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あなたの周囲には、いつも笑顔で誰とでも仲良く話せる人がいませんか?
そんな人を見ながら分け隔てなく接することが出来るのは素晴らしいことだと感じたことがあります。
先日も、通りがかりのお年寄りが道に困っていました。気にはしながらも問いかけることが出来ず通り過ぎようとした時、お年寄りに優しく声をかけた人がいました。とても親切で、笑顔も口調も優しいその人を見て少し自分が恥ずかしくなりました。
この記事では、「八面玲瓏」の意味と語源、使い方の例文、類義語と英語表現をご紹介します。
「八面玲瓏」の意味と語源
「八面玲瓏」の意味
最初に、「八面玲瓏」の意味をご紹介します。
まずは読み方ですが、「八面玲瓏」とは「はちめんれいろう」と読みます。
「八面玲瓏」とは、「どの面から見ても美しく鮮明なこと」という意味です。
この意味を人の心に置きかえて「心に不審やわだかまりがなく透き通っていること」といった意味で使われるようになりました。心の綺麗な人は、円満に誰とでも付き合える人であることがわかりますので、人柄を表現するときに褒め言葉になるでしょう。
「八面玲瓏」の語源
次に、「八面玲瓏」の語源をご紹介します。
- 「八面」・・・「あらゆる方面」という意味
- 「玲瓏」・・・「宝石のように曇りなく透き通っていて美しい様子、美しく輝くこと」という意味
古代中国の馬熙が書いた「開窓看雨」の詩に「洞房よろいぐさを編み、屋荷を編む。八面玲瓏として月を得ること多し」という文面が「八面玲瓏」の由来となっています。
「八面玲瓏として月を得ること多し」とは「部屋のあらゆる方面から美しい月が見える」という日本語訳になります。
「玲瓏」という表現は、音の響きも漢字も綺麗で惹かれる言葉ですね。
そんな美しい景色を人の言動に表現したのが「八面玲瓏」なのです。
「八面玲瓏」の使い方
続いて、「八面玲瓏」の使い方を例文で見ていきましょう。
- 「彼女は八面玲瓏な人柄で、いつもにこにこしているよね。」
- 「母は八面玲瓏で誰からも慕われている人です。」
- 「彼は八面玲瓏な性格なので敵が少ない。」
- 「僕は八面玲瓏な彼女に一目ぼれしてしまいました。」
- 「兄弟でも兄は八面玲瓏なのに僕は内気で人と話すのが苦手でした。」
誰にでも表裏なく、打ちとけることの出来る人柄のことを「八面玲瓏」という言葉で表現しています。嫌味や下心のない純粋な人だと例文からも読み取れますね。
また女性に向けた例文が多いのは「ガラスのような透き通った平穏な心」という表現に柔軟性があり、女性に向けた褒め言葉のように聞こえるからなのかもしれません。
使い方としては、「八面玲瓏な〇〇」と後には人物や性格・人柄が入ります。
「八面玲瓏」の類義語と英語表現
「八面玲瓏」の類義語
それでは、「八面玲瓏」の類義語には以下のようなものがあります
- 八面美人(はちめんびじん)
- 八方美人(はっぽうびじん)
人物像として八方美人は「誰にでも良い顔をして調子を合わせる人」というマイナスなイメージが多いのに対し、「八面玲瓏」は「人間関係に差し障ることなく上手に交わせていける人」というプラスのイメージがあります。
「八方美人だね」と言うと相手の機嫌を損ねてしまいそうなので、使い分けには気をつけましょう。
「八方美人」については、こちらの記事に詳しく書いています。
「八面玲瓏」の英語表現
最後に、「八面玲瓏」の英語表現をご紹介します。
- beautiful from all sides(八面玲瓏)
- perfect serenity(八面玲瓏)
- affability(八面玲瓏)
上記の英語を使った例文は以下のようになります。
【例文】
- She is the basis of longing in perfect serenity.(彼女は八面玲瓏で憧れの的です。)
「serenity」は「平静、静穏」という意味です。「平静」というのはただ静かいうのではなく落ち着いた心を持ち備えている状態を意味します。そのような心が「完璧」という意味の「perfect」と合わせることで「しっかりと落ち着いた心」という意味として「八面玲瓏」の英語訳になります。
まとめ
以上、「八面玲瓏」について、ご紹介してきました。
まとめると、以下の通りです。
読み方 | はちめんれいろう |
意味 | どの面から見ても美しく鮮明なこと |
語源 | 古代中国の馬熙が書いた「開窓看雨」の詩にある「部屋のあらゆる方面から美しい月が見える」という意味が由来 |
類義語 | 八面美人(はちめんびじん)、八方美人(はっぽうびじん) |
英語表現 | beautiful from all sides(八面玲瓏) perfect serenity(完璧な静けさ) affability(愛想) |
ここまで「八面玲瓏」について解説してきました。
古代には電気もなく、人は夜空に浮かぶ月はとても大きく聡明なものに映ったのでしょう。
暗い部屋のあちこちから見える月は、どんな人の心も和ませ癒してくれているということが「八面玲瓏」の言葉からわかります。
静かではあるけれど、大きな心で接することが出来る「八面玲瓏」な人になれるように心がけていきたいですね。
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