われています。

「長年の〇〇の末」という表現です。

1の例文では「hard training」「辛い鍛錬」が使われています。

2の文では「perseverance」「忍耐」という言葉ですね。

文全体の意味でふさわしい単語を選んでください。

「苦難」という意味の「hardship」も同じように使っていただけます。

 

 

「臥薪嘗胆」の類義語

 

続いて、「臥薪嘗胆」の類義語をご紹介します。

  • 座薪懸胆(ざしんけんたん)
  • 会稽之恥(かいけいのはじ)

 

「座薪懸胆」とは「かたきを討つため自身を苦しめてその志が衰えないように励ますこと、転じて目的を達成するために苦労に耐えること」という意味です。

また、「会稽之恥」とは「敵から受けた耐えがたいはずかしめ、屈辱」という意味です。

実は2つとも同じ話からできた故事成語になります。「会稽之恥」は越の王が夫差に負けた時の心情からできた言葉です。

 

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「臥薪嘗胆」の使い方の例文

 

最後に、「臥薪嘗胆」の使い方について例文をご紹介していきます。

【例文】

  1. 「彼は臥薪嘗胆の末、優勝を勝ち取った」
  2. 「心が折れなかったのは臥薪嘗胆という精神を常に忘れなかったからだ」
  3. 「長年辛かったがこうして地位と名声が手に入ったのは臥薪嘗胆の日々のおかげだ」
  4. 「臥薪嘗胆の後、彼はようやく医師免許を取得した」
  5. 「臥薪嘗胆の10年、やっと社長に評価してもらえた」

 

「臥薪嘗胆の末」「臥薪嘗胆の日々」など様々な形で使われています。

短い期間ではなく、長年の苦労を味わったことに対して使う言葉になります。

ちょっとした努力とは違いますので、使い方には気を付けてください。

 

 

 

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まとめ:「臥薪嘗胆」で良い結果につながる

 

ここまで「臥薪嘗胆」についてご紹介してまいりましたがいかがでしたでしょうか。

スポ根漫画を連想してしまうのは私だけでしょうか・・・。

目標を達成するため苦労に耐えることは辛い日々だと思いますが、その分報われたときの喜びは計り知れないです。

今辛い状況にいる方も「臥薪嘗胆」という言葉を胸に頑張れそうですね。

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