「一日千秋」の意味や由来をわかりやすく解説!使い方の例文もご紹介!

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私は一週間がとても長く感じます。朝早く起きて仕事に出かけ、夜暗くなってから帰宅すると職場にいる時間の方が長いのです。
1週間が長いということは1日が長いのです。午前の仕事を終えてもまだ何時間も仕事がある。お昼休みはあっという間に終わってしまいます。
休日まで指折り数え、「まだ前の休日から2日しか経っていない~」と毎週嘆いています。
そして休みはあっという間に時間が過ぎ、また明日から仕事です。
この楽しみを待つ時間のことを「一日千秋」と言います。
この記事では「一日千秋」の意味や語源、英語・類義語の表現や使い方の例文をご紹介します。

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「一日千秋」の意味と語源

「一日千秋」の意味

それでは「一日千秋」の意味をご紹介します。
まずは読み方ですが「一日千秋」は「いちじつせんしゅう」または「いちにちせんしゅう」と読みます。
「一日千秋」とは「非常に待遠しいことのたとえ、物事や人が早く来てほしいと願う気持ち」という意味です。
何かを待つ時って、今か今かと思いながら待ちますよね。その様子が「一日千秋」なのです。

「一日千秋」の語源

続いて「一日千秋」の語源をご紹介します。

「一日千秋」は元々「一日三秋」ということでした。これは中国最古の詩集と言われる「詩経」に出ています。
「一日三秋」は春の草摘みをする少女たちの恋の歌でした
少女たちは恋する相手のことを思い「1日会わなければ三秋も会わないように思う」とうたったのです。
「好きな人に一日会わなければ、秋の間ずっと会わない気持ちになる」ということで、昔は旧暦で7月8月9月が「秋」だったので、3ヶ月の秋の期間会えないと嘆いています。

この「三秋」は三周りの秋とも言われており、これは好きな人に会わずに3年も秋が巡ってくるということで、少女にとってはとてもつらい月日ですね。
そして「三秋」は「千秋」に変化していきます。
「千秋」の方が「1000年」ということで、より実感がこもっているからこのように変化したとも言われますが、おそらく口伝えに「三秋」が3ヶ月ではなくもっと長い期間の3年の秋に変化し、「さんしゅう」というのが訛り(なまり)、「せんしゅう」と聞こえ「千秋」になったと思われます。3ヶ月よりは3年の方が辛そうに聞こえるし、「3年って言ってるけど1000年じゃない?そっちの方がより辛そうだもの。」という具合に変化していったのでしょう。この詩集は古代中国(紀元前)の物、およそ2000年以上前のものです。「三」が「千」に変化してもおかしくありませんね。

ところで何故「春」「夏」「冬」ではなく「秋」なのかというと、ことわざに「危急存亡の秋(ききゅうそんぼうのとき)」というのがあり、この意味は「生き残るか滅びてしまうかという危うい瀬戸際」ということで、中国の戦国時代の言葉です。
ちなみに、ここでの「秋」は「とき」と読みます。季節の秋は穀物収穫の重要な時期であり、それと、国が生きるか滅びるか重要な時を掛け合わせ「秋」を「とき」と読んだのです。
そこで、「秋」は「とき」ですから「三秋」は「3ヶ月」「三年」「千年」と時間を表す言葉で使用されました。
「一日千秋」は少女たちの恋心の歌です。
好きな人を思う気持ちは何千年経っても変わらないですね。

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「一日千秋」の英語表現と類義語

「一日千秋」の英語の表現

次に「一日千秋」は英語でどのように表現されているのかご紹介します。

  • look forward eagerly to(一日千秋)

【例文】

  • look forward eagerly to something(一日千秋の思いで待つ)

「look forward eagerly to」の直訳は「熱心に楽しみにしています」という意味です。楽しみにするのを熱心にすると「一日千秋」なのですね。

「一日千秋」の類義語

「一日千秋」と似た意味や構成を持つ言葉をご紹介します。

  • 一日三秋(いちじつさんしゅう)
  • 一刻千秋(いっこくせんしゅう)
  • 十年一日(じゅうねんいちじつ)

「一日三秋」は語源でご説明した通り「一日千秋」と同じような意味で「一日が三度の秋の時間のように長く感じられること」という意味で、「一刻千秋」も同じで「わずかな時間が非常に長く感じられる」という意味があります。
「十年一日」は「長い年月の間、何の変化もなく同じ状態であること」と意味は全く違いますが、「一日千秋」と構成が同じで「十年」と「一日」を同じ時間の長さで考えています。

 

「一日千秋」の使い方

最後に「一日千秋」の使い方を例文でご紹介します。

【例文】

  1. 「毎年12月になると、サンタクロースを一日千秋の思いで待ちわびる子供たち」
  2. 「遠足が待遠しくて、前の日の授業は一日千秋だったなあ」
  3. 「次の休みまで彼に会えないと、毎日が一日千秋の感覚になる」
  4. 「旅行に行くのが楽しみで、その日まで一日千秋だからものすごく長く感じる」
  5. 「一日千秋の思いで待っていたのに、ドタキャンされてしまった」

「一日千秋」はとても待遠しい、待ちわびるときに使用されます。
楽しいことを待つのって長く感じますが、それもまた楽しいですよね。
「一日千秋の(思い)」「(その日まで)一日千秋だ」などと使用されることが多いです。

 

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「一日千秋」も楽しんじゃおう

「一日千秋」は一日が千の秋ほども長く感じるということですが、「一日千秋」待ちわびて、例えば好きな人に会えたとき、あっという間に時間が過ぎてしまいますよね。
人の時間の感覚は不思議なものです。
「一日千秋」は長く感じますが、その一日を来るべき日のために有効に使うと良いでしょう。例えばデートのプランをしっかり立てると、待ちに待った日がとても楽しく過ごせますね。「一日千秋」も悪くないものです。考えている時がまた幸せなのです。

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