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あなたは「手練手管」という言葉をご存じでしょうか。なかなか馴染みのない言葉ですが、どのように使う四字熟語なのか気になりますね。
何年か前のビジネス雑誌の1項目に『お客の心を掴んで離さない「手練手管」』という見出しがありました。営業マンに対しての記事で「お客をいい気分にさせ信頼させるためには柔軟な考えと言葉の綾が必要である」というような内容でした。実際はどのような意味で使われる言葉なのでしょうか。
この記事では「手練手管」の意味や語源、英語・類義語表現や例文による使い方をご紹介いたします。
「手練手管」の意味と語源
まずは意味と語源についてご紹介していきます。
「手練手管」の意味
先に読み方を確認しましょう。漢検でいうと5級レベルの簡単な漢字でできている四字熟語です。正しい読み方は「てれんてくだ」です。四字熟語は音読みする言葉が非常に多いのですが「手練手管」は珍しく「練」以外は訓読みとなります。
続いて意味を見てみましょう。
「手練手管」とは「思うままに人をだます手立て」という意味になります。
人をだますという意味なので、いい意味としては捉えられない言葉になります。
「手練手管」の語源
「手練」も「手管」もともに「人をだます巧みな手際」という意味で使われています。
「手練」は人をだます技「手管」は人をだます手段を表しています。同じ意味の言葉を併せることにより、意味をより強調しています。
元々は遊郭の郭詞(くるわことば)からきています。遊女が商売のために男性客を騙し操ることが由来となっています。
「手練手管」の英語と類義語
続いて英語表現と類義語をご紹介していきます。
「手練手管」の英語表現
さて「手練手管」を英語に訳すとどう表現するのでしょうか。
- Make use of all of one’s wiles (手練手管の限りを尽くす)
- He knows every trick in the book. (彼は手練手管に長けている)
「use of 〇〇’s wiles」「know trick」で簡単に直訳すると「技・手段を使う」「技・手段を知っている」になります。
手練手管を、手段や技と訳して何の為かを修飾して文を作ってください。
「手練手管」の類義語
次に類義語を見てみましょう。
- 虚々実々(きょきょじつじつ)
- 譎詐百端(けっさひゃくたん)
- 権謀術策(けんぼうじゅっさく)
- 権謀術数(けんぼうじゅっすう)
- 反間苦肉(はんかんくにく)
それぞれの意味は以下の通りになります。
「虚々実々」とは「戦いなどの時、相手に対して様々な計略や手段を尽くすこと。秘術を尽くすこと」、「譎詐百端」とは「様々に人を欺くこと」、「権謀術策」「権謀術数」とは「巧みに人をあざむく策略。人知を尽くしたたくらみ」、「反間苦肉」とは「1.敵情を探ったり、敵を陥れたりするための策略。また、そのような任務を帯びた者、間者、スパイ2.転じて、敵を仲たがいさせ混乱に陥れるために身を犠牲にして行う策略。また、目的達成のためのあらゆる手段」という意味になります。
この中であれば「だます」という観点で見ると、「譎詐百端」や「反間苦肉」が意味的には近いですね。
「虚々実々」の記事はこちらをご覧ください。
「手練手管」の使い方
最後に使い方を例文でご紹介していきます。
【例文】
- 「彼女は手練手管を尽くし彼を惚れさせた」
- 「あの人の手練手管にすっかり騙され僕は腑抜けの殻だ」
- 「手練手段を使い私は同期より早く昇格した」
- 「娘の手練手管に父はお金を搾り取られた」
- 「その営業マンは手練手管を駆使しお客さんに商品を必要以上に買わせた」
「〇〇に~」「〇〇を使い~」「〇〇を尽くす~」というような形で使うことが多いです。
騙す意味合いがあるので、いい意味としては使われません。
男女間以外(3・4・5の例文)でも使うので、是非参考にしてみてください。
「権謀術策」の記事はこちらをご覧ください。
「手練手管」を尽くす
ここまで「手練手管」についてご紹介してまいりましたが、いかがでしたでしょうか?
手練手管はいい意味としては使われない言葉ですが、社会に出ると出世する人は少なくとも手練手管を持ち合わせているように感じます。
もちろんだますことは悪いことですが、頭の回転が速いことでもあるのでその点だけは真似したいですよね。
この機会に「手練手管」をぜひ覚えておいてください。
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