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「武者修行」と聞くと、古めかしいイメージがしますね。大河ドラマの場面や戦国時代の武士の戦いといった光景を思い出す人も多いのではないでしょうか
しかし「武者修行」は今でもよく使われている日常的な四字熟語です。
一体、現在ではどういった場面で使われる言葉なのでしょうか。
この記事では「武者修行」の読み方・意味・語源はもちろん、英語・類義語表現と使い方の例文をご紹介します。
「武者修行」の読み方、意味や語源
「武者修行」の意味
「武者修行」とは、「むしゃしゅぎょう」と読みます。
「武者修行」とは、「学問や技術を磨くために、別の土地に向かうこと」という意味です。
「武者」は、武芸に携わる任務を負う武士のことです。「修行」は、もとは仏教用語から派生した言葉であり、「悟りを求めて実行すること」という意味から転じて、「技芸の熟達を目指して自分を鍛える行為」を指すようになりました。
現代では、他の土地で学問や専門技術を学び、磨くことも意味します。
「武者修行」の語源
「武者修行」の語源は、室町時代後期に始まり、江戸時代末期に至るまで武士らが諸国を巡り歩き武術の鍛錬を行ったことに由来します。
武者修行を行う武士たちは、技術を高めることを目的として地元の実力者や自分よりも技能に優れた達人を訪れては、指導や立会を受けていました。
旅をすることで、疲れや空腹に耐え抜き、人間としてのたくましさを身につけることも修行の目的の一つでした。修行の末に武功を上げて、昇進する武士も数多くいたということです。
旅を通じて武士が己の鍛錬を重ねていた歴史が垣間見えますね。
「武者修行」の英語表現と類義語
「武者修行」の英語表現
「武者修行」は、英語で以下のように表すことができます。
- Knight-errant(遊歴する騎士)
「Knight-errant」は、直訳すると「諸国をめぐり歩く騎士」のこと。
見慣れない「errant」という単語は、もとは「正道から外れた、間違った」を意味します。
そこから転じて、「諸国を周遊する、冒険する、遊歴する」という意味を表すようになりました。
西洋の騎士も、日本の武士と同じく旅をしながら修行する習慣があったのですね。
「武者修行」の類義語
「武者修行」の類義語は、以下の言葉です。
- 物見遊山(ものみゆさん)
- 諸国漫遊(しょこくまんゆう)
「物見遊山」は、あちこちと見物して回ることです。平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活躍した武士であり、僧侶であった西行は、各地にある寺社を訪れ、歌を詠む物見遊山をしていたことで有名です。「遊山」とは、野山に遊びに出ること、または気晴らしのために外出をすることです。
「諸国漫遊」とは、多くの国を気の向くままに旅行して回ることです。「漫遊」とは目的もなく旅をすることを表します。
「物見遊山」と「諸国漫遊」は、「武者修行」と「諸国をめぐる、あちこちを旅して回る」という意味では一致していますが、目的が異なるため使い分けに注意しましょう。
「物見遊山」の記事はこちらをご覧ください。
「武者修行」の使い方
それでは「武者修行」の例文による使い方を用いて見ていきましょう。
【例文】
- 「武士は武者修行に出かけ、武術の技を極めた。」
- 「専門技術を磨くために、彼女は海外の企業へ武者修行に向かった。」
- 「海外勤務を言い渡され、武者修行の日々を送ることになった。」
- 「留学は遊びではなく、武者修行と心得なさい。」
- 「彼は心身を鍛えるために、一度武者修行に出た方がよい。」
「武者修行」は歴史を語るときだけではなく、現在でもよく用いられる四字熟語です。
現在では「学問や技術を身につけるために、外国で一定期間学びにいくこと」という意味で特に使われることが多いです。
心身ともに鍛えるために
同じ場所に留まり集中的に物事に取り組むことも大切ですが、異なる刺激を受けることも成長するためには必要なことです。
現状を打破するには今いる安定した環境から抜け出して、異文化の中で高いレベルに身を置き、自分を鍛えることも大切です。
今の日常になんとなく満足できないあなたは、武者修行に出かけてみてはいかがでしょうか。
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