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あなたは「一刀両断」という言葉をご存知でしょうか?
漢字を見る限り、「一回で切る」、「ひとつの刀を二つに切断する」など考えられます。
新聞や雑誌などで、よく目にする四字熟語ですが、意外と詳しい意味は知られていないようです。
よく切れる刃物のイメージがしますが、一体どのような意味で、どんな場面で使うとよいのでしょうか。
この記事では「一刀両断」の意味や語源、英語・類義語の表現や使い方の例文をご紹介します。
「一刀両断」の意味と語源
「一刀両断」の意味
それでは「一刀両断」の意味をご紹介します。
まずは読み方ですが「一刀両断」は「いっとうりょうだん」と読みます。
「一刀両断」とは「ひと太刀で真っ二つにすること、すみやかに決断して事を処理すること、素早くきっぱりとした決断を下し、処置を施すこと」という意味です。
ズバッとした意見のことをいいます。
「一刀両断」の語源
続いて「一刀両断」の語源をご紹介します。
中国の宋の時代、儒学者の朱子(しゅし)が、門弟たちと交わした言葉を、朱子の没後に集成し門類に分類した書物の「朱子語類(しゅしごるい)」に書かれている言葉です。
その内容は次の通りです。
「人間の将来を憂えて発奮(はっぷん)すると食事を忘れ、みずからの楽しみを楽しむときは憂いを忘れて没頭するという孔子の生き方は「一刀両断」なんだ」
と記されています。
孔子の生き方は心配する時は楽しみなご飯も食べるのを忘れるくらい心配し、逆に楽しむ時は心配事をすっかり忘れて思い切り楽しむ、そんな人だと説明しています。
現代では「良いか悪いか」「するかしないか」など、どちらかを瞬時に迷わず決めることです。
元々は「何か行動している時は、他のことを考えず、集中する」ということだったのですね。
「一刀両断」の英語表現と類義語
「一刀両断」の英語の表現
次に「一刀両断」は英語でどのように表現されているのかご紹介します。
- cut in two(真っ二つに)
- in a single sweep(一刀両断に、いっぺんに)
「cut in two」は切断する、二つに分けるなど、物理的な意味を表しています。
「sweep」は「掃除する、掃く、払う、掃きのける」で「in a single」は「たった一度きり」という意味です。直訳は「たった一度払った」です。
「一刀両断」の類義語
「一刀両断」と似た意味を持つ言葉をご紹介します。
- 快刀乱麻(かいとうらんま)
- 単刀直入(たんとうちょくにゅう)
- 問答無用(もんどうむよう)
「快刀乱麻」とは「こじれた物事を非常にあざやかに処理し解決すること」で「鋭利な刃物で、もつれた麻糸を断ち切るように物事を処理する」ということからできた言葉です。
「単刀直入」は「前置き無しに直接要点をつくこと」です。
「問答無用」とは「あれこれ議論してもなんの利益もないこと。また、もはや議論する必要のないこと」という意味です。
「一刀両断」とこれらの四字熟語は共通して余韻や時間をもたせず、速やかにストレートに物事を運ぶということです。
「一刀両断」の使い方
最後に「一刀両断」の使い方を例文でご紹介します。
【例文】
- 「君の意見は一刀両断で素晴らしかった」
- 「政治家の言い訳を一刀両断する小学生の意見は的を得ている」
- 「妻はいつも一刀両断な答えを出す」
- 「お小遣いの値上げを申し出たが、一刀両断で断られた」
- 「海外の災害支援に一刀両断の決断をした首相は後世に名を遺した」
例文のように「一刀両断」とは悩まず、即決で意見を出す時に使う四字熟語です。
一瞬の判断「一刀両断」
人生では色々悩み、中々解決できないことがたくさんあります。
それは時間がある時はゆっくりと考えれば良いのですが、一瞬で状況を判断しなければならないこともあります。
「一刀両断」はそんな一瞬で物事を決めたことを表現する言葉です。
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