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あなたは「以心伝心」という言葉をご存じでしょうか。
有名な言葉なので多くの方がご存じですよね。「以心伝心」というタイトルの歌もたくさん存在します。
それらの歌詞をみると、「遠くにいても通じ合っている」というような内容で「以心伝心」は使われています。
なんだかロマンチックで素敵ですね。実際はどのように使うのが正しいのでしょうか。
この記事ではそんな「以心伝心」の意味や語源、英語・類義語表現や例文による使い方についてご紹介します。
「以心伝心」の意味と語源
まずは、「以心伝心」の意味と語源についてご紹介していきます。
「以心伝心」の意味
まずは読み方ですが、「以心伝心」は「いしんでんしん」と読みます。
「以心伝心」とは「心と心で通じ合い、文字やことばを用いなくともお互いの意志が通じること」という意味です。
お互いの意志が通じるとはテレパシーのようですね。
「以心伝心」の語源
次に「以心伝心」の語源を見てみましょう。
- 「以心」・・・「ことばや文字を使わずに心を通じようとすること」
- 「伝心」・・・「相手の心に伝えること」
元は、「言葉で表すことのできない仏法の奥義を師の心から弟子の心に伝えること。禅の奥義の伝承方法。」という仏教用語になります。
漢文で「心を以(もっ)て心に伝ふ」と読み「心を通い合わせ心でしか伝えられない」という意味になります。
「以心伝心」の使い方
続いて、「以心伝心」の使い方について例文でご紹介していきます。
- 「私たちは小さいころから一緒にいるから以心伝心の仲だ」
- 「彼と以心伝心であれたらいいのになぁ」
- 「落ち込んでいれば近くにきてくれる愛犬と僕は以心伝心の間柄だ」
- 「ぼくらはいつも以心伝心だね」
- 「試合となるとチームメイトたちは以心伝心が働く」
「〇〇の仲」「〇〇の間柄」という形はよく使うので、覚えておいてください。
用いる場面としては、家族・友人・恋人・仲間など色々な間柄で使えます。
「以心伝心」の類義語と英語表現
「以心伝心」の類義語
「以心伝心」の類義語を見てみましょう。
- 感応道交(かんのうどうこう)
- 神会黙契(しんかいもっけい)
- 拈華微笑(ねんげみしょう)
- 不立文字(ふりゅうもんじ)
- 黙契秘旨(もっけいひし)
「感応道交」とは「仏教で、衆生(生命のある全てのもの)が仏を感じようとすれば、仏はすぐにそれに応じ、衆生と仏の心が通じて、通い合うこと」
「神会黙契」とは「黙っていても意思が通じ合うこと。語らないうちに自然に気持ちが一致すること」
「拈華微笑」とは「仏教で文字やことばによらず、心から心に伝わること」
「不立文字」とは「ことばや文章を用いないこと。文字や文章に表現しないこと。仏教で、道は文字で伝えるべきものではなく、心で伝えるべきものであるということ」
「黙契秘旨」とは「ことばを交わすことなく、秘密にしたままで、互いに了解し合っている考え」という意味です。
「神会黙契」と「黙契秘旨」以外は仏教用語になり、意味も似た言葉になります。
仏教用語はなかなか聞きなれないので初見の方もいらっしゃると思います。難しい言葉に聞こえますがこの機会に覚えてみてください。
「拈華微笑」については、こちらの記事に詳しく書いています。
「以心伝心」の英語表現
最後に、「以心伝心」の英語表現をご紹介します。
- We can read each other’s minds. (私たちは以心伝心の間柄でわかりあえる)
- I’m in tune with him. (私と彼は以心伝心だ)
1では「read mind」を使って表現しています。直訳で「心を読む」という意味です。
「言葉を使わずして心がわかる」ということを訳しています。
2は「be in tune with~」を使っています。直訳は「~とウマが合う、~と同調する」という意味です。
他にも「お互い理解しあっている」という直訳の「get each other」も以心伝心の表現として使えると思います。
まとめ
以上、「以心伝心」について、ご紹介してきました。
まとめると、以下の通りです。
読み方 | いしんでんしん |
意味 | 心と心で通じ合い、文字やことばを用いなくともお互いの意志が通じること |
語源 | 「言葉で表すことのできない仏法の奥義を師の心から弟子の心に伝えること。禅の奥義の伝承方法。」という仏教用語が由来。 |
類義語 | 感応道交(かんのうどうこう) 神会黙契(しんかいもっけい) 拈華微笑(ねんげみしょう) 不立文字(ふりゅうもんじ) 黙契秘旨(もっけいひし) |
英語表現 | read mind(心を読む) |
あなたは「以心伝心」の仲の人はいますか?通じ合えるって素敵ですよね。
似たような意味で「阿吽の呼吸」や「ツーカーの仲」また「テレパシー」という表現もあります。
それぞれ「言いたいことが分かる」「心が通じ合う」と微妙にニュアンスが違いますが、参考にしてみてください。
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