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刑事ものやサスペンスもののドラマを観ていると、わかっていてもヒヤヒヤ・ドキドキしませんか?
「犯人はあいつよ!」とつい叫んだり、探偵さながらの推理をしたり、犯人を自分が追い込んでいる気分になりますね。
悪いことをすれば逃げ切れることはなく、天罰を受けることは当たり前のことです。
この記事では、スッキリする四字熟語の「天網恢恢」の意味や語源、英語表現・類義語、例文による使い方をご紹介していきます。
「天網恢恢」の意味は?語源は?
はじめに、「天網恢恢」が読めた人がどのくらいいるでしょうか。
「天網」は読めても「恢恢」は簡単には読めないですね。
「天網恢恢」は「てんもうかいかい」と読みます。
読み方を聞くと「なるほど!」とうなずいてしまう四字熟語ですね。
「天網恢恢」の意味は?
「天網恢恢」とは「天が張りめぐらせた網は、広範囲で目が粗いけれども、悪事・悪行は決して取り逃がさない」という意味です。
天道は悪事を見逃すことなく、悪事は天罰受けるという悪事を戒める言葉です。
「天網恢恢」の語源は?
次に、「天網恢恢」の語源について見ていきましょう。
まず「天網恢恢」を二語に分けてご紹介します。
- 「天網」・・・「天が人の悪事を見張るために張った網」という意味
- 「恢恢」・・・「広く、ゆっくりとしている」という意味
そして、「天網恢恢」は中国の思想家・老子に由来している四字熟語です。
「天網恢恢疎にして失わず」の略であり、「天は人の悪事を見つけるために網を張っています」という意味です。まるで「天の警察」のようですね。
網は粗い目で広範囲に及んでいますが、決して取り逃がすことなく、必ず天罰を受けることになるのです。
ここからもわかるように「周囲に気づかれていない」と悪事を働いていても、天をごまかすことは出来ないということですね。
「天網恢恢」を英語表現・類義語
それでは次に「天網恢恢」を英語表現・類義語で表現すると、どのようなものになるのかご紹介していきます。
「天網恢恢」の英語表現
「天網恢恢」を英語で表現すると、以下のようになります。
- Heaven’s net has large meshes
【例文】
- Heaven’s net has large meshes, but nothing escapes.(天網恢恢にして漏らさず)
- 「heaven’s」・・・天国
- 「net」・・・網
- 「large」・・・大きい
- 「meshes」・・・網目
各単語の意味のを合わせることで「天の大きな網目の網」となり、「but nothing escapes」をつけることで「天の大きな網目の網からは逃げられない」という英文になり「天網恢恢」の意味を伝えることが出来ます。
「天網恢恢」の類義語
また「天網恢恢」の類義語には、どうようなものがあるのでしょうか。
- 勧奨懲戒(かんしょうちょうかい)
- 勧善懲悪(かんぜんちょうあく)
- 破邪顕正(はじゃけんしょう)
「正義は必ず勝つ」という意味の四字熟語は、宗教的な要素を含んだものが多くなっています。
古代より人間にとって天というものは未知の世界であり、全てを見通しているものであるのでしょう。
「勧善懲悪」の記事はこちらをどうぞ。
「天網恢恢」の使い方の例文
それでは「天網恢恢」の使い方について、例文を用いてご紹介していきます。
【例文】
- 「いまさらながら、天網恢恢疎にして漏らさず、という古言を味わった。」
- 「古書には、天網恢恢疎にして漏らさず、と書かれていた。」
- 「神は、天網恢恢にして失わずお見通しなのです。」
- 「そうゆうみせしめとして、天網恢恢なのです。」
- 「天網恢恢疎にして漏らさず、なので私の出番はありません。」
「天網恢恢」は「天網恢恢疎にして漏らさず」や「天網恢恢にして失わず」といった言葉をつけることで文章として描かれることが多い四字熟語です。
「天網恢恢」は天から教えられること
ここまで「天網恢恢」について解説してきました。
古代より人間は、方位や自分の星を信じてきました。現在でも、家を建てる時や旅行に行くときなど、大きな行動を起こすときは天道に習う風習が残っています。
また天が荒れると祈りを捧げたり天に向かい願いを伝えたりと、人間にとっての天は生きていくうえで切り離せないかかわりの深いものなのです。
人の目はごまかせても、天が張り巡らす網を通り抜けることは出来ないのも、天は変わることなくこの世を見守り、悪を見逃すことなく天罰を与えるヒーローなのかもしれませんね。
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