「滅私奉公」とは?意味や語源、使い方の例文をご紹介!【英語・類語あり】

この記事は、約5分で読むことができます。

あなたは、ブラック企業で働いたことがありますか?会社の為に自分の身を削って働くのです。昔はこういう働き方が「美しい」とされてきました。頑張るのは良いことだと思いますが、この自分の身を削って働くことは、戦争時代の名残なのではないでしょうか?
自分がやりたいことも、言いたいことも言えずに安いお給料やサービス残業で働くのです。
このように、自己を無視して働くことを「滅私奉公」と言います。
この記事では、「滅私奉公」の意味や語源、英語・類義語の表現や使い方の例文をご紹介します。

スポンサードサーチ

「滅私奉公」の意味と語源

「滅私奉公」の意味

それでは「滅私奉公」の意味をご紹介します。
まずは読み方ですが、「滅私奉公」は「めっしほうこう」と読みます。
「滅私奉公」とは、「私情を抑えて国家・地方団体・社会・世間に奉仕する精神」という意味です。
個人主義ではない考え方を指します。

「滅私奉公」の語源

続いて、「滅私奉公」の語源をご紹介します。

「滅私奉公」は中国戦国時代の「戦国策(せんごくさく)」という全国に意見や主張を説いて歩き回る遊説(ゆうぜい)の言葉や国策その他の逸話を国別に編集し、まとめ上げた書物に記されている古事です。
「私を滅し、公に奉ずる」とあり、「自分の感情を亡くし、国家のために奉仕する」ということです。

現代の考え方とは、かなりかけ離れた考えですね。
中国の戦国時代、日本の歴史も昭和の第二次世界大戦までは「滅私奉公」は当たり前の考え方でした。「お国の為に」という考え方です。昔は国や主君の為に「私」を捨て、命を懸けて働くとことが義務でした。
「滅私」とは「私利私欲を除き去ること」という意味で、「奉公」は「身をささげて公(国家、天皇、主君)のために尽くすこと」という意味です。
「私を捨てる、亡くす、滅する」というのは、「自分を顧みない」ということです。
人の為にボランティアで奉仕することは素晴らしことだとは思いますが、それは自ら進んでするのと強制されてするのとでは大きな違いがあります。

スポンサードサーチ

「滅私奉公」の英語表現と類義語

「滅私奉公」の英語の表現

次に「滅私奉公」は英語でどのように表現されているのかご紹介します。

  • self-denying service(滅私奉公)

【例文】

  • Stop the self-denying service(滅私奉公はやめなさい)
  • The self-denying service is outdated(滅私奉公は時代遅れだ)

「self-denying」は、「自己否定的な」という意味です。「service」は「奉仕」という意味で、「self-denying service」は「自己をなくした奉仕」という意味合いになります。

「滅私奉公」の類義語

「滅私奉公」と似た意味や構成を持つ言葉をご紹介します。

  • 奉公守法(ほうこうしゅほう)

「奉公守法」とは、「身を捧げて公務に尽くし、法をきちんと守ること」という意味です。
自分を捧げ公に尽くすことは「滅私奉公」と同じですね。

 

「滅私奉公」の使い方

最後に「滅私奉公」の使い方を例文でご紹介します。

【例文】

  1. 「昔は、滅私奉公が当たり前だった。今は、良い時代になった」
  2. 「父は滅私奉公することで、上司に可愛がられたと言っていた」
  3. 「滅私奉公するくらいなら、会社は辞めます」
  4. 「戦時中は有無を言わさず、滅私奉公させられた」
  5. 「あの会社は滅私奉公が当然の会社なので、採用は断りなさい」

「滅私奉公」は、会社の働き方を表すシーンで使われます。
「滅私奉公(をする)」「滅私奉公が(当然)」などと、使用される場合が多いですね。

 

スポンサードサーチ

「滅私奉公」は日本ではイメージが悪い

戦後の日本は個性を重視する方向で教育が進められてきているので、「滅私奉公」という言葉はイメージがあまり良くありません。「私利私欲」というと「滅私奉公」とは逆の意味でこちらも悪いイメージですが、資本主義の日本にとって「私利私欲」は当然の考えだと思います。
「滅私奉公」も「私利私欲」も極端に偏らなければ、どちらも良いイメージで使用することができるのではないでしょうか?この世の中では自分を犠牲にして人の役に立つことも大切ですし、そのためには自分がある程度資金を得ることも大切だからです。

関連記事



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください