「小心翼々」の意味や語源とは?英語・類義語、使い方の例文もご紹介!

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仕事で大きなプロジェクトに取り組む、大事なパーティを主催する…。
大きなことを成し遂げるとき、細かなことまでしっかりと事前の準備をすることが重要です。
激動の時代を生きた西郷隆盛と勝海舟の語録にも、こうあるそうです。
「事、未だ成らず、小心翼々。事、まさに成らんとす、大胆不敵。事、既に成る、油断大敵。」
ことが行われる前には細かく注意を払い、ことを成すそのときは大胆に。そのあとは油断してはいけない、という意味の言葉です。
この記事では「小心翼々」の意味や語源、英語の表現や類義語、使い方の例文をご紹介します。

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「小心翼々」の意味と語源

「小心翼々」の意味

それでは「小心翼々」の意味をご紹介します。
まずは読み方ですが「小心翼々」は「しょうしんよくよく」と読みます。
漢字表記としては「小心翼翼」と書く場合もあります。
「小心翼々」とは「細かいことにまで気を配り、慎み深くするさま」という意味です。
これが転じて「気が小さく、いつもびくびくしているさま」として使われます。

「小心翼々」の語源

次に「小心翼々」の語源をご紹介します。

「小心翼々」は、中国の思想家・孔子が残した詩編の内容が出典となります。
儒教の基本経典の中の一つに、周の文王をほめる言葉として「小心翼々」が用いられました。
まず「小心」は、小さく細かなこと。「翼々」は敬いつつしむ様子を指します。つまり、小さなことにも慎む様を意味するのです。
日本では、先ほど冒頭でご紹介した勝海舟の他に、有名な福沢諭吉の代表作『学問のすすめ』にも使われています。
「ゆえにひとたび国法と定まりたることは、(略)これを動かすを得ず。小心翼々謹つつしみて守らざるべからず。これすなわち人民の職分なり。」
この一文は「一度、国の法律として決まったものは動かしてはならない。小さなことにも心を配り、謹んでこれをまもること。これは人民の職分(義務)である。」という意味です。

転じた「小心翼々」の意味

このように「小さなことに心を配る」「細心の周囲を払う」というプラスの意味で使われていた「小心翼々」ですが「小心」という字面から、いつの間にか「小さくて臆病」という意味に転じて「臆病」「びくびくしているさま」という意味でも使われるようになりました。
これは日本独自の解釈なので、中国では使われていません。そのため、国ごとのニュアンスの違いには注意
が必要になります。

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「小心翼々」の英語表現と類義語

「小心翼々」の英語表現

ここまで日本語の意味をご紹介してきましたが、英語での表現をご紹介します。

  • Scrupulous「(小さい点まで)きちょうめんな、細心の」
  • Conscientious「良心的な、誠実な、注意深い、念入りな、(…に)注意深くて、慎重で」

【例文】

  • being scrupulous in something(細かくて落ちのないさま)
  • She is scrupulous in plan the trip.(彼女は事細かに旅行の計画を立てている。)
  • Be more conscientious about your work.(もっと慎重に仕事をしなさい。)
  • He is conscientious in attending to his duties.(彼は小心翼々として職務を守っている)

「be scrupulous in」で「~を細かく気にする」といった意味です。一方、「conscientious」は「注意深い、念入りな」という意味なので、よりプラスのイメージで使用されています。

「小心翼々」の類義語

「小心翼々」に似た意味の言葉をご紹介します。

  • 細心翼々
  • 丁寧
  • 臆病

「細心翼々」とは、「小心翼々」とまったくといっていいほど同義語として使われる言葉です。「小心」という中国的な表現からより日本語らしい「細心」という表現に変更されています。
「丁寧」とは、細かなところまで念入りに取り組む、冒頭にご紹介した「細かいことにまで気を配り、慎み深くするさま」という意味で「小心翼々」と似た意味で使用されます。よりプラスな印象が強い言葉ですね。
「臆病」とは、「小心翼々」の後から転じた意味である「気が小さく、いつもびくびくしているさま」に該当する熟語です。

 

「小心翼々」の使い方

最後に「小心翼々」の例文や使い方をご紹介します。

【例文】

  1. 「あの人は将来の自分のため、小心翼翼の努力をしている。」
  2. 「小心翼翼としている彼のことだから、きっと大丈夫だろう。」
  3. 「事前の準備をする際には、小心翼々であることが必要だ。」
  4. 「日ごろから小心翼翼な彼が、こんな大胆なことをするとは思えない。」
  5. 「飲んだ帰りに彼は、小心翼翼、ぬき足さし足妻に見つかるまいと帰宅する。」

「小心翼々」とは、「細かいことにまで気を配り、慎み深くするさま」転じて「気が小さく、いつもびくびくしているさま」という意味の言葉です。
1・2・3はプラスの意味で使用する際の「小心翼々」、4・5はどちらかと言えばネガティブな意味で使用する際の表現です。
基本的に形容詞の形で用いられることが多く、儒教の内容と同様に人をほめる際に使用するのも良いでしょう。
一方で「臆病なさま」に近いマイナスなイメージもあるので、使う場面には注意が必要です。

 

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受け取り方ひとつで意味が違う「小心翼々」

出典が儒教であることを考えればプラスのイメージで使用されるべき言葉ですが、文字のイメージから「心が小さい」といった意味でマイナスな意味へも受け取られるようになった「小心翼々」。実際に、過去の日本の偉人たちは「注意深くつつましい」というプラスの意味で使用していました。
この成り立ちを知っておくことで、一概にマイナスな印象ではなく良い意味もあることを知っておけば、この言葉を使う際にも、受け取る際にもより適切に伝えることができるのではないでしょうか。



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