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突然ですが、あなたは特別扱いされることってありますか?
特別扱いされると、すごく気分も良くなり得した気分になりますよね。
特別扱いを表す言葉のひとつに「判官贔屓」という言葉があります。
普段はあまり使用しないような、難しい漢字が入っていますね。何と読むのでしょうか。
また、この「判官贔屓」という特別扱いはどんな場面で使用される言葉なのでしょうか。
この記事では「判官贔屓」の意味や語源、英語表現・類義語や使い方の例文をご紹介します。
「判官贔屓」の意味と語源
「判官贔屓」の意味
それでは「判官贔屓」の意味をご紹介します。
まずは読み方ですが、「判官贔屓」は「ほうがんびいき」と読みます。
「判官贔屓」とは「弱者や幸が薄そうな人に対し、同情し味方すること」という意味です。
傍から見ていて、「弱いから」「大変そうだから」と同情してしまうことを言います。
「判官贔屓」の語源
続いて「判官贔屓」の語源をご紹介します。
日本の鎌倉時代にさかのぼります。
源義経(みなもとのよしつね)は官職が「判官」だったので、「九郎判官」と呼ばれていました。
「判官」とは平安時代の檢非違使(ケビイシ)の官位のことで少尉(しょうい)を指しています。「九郎」とは義経の通称です。
義経は平家の討伐で功績を上げ、周りから称賛されて慕う者がいました。
このことを兄の源頼朝(みなもとのよりとも)は気に食わなく思い、義経を敵対視し始め自分の地位が脅かされることを恐れて義経の命を狙うことになったのです。
義経は奥州(現在の岩手県)の藤原秀衡(ひでひら)を頼り逃げましたが、秀衡が亡くなった後、秀衡の息子の泰衡(やすひら)に襲われ義経は「もうこれまでだ、おしまいだ」と思い自分から命を絶ってしまったのです。
そのことから義経を慕う者たちから「かわいそうな英雄」と同情され、悲劇の英雄と呼ばれ始めました。
判官の官職の義経を「ひいき」したことから「判官贔屓」と言います。
「判官贔屓」の英語表現と類義語
「判官贔屓」の英語表現
次に、「判官贔屓」は英語でどのように表現されているのかご紹介します。
- underdog charm(判官贔屓)
「underdog charm」とは「選挙やスポーツなどで劣勢と思われる方に同情が集まり、多くの声援が得られること、人々の同情を引く要素のこと」という意味です。
「underdog」は「負け犬」「スポーツや選挙などで勝ち目のない負けそうな人やチーム」「人生などにおける敗残者」「弱者」ということで、「charm」とは「魅力」「人を引きつける力」「女性の器量」「色香」「なまめかしさ」「おまじないの魔力」「魔法」「護符」「魔よけ」「お守り」という意味で「チャームポイント」という言葉でおなじみですね。
「判官贔屓」の類義語
「判官贔屓」の類義語をご紹介します。
- 依怙贔屓(えこひいき)
「依怙贔屓」とは「他の者よりも特に、その者に目をかけること、公平でないこと」という意味です。
「依怙」という言葉でも「一方だけをひいきにすること」「不公平」という意味になりますが、「贔屓」を更に付け加えて「特別扱い」となり普通の贔屓とは異なります。
「判官贔屓」の使い方の例文
最後に、「判官贔屓」の使い方を例文でご紹介します。
【例文】
- 「一生懸命、頑張っている弱いチームを無性に判官贔屓したくなる」
- 「強い者より弱い者を判官贔屓した方が、応援のしがいがある」
- 「君の提案はすごくいいけど、立場が弱く打ち消されそうだから判官贔屓してあげるよ」
- 「普段の行いが良ければ、弱くても判官贔屓でみんな君の味方をしてくれるよ」
- 「判官贔屓の同情の応援は、底力を発揮させてくれた」
「判官贔屓」は、弱者の肩を持つ時に使います。
「判官贔屓」単体としても使いますが、「判官贔屓する」という風に動詞としても使います。
日本人は一生懸命頑張っている弱者を損得なしで応援したくなる要素を持っていて、それは義経を応援した時代の頃より変わっていないようですね。
「判官贔屓」はエネルギー
どうしても「贔屓」というと特別に個人的な損得で応援しているようなイメージですが、「判官贔屓」は弱いものを応援することで、その応援が時として軌跡を起こす場合もあります。
人の応援はそれほどエネルギーがあるということですね。
あなたも身近に弱っている人を見かけたら「判官贔屓」してみるといいでしょう。
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