「五風十雨」とは?意味と語源、英語表現と類義語【使い方の例文】

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最近の夏は、連日猛暑が続きますよね。

天気予報で最高気温が32度の真夏日と言われても、「今日はマシか」と思うこともあります。

その上、ゲリラ豪雨と呼ばれる予測不可能な集中豪雨も増えているようです。

日本には「穏やかな四季はなくなった」という人もいます。「五風十雨」の気候ではなくなってしまったのでしょうか。農業を営む方々が心配です。

この記事では、「五風十雨」の意味や語源、英語表現や類義語、使い方の例文をご紹介します。

 

 

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「五風十雨」の意味と語源

 

「五風十雨」の意味

 

それでは、「五風十雨」の意味をご紹介します。

まずは読み方ですが、「五風十雨」は「ごふうじゅうう」と読みます。

「五風十雨」とは、「天気が順調で農作物のために都合がよいこと」という意味です。

天候が穏やかで過ごしやすいことから、「世の中が平穏無事である」という意味も込められています。

 

「五風十雨」の語源

 

続いて、「五風十雨」の語源をご紹介します。

「五風十雨」は、中国の書物の一節をもとにした四字熟語です。

後漢時代の王充(おうじゅう)という人が書いた、思想書「論衡(ろんこう)」に収録されている「是応(ぜおう)」から出典しています。

その中に、「五日にしてひとたび風ふき、十日にしてひとたび雨ふる」という場面があります。

簡単に言い換えると「5日に1度風が吹き、10日に1度雨が降る」という意味になります。

つまり、「五風」は「五日ごとに風が吹くこと」、「十雨」は「十日ごとに雨が降ること」を意味しています。

 

農業では雨や風の頻度があまりに高いと、土の環境が悪くなったり農作物に影響を与えたりします。すると、十分な収穫が得られません。

しかし、5日ごとの雨や10日ごとの風は、農業にはちょうど良く作物に適度な雨風と言えるでしょう。そして、そのような穏やかな気候のことを世の中に例えて、「平和で穏やかなこと」となりました。

激しい天気が続くと、天気のことだけでなく仕事への支障や離れて暮らす家族のことなども気になりますよね。穏やかな気候が続くと、心配事が減るような気がします。

 

 

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「五風十雨」の英語表現と類義語

 

「五風十雨」の英語表現

 

次に、「五風十雨」の英語表現をご紹介します。

  • Seasonable rains and winds (五風十雨)
  • Halcyon weather(五風十雨)
  • halcyon times of peace(五風十雨)

 

【例文】

  • Weather goes well without any trouble at all.(気候が五風十雨である。)
  • He prayed for halcyon times of peace.(彼は五風十雨のために祈った。)

 

上の例文は、「without」が「~なしで」という意味の前置詞なので、直訳すると「天気が全く問題なくうまくいっている」となります。

下の例文の「halcyon」は「穏やかな、平和な」という意味です。鳥の「カワセミ」という意味もあります。

 

四字熟語の英語表現を、ビジネス場面別でまとめてみました。

ビジネス英語として実践で使える四字熟語30選【英語勉強アプリもご紹介】

 

「五風十雨」の類義語

 

それでは、「五風十雨」の類義語をご紹介します。

  • 五穀豊穣(ごこくほうじょう) 
  • 天下泰平(てんかたいへい) 
  • 平穏無事(へいおんぶじ)

 

「五穀豊穣」は「農作物が豊かに実りをもつこと」という意味です。

「天下泰平」は「世の中が何事もなく平和であること」という意味です。

「平穏無事」は「変わったことがなく穏やかであること」という意味です。

「五風十雨」「十風五雨」「天下泰平」は世の中や世界について言うことが多いですが、「平穏無事」は日常生活や身近なことに対して使うイメージです。場面によって使い分けましょう。

「五穀豊穣」「天下泰平」「平穏無事」については、こちらの記事に詳しく書いています。

「五穀豊穣」とは?意味と語源、英語表現と類義語【使い方の例文】

「天下泰平」とは?意味と語源、英語表現・類義語【使い方の例文】

「平穏無事」とは?意味や英語表現、類義語や使い方の例文をご紹介!

 

 

「五風十雨」の使い方

 

最後に、「五風十雨」の使い方を例文でご紹介します。

【例文】

  1. 「今年の天候は五風十雨となっており、豊作が期待できそうだ。」
  2. 「最近は局地的大雨が続き、五風十雨とは程遠い気候になってしまった。」
  3. 「現在業績が好調な我が社では、五風十雨といった雰囲気になっています。これに甘んじることなく、気を引き締めていきましょう。」
  4. 「合併の話もあったが、今はあの会社とも良い関係を築いている。このまま五風十雨の状態が続いていってくれたらいいが。」
  5. 「この国も戦争後の混乱が落ち着き、五風十雨と言える平和な状態になってきた。」

 

使い方としては「五風十雨といった(気候、状態、雰囲気)」「五風十雨の(天気、情勢)」などとして、「五風十雨」をそのまま名詞として使うことがほとんどですね。

ビジネスの場面では、「五風十雨」が「業績が順調でのんびりしている」という意味にとらえられることがあります。
そこから、「気を引き締めていく」「気合を入れる」というように激励するときにも使える表現になります。

 

 

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まとめ:毎日穏やかに暮らす「五風十雨」

以上、「五風十雨」について、ご紹介してきました。

 

まとめると、以下の通りです。

読み方 ごふうじゅうう
意味 天気が順調で農作物のために都合がよいこと
語源 後漢時代の王充(おうじゅう)が書いた、思想書「論衡(ろんこう)」に収録されている「是応(ぜおう)」の一文にある、「五日にしてひとたび風ふき、十日にしてひとたび雨ふる」「5日に1度風が吹き、10日に1度雨が降る」が由来
英語表現 ・Seasonable rains and winds (季節の雨と風)
・Halcyon weather(ハルシオンの天気)
・halcyon times of peace(平和のハルシオン時代)
類義語 ・五穀豊穣(ごこくほうじょう) 
・天下泰平(てんかたいへい) 
・平穏無事(へいおんぶじ)

 

好ましい天気のことを表現するのが「五風十雨」でした。

これには「雨の日も風の日も重要」という意味もあると思います。雨・風・雪などの自然現象には、それぞれ役割があるということです。

もちろん、極端な天候はやめてもらいたいですが、ある程度は必要です。

「晴れの日」だけでは、農作物は育ちません。

人間も少しくらいストレスや悩みがあった方が、それが人生のスパイスとなり全体としては幸せな生活ができるのではないでしょうか。

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