「質実剛健」とは?意味・由来・読み方や使い方の例文【英語&類語】

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子どもの時代を経て徐々におしゃれに目覚め、服装やメイクにも気を配るようになると、だんだん外に出る時の身だしなみにも気を配るようになりますよね。そして徐々に、メイクなしでは外に出られないようになっていく…。
人間の中身がどうであれ、女性の皆様は特に実感する方も多いのではないでしょうか。
その反面、人間の本来の美しさは、メイクのように着飾ったりできるものではなく本質で勝負するべきもの、という考え方もありますよね。
色々な四字熟語の中にも、上記のような「人の本質」について表現したものがあります。
この記事では「質実剛健」の意味や語源、英語・類義語表現や例文による使い方をご紹介します。

 

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「質実剛健」の読み方、意味や語源とは

この記事でご紹介する「質実剛健」を前々から知っていた。という方はもしかしたら少ないかもしれません。
まずは基本的な読み方、そして意味や語源まで掘り下げていきましょう。

「質実剛健」の読み方、意味

まず、「質実剛健」は「しつじつごうけん」と読みます。どの漢字も音読みに馴染みがあるものばかりなので、もともと知らなかったとしても正しく読むことができやすい四字熟語ですね。
「質実剛健」とは、「見た目の飾り気がなくまじめで、心身ともに健康でたくましいさま」という意味です。
「質実」という言葉には「飾り気がない」「誠実な」という意味があり、「剛健」には「健康的な」「心や身体が非常に健やかで強い」という意味があります。
この二つの言葉を掛け合わせて意味を強めた四字熟語が「質実剛健」なのです。

質実剛健の由来

では、「質実剛健」とはいつ、誰によって生み出されたのでしょうか。
そのルーツは、明治天皇にあるとされています。

明治時代、日本は明治維新を遂げ他国がどのようなものか知ることになるのですが、明治天皇は欧米諸国が日本よりもはるかに発展していることを目の当たりにしたわけです。
そこでその欧米諸国にも負けない、むしろ追い付け追い越して日本をより強い国にしたいという思いから、明治天皇は「戊申詔書(ぼしんしょうしょ)」という詔書を発布されました。そこには下記のような文章が書かれていたのです。
「国民は忠実に仕事に励み、勤勉・倹約に努めながら生計をたて、みずから質実(誠実なこと)に励み勉めなければならない」
つまり、日本を強い国にするために国民一人ひとりに対して誠実に学び働き続けてほしいという期待が込められたというわけなのです。

トップダウンで国民を統括するのではなく、国民一人ひとりがもっと個々の能力を上げることが国家発展に必要不可欠だ、と考えられたのですね。

この戊申詔書での文言に由来して「質実剛健」という言葉が生まれたのです。

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「質実剛健」の英語・類義語

『強く豊かな国を作る』ということに由来して作られた「質実剛健」という言葉ですが、他に似たような意味を持つ四字熟語や、英語での表現方法にはどういったものがあるのでしょうか。

「質実剛健」の英語表現

「質実剛健」を英語に訳すると、以下のような表現があります。

  • earnest and strong(真面目で強いこと)
  • unaffected and sincere(気どらず真面目なこと)
  • with fortitude and vigor(不屈の精神をもって活力のあること)

このような表現がもっとも近い意味になります。
よく見てみると、どの英文も「A and B」という形で書かれていますよね。どの単語が日本語のどの部分にあたるかを理解することがポイントになります。
それぞれが意味を知っておくと英語力UPにもなりそうな単語ばかりなので、覚えておくと便利でしょう。

「質実剛健」の類義語

質実剛健の類義語には以下のようなものがあります。

  • 剛毅木訥(ごうきぼくとつ)
  • 簡明素朴(かんめいそぼく)
  • 志操堅固(しそうけんご)

どの言葉も前半2文字、後半2文字で意味が区切られていて、それぞれ「質実」「剛健」と似た意味を持っています。
類義語を知っていると表現の幅が広がるし、「質実剛健」だけに頼らずとも「飾らずたくましい様子」を理解できるので、類義語も一緒に知っておくようにしましょう。

「剛毅木訥」と「志操堅固」の記事はこちらをご覧ください。

「剛毅木訥」とは?意味や使い方の例文

「志操堅固」の意味や例文による使い方

 

「質実剛健」の使い方

では、「質実剛健」の使い方について例文を見ていきましょう。

【例文】

  1. 「私の叔父は80歳を超えた今でも質実剛健で、本当に頼りがいがある」
  2. 「彼が番人から慕われる理由は、質実剛健さにあると思うな」
  3. 「僕は男子校出身で、校訓が「質実剛健」だったこともあって体育会系の部活は強かったなあ」
  4. 「なかなか太れないし背も高くない僕だけど、質実剛健な男になれるように毎日学校まで走っていっているよ」
  5. 「彼の時代外れな質実剛健さが私にとっては逆に新鮮で好感をもったわ」

「質実剛健」という漢字の字面を見ても何となくイメージできるように、「質実剛健」という言葉は強さ、または強さからくるたくましさやしなやかな肉体を表現しています。
よって質実剛健は基本的に男性をほめる場合に使うことが多い言葉です。

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本当の強さとは

以上、「質実剛健」という言葉についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
明治政府が理想とした国民像が、今や一つの理想の男性像になっていますよね。
「強い」とは、ただ単に「力が強い」とか「社会的地位が高い」ということではありません。「弱きものには優しく、何ごとにも誠実に取り組む姿勢」こそ本当の強さではないでしょうか。
そういった本来の意味である「強さ」を上手に表したのが「質実剛健」という言葉なのかもしれないですね。

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