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あなたは「一気呵成」という言葉をご存じでしょうか?
日常的によく使う言葉ではないので知らない方もいらっしゃると思います。
私は、大学生の時の論文が行きづまった時に先生から「期限が迫っているのだから、一気呵成に仕上げちゃいなさい」と喝を入れてもらったことがあります。
「一気に」「一息に」という意味ですが、実際どのようなシーンでどのように使うのか、難しいですよね。
この記事では「一気呵成」の意味や語源、英語・類義語表現や例文による使い方についてご紹介してまいります。
「一気呵成」の意味や語源
まずは意味と語源についてご紹介していきます。
「一気呵成」の意味
先に読み方を確認しましょう。
「一気呵成」は「いっきかせい」と読みます。漢検1級レベルの難関漢字になります。
よく「呵」の字を「可」と間違えてしまうミスが多いので気を付けてくださいね。
続いて意味をみてみましょう。
「一気呵成」とは「ひと息に作り上げること。ひと息に成し遂げること」という意味になります。
中断したり滞ったりせず何かを完成させるということです。
「一気呵成」の語源
続いて語源を確認してきましょう。
- 「一気」・・・「ひと息」
- 「呵成」・・・「寒いときに筆に息を吹きかけて温め、詩文を完成させる」
「呵」は「息を吹きかけること」を指します。
漢字からお分かりの通り、元々は一気に文章を書きあげる際に使われていた言葉になります。
そこから転じて、執筆以外の仕事等にも使われるようになりました。
「一気呵成」の英語と類義語
次に英語表現と類義語についてご紹介していきます。
「一気呵成」の英語
一気呵成を英語に訳すとどのような表現になるのでしょうか。
【例文】
- I finished writing the novel in one sitting. (私はその小説を一気呵成に書き上げた)
「in one sitting」で「一気に」という意味になります。
他にも「at a stretch」「without stopping」も同じように使えます。
ぜひ覚えておいてください。
「一気呵成」の類義語
続いて類義語をみてみましょう。
- 一網打尽(いちもうだじん)
- 一瀉千里(いっしゃせんり)
- 懸河之弁(けんがのべん)
「一網打尽」とは「網を一回打っただけで魚を捕り尽くすこと。一党の者を一度に捕え尽くすことのたとえ」、「一瀉千里」とは「物事が非常に早くはかどり進むこと。文章や弁舌が流れるようによどみないこと」、「懸河之弁」とは「止まることなく流れる川のような弁舌」という意味になります。
類義語ですのでもちろん全て似たような意味ですが、「一気呵成」と一番近い意味は「一瀉千里」になります。
ちなみに「一瀉千里」の記事はこちらに詳しく書いてますので、合わせてご覧ください。
「一気呵成」の使い方
最後に「一気呵成」の使い方について、例文でご紹介していきます。
【例文】
- 「切羽詰まってから一気呵成に書き上げられた」
- 「私の子は夏休みの宿題を一気呵成に終わらせた」
- 「そのプロジェクトを一気呵成に完成させよう」
- 「彼はその小説を一気呵成に執筆した」
- 「企画書を一気呵成に作ったら誤字脱字が多く怒られてしまった」
1・4・5の例文のように文章を書くことに対して使うことが割と多いですが、2と3のように他のことに対する使い方もできるので是非覚えておいてください。
また仕事のシーンを多く例に出しましたが「後半にスタミナがある選手を加えて一気呵成に攻めた」というようにスポーツシーンでも使われることがあります。
「一気呵成」の特徴
ここまで「一気呵成」についてご紹介してまいりましたがいかがでしたでしょうか。
一気にやり遂げる、ひと息でやりきるという意味なので、何かそのような機会がありましたら「一気呵成」を使ってみてください。
ひとつ注意点があります。ある映画で「一気呵成に沈没する」というようなセリフがありました。これは誤用で「沈没する」とか「嵐がくる」等の自然災害には使いません。「一気呵成」は意思があっての言葉です。
必ず覚えておいてください。
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