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「百家争鳴」という言葉の意味をご存知でしょうか。
漢字一つひとつの意味から考えて、『百あるたくさんのお家同士の争いごとで、悲鳴をあげるのかな?』なんて想像してしまいますね。
この四字熟語は家のことでも争いのことでもありませんし、悲鳴をあげることでもありません。
ではどういう語なのでしょうか。
この記事では、「百家争鳴」を意味と語源、英語表現と類義語、使い方の例文についてご紹介します。
「百家争鳴」の意味と由来
「百家争鳴」の意味
最初に、「百家争鳴」の意味をご紹介します。
まず読み方ですが、「百家争鳴」は「ひゃっかそうめい」と読みます。
「百家争鳴」は、「色々な立場にある人が、自由に議論を交わす」という意味です。
多くの学者や専門家が何の遠慮もなく、自由に自説を発表し活発に論争し合うことです。
また、中国共産党のスローガンの一つでもあります。
「百家争鳴」の由来
続いて、「百家争鳴」の由来(語源)をご紹介します。
「百家争鳴」の由来(語源)は古く、中国春秋戦国時代にさかのぼります。
列国が抗争して大混乱していたため、たくさんの学者たちが集まり様々な学派を自由に議論し、どうしたら国が落ち着くのかを主張し合いました。そのことを「諸子百家」と言います。
学者たちのことを「諸子」と言い、『孔子』『老子』『荘子』『墨子』『孟子』『荀子』などの人物を指しています。
「百家」とは、『儒家』『道家』『墨家』『名家』『法家』などの学派を表した言葉です。現代は色々な分野の人のことを「百家」と言っています。
そして、自由また活発に議論することを「争鳴」と言い、そこから「百家争鳴」と言うようになりました。
また、1956年頃から1957年頃にかけて、中国の共産党によって「百花斉放・百家争鳴」という言葉がスローガンとして掲げられました。
そこで実施された運動で、『国の政策に対する意見や批判を聞かせてください』と呼びかけました。これを中国では「百花運動」と呼んでいます。
「百花斉放」とは「いろんな花が一斉に咲きほこる」意味で、「百花斉放・百家争鳴」は「いろんな意見を出して政治の花を咲かせましょう」という運動ですね。
結果として、国の政策に意見を唱えた学者などの知識人たちは大批判され、この運動は悲しい結果に終わったようです。
「百家争鳴」は「百花斉放」とセットで使われることが多いです。
「百家争鳴」の英語表現と類義語
「百家争鳴」の英語表現
次に、「百家争鳴」の英語表現をご紹介します。
- Let a hundred schools of thought contend(百家争鳴)
- A hundred contending schools of thought(百家争鳴)
- Let a hundred flowers blossom and a hundred schools of thought contend(百花斉放・百家争鳴)
「hundred schools」は「百家」で、「thought」は「考え」、「contend」は「争う」となり、「百家争鳴」となります。
「hundred flowers blossom」を入れることで、「百花斉放」とセットで表現できます。
四字熟語の英語表現を、ビジネス場面別でまとめてみました。
ビジネス英語として実践で使える四字熟語30選【英語勉強アプリもご紹介】
「百家争鳴」の類義語
それでは、「百家争鳴」の類義語をご紹介します。
- 議論百出(ぎろんひゃくしゅつ)
- 談論風発(だんろんふうはつ)
- 百花繚乱(ひゃっかりょうらん)
「議論百出」は、「色々な意見が数多く出て、議論すること」という意味です。『議論する』というところが「百家争鳴」と似ていますね。
「談論風発」は、「談論風発」とは「盛んに談話や議論が行われること」という意味です。こちらも『談話や議論』という部分があり、「百家争鳴」と類似しています。
「百花繚乱」は「いろいろの花が咲き乱れる」という意味です。すぐれた立派な業績が一時期にたくさん現れることという意味なので、「百花斉放・百家争鳴」の両方の意味がひとつの言葉に入っています。
「談論風発」「百花繚乱」については、こちらの記事に詳しく書いています。
「談論風発」とは?意味や英語&類義語表現、使い方の例文5つをご紹介!
「百花繚乱」とは何か?意味や読み方、使い方の例文【英語&類義語】
「百家争鳴」の使い方
最後に、「百家争鳴」の使い方を例文でご紹介します。
【例文】
- 「昨日のニュース番組は、百家争鳴で色々な人が意見を出して盛り上がっていた」
- 「うちの会社のモットーは、百家争鳴で新入社員の意見も聞いている」
- 「たくさんの分野の学者たちが勢ぞろいし百家争鳴して意見を述べているが、答えは見つからない」
- 「あの居酒屋へ行くと、色々な客が集まっていつも閉店時間を過ぎても百家争鳴しているから、お店は大変だ」
- 「国会は常に百家争鳴しているが、肝心の内容はどうでもいいことばかりだ」
- 「最近は、若者が百家争鳴して話し合うことが少なくなったので寂しい」
「百家争鳴」は、政治の論争のような堅苦しいことばかりを表すだけではありません。討論ばかりでなく、盛り上がっている要素も含んでいます。
「百家争鳴で~」「百家争鳴して~」と、名詞・形容詞とも使えます。
まとめ:「百家争鳴」を普段でも使ってみよう
以上、「百家争鳴」について、ご紹介してきました。
まとめると、以下の通りです。
読み方 | ひゃっかそうめい |
意味 | 色々な立場にある人が、自由に議論を交わすこと |
語源 | 中国春秋戦国時代に、学者たちが集まり様々な学派を自由に議論し、どうしたら国が落ち着くのかを主張し合ったことを「諸子百家」と言い、その『百家(学派)』が『争鳴(議論)』したことが由来。 |
英語表現 | ・Let a hundred schools of thought contend(百家争鳴) ・A hundred contending schools of thought(百家争鳴) ・Let a hundred flowers blossom and a hundred schools of thought contend(百花斉放・百家争鳴) |
類義語 | ・議論百出(ぎろんひゃくしゅつ) ・談論風発(だんろんふうはつ) ・百花繚乱(ひゃっかりょうらん) |
「百家争鳴」という言葉は、身近では使用しなくなっているのかもしれません。
議論をしなくても大丈夫なほど、世の中が平和だということもあるのでしょう。
しかし、堅苦しい議論ばかりが「百家争鳴」ではありません。
あなたも次の飲み会のお誘いに自由な発想で「百家争鳴」しようと言ってみてはいかがでしょうか。
いつもの飲み会が、とても内容の濃いものになるかもしれません。
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