「丁稚奉公」とは?読み方や丁稚奉公制度の意味【使い方&英語】

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下働きや小間使い、使い走りなどという言葉は「丁稚奉公」と言われることがあります。下働きなどは大変だし、できれば自分はやりたくないと思うのではないでしょうか。
ところがこの「丁稚奉公」は思ったほどマイナスな言葉ではないというのを、ご存知でしょうか?
昔からあるこの「丁稚奉公」という言葉ですが、実はとても良い風習のことなのです。
この記事では「丁稚奉公」の意味や語源、英語や類義語の表現使い方の例文をご紹介します。

 

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「丁稚奉公」の意味と語源

「丁稚奉公」の意味

さて「丁稚奉公」とはどのような意味なのでしょうか。
まず「丁稚奉公」は「でっちぼうこう」と読みます。
「丁稚奉公」とは「商店などに年少のうちから下働きとして勤めはじめること」という意味になります。
子供の頃から家を出て働かなければならないという、今なら結構過酷な風習ですね。

「丁稚奉公」の語源

それでは、「丁稚奉公」の語源をご紹介します。
江戸時代から昭和の終戦頃まであった「丁稚奉公」なのですが、10歳前後で生家を出て職人や商人などの家に住み込みで働き、雑用などの使い走りなどをしていた少年のことを「丁稚」と呼びました。その風習のことを「丁稚奉公」と呼びます。
「丁稚」という言葉が「弟子」になったという背景には、「丁稚(ていち)」という若者や身分の低いことを意味する語が変化した説があります。「奉公」は主人に仕えることです。

江戸時代は貧しい家庭で生まれた身分の低い少年が、3食付の住み込みで商家や職人の家で下働きをし、商いのいろはや職人技を目で見て覚え、しつけもされました。大人になってから暖簾分けをして独り立ちするまで面倒を見てもらえたのです。ですから、幼いころから親元を離れ働きにでることは大変かもしれませんが、衣食住に困ることはなく、尚且つ仕事を覚えて独り立ちすれば大金持ちになることも可能でしたので、貧しい家に生まれた男の子にとってはとても良いシステムだと思います。とても良いシステムではありますが、雇い主の良し悪しによって待遇が違うこともあり、下働きからずっと出世をさせてくれない雇い主もいたようです。

昭和の終戦まであった風習なので、有名なところでは「経営の神様」と呼ばれている、現在のパナソニックを立ち上げた、松下幸之助さんが「丁稚奉公」から大会社の社長になった人物です。
現代は住み込みこそなくなりましたが、職人の元で修業する人のことを「丁稚奉公」と呼ぶこともあります。

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「丁稚奉公」の英語表現と類義語

「丁稚奉公」の英語表現

次に「丁稚奉公」の英語の表現をご紹介します。

  • Apprenticeship(奉公・見習い、徒弟)

【例文】

  • sent out to an apprenticeship(奉公にでる)
  • finish one’s apprenticeship(見習いが終了する)

中世ヨーロッパの手工業ギルドでは、徒弟制度(「apprenticeship system」)といって「丁稚奉公」に似た技能教育を行った制度がありました。

「丁稚奉公」の類義語

「丁稚奉公」の類義語が特にありませんので「丁稚」の類義語をご紹介します。
丁稚の類義語
徒弟 (とてい)
小僧(しょうそう)
「小僧」は幼い僧のことを言いますが、江戸時代は「丁稚」のことを「小僧(こぞう)」と呼ぶ人もいました。

 

「丁稚奉公」の使い方

「丁稚奉公」の意味を理解したところで例文をご紹介します。

【例文】

  1. 「昔は学校に行けない子供は丁稚奉公に出されていたんだ」
  2. 「祖父の家は貧しく兄弟も多かったので小さいころから丁稚奉公に出された」
  3. 「丁稚奉公から番頭にまで成り上がり奉公先の婿養子に入った」
  4. 「私は丁稚奉公で苦労はしたけれど、あの苦労がなければ今この会社は無かったのだよ」
  5. 「丁稚奉公する気持ちで親方の技を盗んで一人前の大工になりたい」
  6. 「歴史あるこの伝統工芸を習うために丁稚奉公したい」

このように「丁稚奉公」はとても大変ですが、頑張れば苦労が報われ大企業の経営者や人間国宝にもなれる可能性もあります。

こちらも上を目指すために学ぶという意味では、「丁稚奉公」に似ている四字熟語と言えますね。是非合わせてご覧ください。

 

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「丁稚奉公」はチャンス

「丁稚奉公」は貧しく学校にも行けない子供が出世をするチャンスがある風習でした。現代は義務教育制度があるため最低限の教育は受けられ、「丁稚奉公」の風習は見当たりません。
職人さんが減ってきている時代ですので、もし何か手に職を付けたいと思っている方は「丁稚奉公」に出る覚悟で見習いに入ってみると良いでしょう。手に職は一生の財産になります。

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