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あなたは、「先憂後楽」するタイプですか?私は間違いなく「先憂後楽」するタイプです。私の場合、意識して「先憂後楽」しているのではなく、気付いた頃にはもう「先憂後楽」するタイプになっていました。親の育て方によるものなんですかね。
ところで、「先憂後楽」の意味ってご存知ですか?
この記事では「先憂後楽」の意味や語源、英語の表記や類義語、使い方の例文をご紹介します。
「先憂後楽」の意味と語源
「先憂後楽」の意味
はじめに、「先憂後楽」の意味についてご紹介したいと思います。
まずは読み方ですが、「先憂後楽」は「せんゆうこうらく」と読みます。
「先憂後楽」とは「人に先だって憂い、人より後で楽しむ」という意味です。
分かりやすく言うと、「上に立つ者は誰よりも先に国を心配し、皆が楽しんだ後で自分が楽しむ」という意味で、政治家など国民の上に立つ人達にとって必要な心構えを表す言葉となっています。
「先憂後楽」の語源
次に、「先憂後楽」の語源についてご紹介します。
「先憂後楽」の語源は、中国の「范仲淹(はんちゅうえん)」という人物が書いた「岳陽楼記(がくようろうのき)」の中にある「先天下之憂而憂、後天下の樂而樂」という言葉にあります。これは、政治を行う人の心得を表した文章です。訳は、「天下の憂いに先立ちて憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ」で、「世の中に心配事があれば人よりも先に気付いて心配し、世の中に楽しいことがあれば他の人全てを楽しませてから最後に自分が楽しむ」という意味です。
この意味が転じて、現代では「先に心配や嫌な事を片付けておくと、後は楽しむだけ」や「先に苦労を体験した人は、後に安楽になれる」という意味で使われるようになりました。
最近は現代の意味で使われることが多いので、もとは政治家の心構えを表す言葉だったということを知らない人も多いのではないでしょうか。
「先憂後楽」の英語表現と類義語
「先憂後楽」の英語の表現
続いて「先憂後楽」が英語でどのように表現されているのかをご紹介します。
- Hardship now , pleasure later(先憂後楽)
【例文】
- The motto is hardship now , pleasure later(座右の銘は先憂後楽です)
- The ideal is hardship now , pleasure later(理想は先憂後楽だ)
「hardship」は「困難」や「苦労」という意味で、「now」はそのまま「今」という意味です。そして、「pleasure」は「楽しみ」や「喜び」という意味で、「later」は「後」「後ほど」という意味です。なので、「hardship now , pleasure later」は「今は苦労して、後で楽しむ」などといった意味になります。
英語表現では「先憂後楽」のもともとの意味である政治の心構えを表すのではなく、現代使われている「先に苦労をして後に楽をする」の方の意味の訳になっていますね。
「先憂後楽」の類義語
次に「先憂後楽」と似たような意味を持つ言葉をご紹介していきます。
- 先難後獲(せんなんこうかく)
- 殺身成仁(さっしんせいじん)
- 一労永逸(いちろうえいいつ)
「先難後獲」とは、「人の為に難しいことを先にして、自分の利益になるようなことは後回しにする」という意味です。「殺身成仁」は、「自分の身を犠牲にして人や世に尽くすこと」という意味です。どちらも、「自分より他人を優先する」という意味で「先憂後楽」と同じですね。「一労永逸」とは、「一度苦労すると、その後は長く安楽した生活ができる」という意味です。こちらは、「先憂後楽」の「先に苦労を体験した人は、後に安楽になれる」の方の意味に似ていますね。
「先憂後楽」の使い方
最後に「先憂後楽」の使い方を紹介します。
【例文】
- 「先憂後楽を心掛けましょう」
- 「先憂後楽を実行できる人は凄い」
- 「先憂後楽を無視して、先に楽しむ人が多い」
- 「座右の銘は先憂後楽です」
- 「政治家には先憂後楽の心得が必要だ」
語源のところでもご紹介したように、「先憂後楽」は「先に苦労をして後に楽をする」という意味で使われることが多いです。なので、「先憂後楽を心掛ける」などのように「先憂後楽を~する」という使い方をされることが多くなっていますね。
現代では「先憂後楽」を政治家の心得を表す意味で、あまり私たち一般人が使うことは多くはないですが、そのような意味で使う場合は「先憂後楽の心構え」「先憂後楽の政治」などとなります。また、「先憂後楽」を「先に苦労をして後に楽をする」の意味で座右の銘に使っている人もいます。
「先憂後楽」する政治家
語源のところでもご紹介した通り、もともと「先憂後楽」は政治家の心得を表す言葉として使われていました。しかし、最近の政治家と言えば「先憂後楽」とは無縁の私利私欲にまみれた人が多いようにも感じます。
「先憂後楽」する政治家が、これからどんどん増えていってくれることを願いたいものですね。
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