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赤ちゃんは純粋で雑念など一切ありません。ところが成長とともに自我が芽生え始めます。自我が芽生えるということはとても大切なことです。しかし、大人になるにつれこの自我が「ああしたい、こうしたい」「あれイヤ、これイヤ」と言い、邪魔をし始めるのです。
赤ちゃんのころのような澄んだ心のことを「無念無想」と表現します。ではこの「無念無想」はどんな場面で使うことができるのでしょうか。
この記事では「無念無想」の意味や語源、英語の表現や類義語、使い方の例文をご紹介します。
「無念無想」の意味と語源
「無念無想」の意味
それでは「無念無想」の意味をご紹介します。
意味の前に「無念無想」の読み方ですが「むねんむそう」と読みます。
「無念無想」とは、「一切の邪念から離れて、無我(むが)の境地に到達し、無心(むしん)になること、しっかりした考えを持っていないこと。思慮のないこと」という意味です。
横道にそれた余計な考えを捨て自分を主張しないということです。
「無念無想」の語源
続いて「無念無想」の語源を解りやすく紐解いてご紹介します。
「無念無想」を二語に分けてご説明すると、まず「無念」とは「心に何も思わないこと、悔しくてたまらない」という意味でここでは「心に何も思わないこと」の意味で使われています。「無想」とは「心に何も思い浮べないこと」という意味です。「無念」と「無想」はとても似ている意味を持ち合わせた言葉ですよね。
この「無念無想」という四字熟語は二語続けて「心に何も思わない」ということを強調した言葉です。
また、仏教では「無念」は「雑念を捨て心が澄んでいるようす」、「無想」は「心の動きがない、気持ちがない」ということを表しています。
そして「無念無想になりなさい」と言われても、とても無理な気がしますが戦国時代の武士は邪念などあればすぐに切り殺されてしまいますので、「無念無想」になるということは大切なことだったのです。
「無念無想」の英語表現と類語
「無念無想」の英語の表現
次に「無念無想」は英語でどのように表現されているのかご紹介します。
- rid oneself of all worldly thoughts(無念無想)
「rid oneself of all」は「~から抜け出す、免れる」ということで、「worldly thoughts」とは「雑念」という意味なので「rid oneself of all worldly thoughts」を直訳すると「雑念から抜け出す」という意味になります。
「無念無想」の類語
「無念無想」と似た意味や構成を持つ言葉をご紹介します。
- 虚気平心(きょきへいしん)
- 無想無念(むそうむねん)
「虚気平心」は「感情を無くして心が落ち着く、平静にすること」という意味です。
「無念無想」の漢字を入れ替えただけのような「無想無念」は「あらゆる想念(そうねん)からはなれる、妄念(もうねん)がないこと」ということで、「想念」は「心に思い浮かべる考え」、「妄念」は「迷いの心」という意味です。「無念無想」と若干意味の違いがあります。
「無念無想」の使い方
最後に「無念無想」の使い方を例文でご紹介します。
【例文】
「彼は自分の意見を言わない人だが、無念無想で思慮がないのかもしれない」
「無念無想の境地になれる人間は修業を積み重ねてきている」
「君は雑念が多すぎるから無念無想になるのは難しいよ」
「無念無想の境地に入り雨音さえも耳に入ってこなかった」
「生きていれば無念無想になるなんてはっきり言って無理だ」
この「無念無想」は「考えがないという説明」にも、「心を空っぽにする」という表現にも使えます。
「無念無想」になるのは難しい
「無念無想」になって集中力を高めたり、気持ちを穏やかにしたい人はたくさんいると思います。しかし、そう考えれば考えるほど雑念だらけになっているような気持にもなりますよね。
「無念無想」になりたいと思うことが、もはや雑念なのではないかと思ってしまします。
赤ちゃんのような心には戻れないかもしれませんが、綺麗で澄んだ心にはなれますのであなたも修行を頑張ってみましょう。
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