「永劫回帰」とは?意味や語源をわかりやすく解説!使い方の例文や英語表現

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ニーチェという有名な思想家をご存知ですか?

ニーチェと言えば「ルサンチマン」「超人」「永劫回帰」などが有名ですね。

ただ、ニーチェの思想ってなかなか理解するのが難しいんです。

私も「永劫回帰」という言葉に興味を持って、ニーチェについて書かれた本を何冊も読んだのですが、なかなか理解できず苦労しました。

この記事では、「永劫回帰」の意味や語源、英語の表記や類義語、使い方の例文をご紹介します。

 

 

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「永劫回帰」の意味と語源

 

「永劫回帰」の意味

 

はじめに、「永劫回帰」の意味についてご紹介したいと思います。

まずは読み方ですが、「永劫回帰」は「えいごうかいき」と読みます。

「永劫回帰」とは、「全てのことは永遠に同じことを同じように繰り返している」という意味です。

最近よく使われている言葉で言うと「無限ループ」みたいなものですね。

 

「永劫回帰」の語源

 

次に、「永劫回帰」の語源についてご紹介します。

「永劫回帰」は、ニーチェの「人生などの全てのことは、前に進むでも後ろに下がるでもなく、円のようにグルグル回るものだ」という思想を表した言葉です。

まず、それぞれの言葉についてですが、「永劫」には「長い年月」「永遠」「無限」などの意味があり、「回帰」には「元のところに戻ること」「戻ることを繰り返すこと」という意味があります。

なので、「永劫回帰」は「永遠に同じ事を繰り返す」「無限に同じ場所に戻る」などという意味になりますね。

この「永遠に繰り返される」という「永劫回帰」の思想から、ニーチェは、「苦痛も幸福も同じように繰り返される。

仮に苦労が99%を占めていても1%の幸福があれば、再び1%の幸福が訪れる。それを糧に生きることができるのではないか」と、生を肯定する考えを導き出したんですね。

 

 

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「永劫回帰」の英語表現と類義語

 

「永劫回帰」の英語表現

 

続いて、「永劫回帰」の英語表現をご紹介します。

  • Eternal recurrence(永劫回帰)

 

【例文】

  • idea of eternal recurrence(永劫回帰の思想)
  • world of eternal recurrence(永劫回帰の世界)

 

「eternal」は「永遠」、「recurrence」は「再発」という意味です。

なので、「eternal recurrence」を直訳すると「永遠に再発する」という意味になりますね。

また、「永遠に戻る」という意味の「eternal return」という言葉で表現される場合もあります。

どちらも「永遠に同じ事を繰り返す」という意味で、「永劫回帰」を表した言葉となっていますので、好きな方を選んで使ってみてくださいね。

 

四字熟語の英語表現を、ビジネス場面別でまとめてみました。

ビジネス英語として実践で使える四字熟語30選【英語勉強アプリもご紹介】

 

「永劫回帰」の類義語

 

それでは、「永劫回帰」の類義語をご紹介していきます。

  • 未来永劫(みらいえいごう)
  • 生生世世(しょうじょうせぜ)

 

「未来永劫」とは、「果てしなく続く未来」「無限に続く長い時間」という意味があります。「繰り返す」という意味は含まれていませんが、「永遠に続く」という意味もあるため、「永劫回帰」に似ています。

「生生世世」は仏教の思想で、「生まれ変わりを繰り返して永遠に存在すること」という意味です。ニーチェの思想に対して「生まれ変わり」という部分は大きく違いますが、「繰り返して永遠に」という部分では「永劫回帰」と同じですね。

「未来永劫」については、こちらの記事に詳しく書いています。

「未来永劫」の意味と使い方の例文を5つご紹介!仏教による由来とは?

 

 

「永劫回帰」の使い方

 

最後に、「永劫回帰」の使い方を紹介します。

【例文】

  1. 「永劫回帰について考えてみましょう」
  2. 「ニーチェと言えば、永劫回帰が有名だ」
  3. 「永劫回帰は、生を肯定した思想」
  4. 「永劫回帰説は、理解しがたいな」
  5. 「まさに、永劫回帰の世界だね」

 

「永劫回帰」は、「永劫回帰説」「永劫回帰の思想」など、ニーチェの思想を前提とした使い方をされる場合がほとんどです。

まれに例文のように、同じ事を永遠と繰り返す様子を見て「永劫回帰の世界」などと言ったりする場合もありますが、あまり日常の中で使われることはありません。

 

「永劫回帰」は、「永劫回帰する」など、動詞として使うことはできないので注意しましょう。

 

 

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まとめ:「永劫回帰」はキリスト教を否定した?

以上、「永劫回帰」について、ご紹介してきました。

 

まとめると、以下の通りです。

読み方 えいごうかいき
意味 全てのことは、永遠に同じことを同じように繰り返していること
語源 ・ニーチェの「人生などの全てのことは、前に進むでも後ろに下がるでもなく、円のようにグルグル回るものだ」という思想を表した言葉が由来
・「永劫」=「長い年月、永遠、無限」、「回帰」=「元のところに戻ること、戻ることを繰り返すこと」
英語表現 Eternal recurrence(永劫回帰)
類義語 ・未来永劫(みらいえいごう)
・生生世世(しょうじょうせぜ)

 

もともと「永劫回帰」は、キリスト教の思想を否定するための考えだったと言われています。

キリスト教の思想とは、「死は終わりではない、来世がある」というものです。

確かに、ニーチェの「前にも後ろにも進まず繰り返すだけ」という思想に基づくと「来世」や「後世」は存在しないことになりますね。

否定したと言えば大げさですが、全く違う思想であることは確かです。

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