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二宮金次郎の銅像を皆さん見たことがあるでしょうか。
有名な二宮金次郎像は、薪を担いで熱心に読書をしている子供の姿が有名ですが、これほどまでに「葦編三絶」がふさわしいものはないでしょう。
ところで「葦編三絶」の意味をご存じでしょうか。
この記事では、「葦編三絶」の意味と語源、使い方の例文、類義語と英語表現をわかりやすくご紹介します。
「葦編三絶」の意味と語源
「葦編三絶」の意味
それでは、「葦編三絶」の意味をご紹介します。
まず読み方ですが、「葦編三絶」は「いへんさんぜつ」と読みます。
「葦編三絶」とは、「何度も繰り返し本を読むこと、熱心に学問に徹すること」という意味です。
夢中になって本を読み、夢中になって学問に打ち込むさまを表した言葉です。
「葦編三絶」の語源
続いて、「葦編三絶」の語源をご紹介します。
「葦編」と「三絶」に分けてご紹介します。
「葦編」は「古代中国の書物の総称」を意味します。昔の書物はごわっとしたしわしわの紙を使って書物が作られていました。書道の時に使った和紙がイメージしやすいと思います。
「三絶」は「書物を綴じている紐が何度も切れるさま」を意味します。昔の書物は糊(のり)ではなく紐(ひも)で綴じられていました。何度も開閉を繰り返すうちにその紐が切れてしまった様子を表しているわけです。
あなたも参考書など開きすぎて、表紙が破れてしまった経験などあるのではないでしょうか。それがまさに「葦編三絶」の語源であり、表している様子そのものだと言えるでしょう。
「葦編三絶」の使い方
最後に、「葦編三絶」の使い方を例文でご紹介します。
【例文】
- 「葦編三絶することで、手っ取り早く成績を上げることができる。」
- 「彼の成績がいいのは、葦編三絶することを習慣としているからだ。」
- 「葦編三絶することは決して簡単なことではないよ。」
- 「整頓された環境を整えることが、葦編三絶するための秘訣だ。」
- 「私は第一志望の大学へ行くために葦編三絶した。」
「葦編三絶」は、熱心に学問に徹するさまを示している言葉です。
使い方は、「葦編三絶する」や「葦編三絶して~」という形で用いられることがほとんどです。
「葦編三絶して走る」や「葦編三絶して泳ぐ」などは誤用です。「葦編三絶」はあくまで学問に関連するときに用いることができると認識しておきましょう。
「葦編三絶」の類義語と英語表現
「葦編三絶」の類義語
「葦編三絶」の類義語をご紹介します。
- 読書百篇(どくしょひゃっぺん)
- 無我夢中(むがむちゅう)
「読書百遍」は「何度も書物を読むことで真意が明らかになるさま」という意味です。「読書百遍」は書物限定の表現になるので「理科の勉強に読書百遍する」は誤用になります。
「無我夢中」は「目の前にあることに打ち込むさま」という意味です。「無我夢中」は「葦編三絶」よりも汎用性が高い言葉です。「無我夢中に走る」や「無我夢中に登山する」など学問以外の事柄にも用いることができます。
「葦編三絶」の英語表現
次に「葦編三絶」の英語表現をご紹介します。
- Repeatedly read(葦編三絶)
【例文】
- I repeatedly read when I was a student.(私が学生だった頃、葦編三絶していた。)
- I hear that you fail an examination. I recommend to repeatedly read.(あなたは試験に落ちたって聞いたわ。葦編三絶することをおすすめするよ。)
「repeatedly」は「繰り返し」を表す言葉です。お店をリピートするなんて言葉聞いたことがあるのではないでしょうか。「repeatedly read」で繰り返し本を読むさまを表しています。
まとめ
以上、「葦編三絶」について、ご紹介してきました。
まとめると、以下の通りです。
読み方 | いへんさんぜつ |
意味 | 何度も繰り返し本を読むこと、熱心に学問に徹すること |
語源 | 「葦編」=「古代中国の書物の総称」、「三絶」=「書物を綴じている紐が何度も切れるさま」 |
類義語 | 読書百篇、無我夢中 |
英語表現 | repeatedly read(繰り返し本を読む) |
「葦編三絶」は「熱心に学問するさま」を示した言葉です。
「葦編三絶」は「熱心に」という意味合いが先行するあまり、学問以外の言葉にも用いてしまいがちです。古来中国の故事成語を元に成立した四字熟語なので使われる場面は学問に関連するときと限定されてしまいますが、きちんと用いる場面、文脈をおさえて積極的に活用してみましょう。
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