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最近ごはんの前に「いただきます」と手を合わせることが少なくなった気がします。
自分で作っているからでしょうか?でも食事を作ったのは私ですが、元の食材を作ったのはどこかの誰かなので、やはり食べる前と後に感謝は必要ですよね。
どこの誰がこのお米を作ってくれたのでしょうか?このたった一粒のお米ができるまでは大変な苦労がありそうです。
お米一粒が語源になっている言葉に「粒粒辛苦」という四字熟語があります。
この記事では「粒粒辛苦」の意味や語源、英語・類義語の表現や使い方の例文をご紹介します。
「粒粒辛苦」の意味と語源
「粒粒辛苦」の意味
それでは「粒粒辛苦」の意味をご紹介します。
まずは読み方ですが「粒粒辛苦」は「りゅうりゅうしんく」と読みます。
「粒粒辛苦」とは「コツコツと小さな努力と苦労を重ねること」という意味です。
「粒々辛苦」と書く場合もあります。
「つぶつぶしんく」ではありませんのでご注意ください。
「粒粒辛苦」の語源
続いて「粒粒辛苦」の語源をご紹介します。
「粒粒辛苦」は唐の詩人、李紳(リシン)の「農を憐れむ(のうをあわれむ)」という詩の中に出てきます。内容は次の通りです。
「誰(たれ)か知らん盤中の飧(そん)粒粒皆辛苦なるを」
これは「早朝から、鋤(すき)をとって、稲などの耕作に精を出しているうちに、いつの間にか太陽は真上から照りつけてくる。汗はぽたぽたとしたたり落ちて、稲の根もとの地面にしみこんでいく。この苦労を誰が知っているだろうか。お茶碗の中のご飯は、その一粒一粒がこのような農民の苦労の結晶であるということを」
つまり「お茶碗のごはんの一粒一粒が苦労の結晶であることを、誰も知らない」という意味なのです。
「粒粒辛苦」は「粒粒皆辛苦」の「皆」が取れた言葉です。
穀物の一粒一粒が農民の苦労から出来ている。毎日の小さな苦労や努力が一粒の穀物になるんだということを言っています。
農作物って、種をまいてから収穫まで半年かかる物もありますよね。それを食べるときは一瞬です。みんなおいしく食べています。そのおいしさの陰に農家さんの地道な作業、苦労があるのです。
「粒粒辛苦」の英語と類義語表現
「粒粒辛苦」の英語の表現
次に「粒粒辛苦」は英語でどのように表現されているのかご紹介します。
- Toil and moil(あくせく働く)
【例文】
- Money that was accumulated in the toil and moil.(粒粒辛苦で溜めたお金)
- It was collected in the toil and moil(粒粒辛苦で集めた)
「Toil and moil」の「Toil」は「骨を折って働く」という意味です。「骨を折る」は「苦労する。力を尽くす」という意味で、骨を折るくらい苦労するということですね。
「moil」は「こつこつ働く」という意味です。
「粒粒辛苦」の類義語
「粒粒辛苦」と似た意味や構成を持つ言葉をご紹介します。
- 艱難辛苦(かんなんしんく)
- 苦心惨憺(くしんさんたん )
- 千辛万苦(せんしんばんく)
「艱難辛苦」は「非常な困難にあって苦しみ悩むこと」という意味です。
「苦心惨憺」とは「心をくだいて非常な苦労を重ね、工夫をこらすこと」という意味で「心をくだく」とは「心配する、気をつかう」ということです。
「千辛万苦」は「さまざまな苦労や困難をしていくこと。また、そうした苦しみ」という意味で「千」の辛さと「万」の苦しみということです。見るからに大変そうですね。
「艱難辛苦」の記事はこちらをご覧ください。
「粒粒辛苦」の使い方
最後に「粒粒辛苦」の使い方を例文でご紹介します。
【例文】
- 「母は粒粒辛苦で私たち兄弟を育ててくれた」
- 「彼女はアルバイトで稼ぎ粒粒辛苦して留学の費用を作った」
- 「彼のコレクションは粒粒辛苦で集めたものだ」
- 「僕は1円玉を粒粒辛苦して貯めて募金をした」
- 「粒粒辛苦の努力で弁護士の資格を取った」
「粒粒辛苦」はお金をコツコツ貯める時などに使用されます。
昔お米は年貢だったのでお金=お米なのです。
「粒粒辛苦で(貯めた)」「粒粒辛苦の(努力)」などと使用される場合が多いですね。
努力は人にあまり知られない
「粒粒辛苦」は、コツコツ努力や苦労を重ねた結果できた物事のことを言います。
誰かの努力はあまり知ることが少ないかもしれませんね。
日常生活を送れているということは、その陰に誰かの苦労があるということです。
あなたの「粒粒辛苦」も誰かのためになっているでしょう。
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