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「一切合切任せる」「一切合切失くす」など、日常会話でもよく耳にする「一切合切」。
私もついこの前、「一切合切の手続きを頼む」と上司に言われ、出張に関する手続きを全て終えてきたところです。「一切合切」と言われると重圧が凄いのですが、信頼されていると感じることもできるので私は「一切合切」という言葉が何だか好きです。
ところで、「一切合切」の意味ってご存知ですか?
この記事では「一切合切」の意味や語源、英語の表記や類義語、使い方の例文をご紹介します。
「一切合切」の意味と語源
「一切合切」の意味
はじめに、「一切合切」の意味についてご紹介したいと思います。
まずは読み方ですが、「一切合切」は「いっさいがっさい」と読みます。
「一切合切」とは「何もかも全て」という意味です。
つまり、「全部」ということですね。
「一切合切」の語源
次に、「一切合切」の語源についてご紹介します。
「一切」には、「全て」「全部」「何もかも」という意味があります。そして、「合切」にも「全て」「全部」「なにもかも」という全く同じ意味があります。この二つを重ねて作られたのが「一切合切」で、同じ意味の言葉を重ねることで「全て」「全部」という意味を強調しています。
ちなみに「合切」の由来は、「合切袋」にあると言われています。「合切袋」とは明治時代に流行した物で、女性が身の回りの細々した物を入れて持ち歩く袋のことです。財布などの身の回りの物を全て入れる袋という意味から「合切」が「全て」という意味で使われるようになったんですね。
「一切合切」の英語表現と類義語
「一切合切」の英語の表現
続いて「一切合切」が英語でどのように表現されているのかをご紹介します。
- Everything(一切合切)
【例文】
- I have lost everything(一切合切失くした)
- Not help someone at all(一切合切手伝わない)
- Not have anything to do with(一切合切関わらない)
「everything」は、「全て」「万事」という意味です。ちなみに、「万事」とは、「全てのこと」「あらゆること」という意味です。ですので、「一切合切」を英語で表現する時は「everything」が最適ですね。
ただし、「一切合切関与しない」など、否定形の意味で「一切合切」を使用する場合は注意が必要です。その場合は、「誰も~しない」「何も~しない」となるため、例文のように「everything」ではなく、「誰か」という意味の「someone」や「何でも」という意味の「anything」を使うようにしましょう。
「一切合切」の類義語
次に「一切合切」と似たような意味をもつ言葉をご紹介していきます。
- 森羅万象(しんらばんしょう)
- 一五一十(いちごいちじゅう)
「森羅万象」とは、「この世に存在する全てのもの」「この世に起こる全ての現象」という意味で、この世界に存在する物や現象など全てのことを表す言葉です。「全て」を表すという意味で「一切合切」と同じですね。
「一五一十」とは、「一から十までのこと」、つまり「始めから終わり」を表す言葉です。意味や範囲は少し違いますが、始めから終りの中の「全て」を表す言葉なので、「一切合切」と同じと言えますね。
「森羅万象」については、こちらの記事に詳しく書いています。
「一切合切」の使い方
最後に「一切合切」の使い方を紹介します。
【例文】
- 「この企画の一切合切を君に任せたよ」
- 「火事によって、一切合切燃えてしまった」
- 「彼女は、一切合切関係ない」
- 「思い出は、一切合切捨ててやる」
- 「先生に一切合切打ち明けた」
「一切合切」は「全て」を表す場面であれば、どんな時でも使える言葉なので日常会話の中でもたくさん出てきます。「一切合切~する」「一切合切~しない」などといった使い方をされることがほとんどですね。
「一切合切」は全ての物や事を表す言葉なので、「少しだけ一切合切捨てた」のように、意味が矛盾するような使い方はできません。「一切合切」は、全ての物が対象になる時にだけ使うようにしましょう。
「一切合切」と「一切合財」
「一切合切」を「一切合財」と表現される場合がありますが、これは間違いではありません。「財」という漢字がついているので、「家財や」「財産」などをイメージする方もいるかもしれませんが、「合財」にそういった意味はなく「合切」と全く同じ意味となっています。そのため、「一切合切」も「一切合財」も全く同じ意味で使うことができるんですね。
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