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何事もスマートにこなす大人は、かっこいいですよね。人間関係もうまくもたせながら、場を盛り上げる潤滑剤となる存在です。そんな人を「円転滑脱」な人と表現します。
さて、「円転滑脱」という四字熟語はどんな意味で、どんな場面で使われるのでしょうか?
この記事では、「円転滑脱」の読み方や意味や語源はもちろん、英語・類義語表現と使い方のポイントを解説します。
「円転滑脱」の読み方、意味や語源
「円転滑脱」の読み方、意味
まず読み方ですが、「円転滑脱」は「えんてんかつだつ」と読みます。
「円転滑脱」とは、「言葉や行動に角が立たず、そつなく物事を進める様子」という意味です。
「円転」とは、「スムーズに滞りなく進むこと」を指します。
漢字の成り立ちを紐解くと、「円」は丸いものを表す文字、「転」は、車と「糸を巻きつける様子」を組み合わせて「まわる、めぐる」意味を示します。
「滑脱」とは、「言動が自在に変化すること」です。
漢字の成り立ちをみると、「滑」は「水が流れる様」と「骨が滞りなく動く様」を合わせた文字から「なめらかに動く様子」を表しています。「脱」は、「肉が落ちてやせる」ことから「抜ける、取り去る」意味になりました。
「円転滑脱」を略した「円滑」も日常生活でよく使われていますね。
「円転滑脱」の語源
「円転滑脱」は、「円転」と「滑脱」の類似した2つの熟語を組み合わせた言葉です。
出典は不明ですが、明治時代に活躍した有名な小説家、夏目漱石の小説『我輩は猫である』で「円転滑脱」が使われています。
- 「円転滑脱の鈴木君も一寸狼狽の気味に見える。」
- 「今主人が踏んでいるところは敷居である。流しと板の間の境にある敷居の上であって、当人はこれから歓言愉色、円転滑脱の世界に逆戻りをしようと云う間際である。」
「円転滑脱」は、少なくとも明治時代以降には日本に定着して使われている四字熟語であるといえます。
「円転滑脱」の英語表現と類義語
「円転滑脱」の英語表現
「円転滑脱」は、英語で以下のように表現します。
- flexible
- adaptable
「flexible」とは「考えに柔軟性のある、柔軟な、自由自在な」という意味を表します。「adaptable」とは「(人・気質が)順応性がある、適応できる」という意味です。
【例文】
- She has a flexible mind. (彼女は柔軟な考えをもっている。)
- The Japanese people are adaptable.(日本人は適応性が高い。)
「flexible」「adaptable」は、英語でも日常的に使われる表現です。覚えておきましょう。
「円転滑脱」の類義語
「円転滑脱」の類義語は、以下の通りです。
- 円融滑脱(えんゆうかつだつ)
- 円滑洒脱(えんかつしゃだつ)
「円融滑脱」とは、「物事をスムーズにこなしていくこと」または「言動が巧みであり、相手との人間関係を穏便にすませること」を意味します。「円融」とは、「物事が滞りなく進むこと」です。「滑脱」は「滞ることなく、状況に応じて変化する」という意味から、適切な対応を行うという意味になりました。
「円滑洒脱」とは、「滞りなく、物事をすらすらと処理すること」を意味します。
「洒脱」は、「あかぬけており、さっぱりとしていること」を表します。
このように「円転滑脱」に類似した言葉は、数多くあります。
「何事もスムーズに事が運ぶ」という意味では、こちらの四字熟語も似ていますね。
「円転滑脱」の使い方
それでは、「円転滑脱」の例文を見てみましょう。
【例文】
- 「大規模なプロジェクトは、円転滑脱に進んでいった。」
- 「円転滑脱な彼のおかげで、場の空気が柔らかくなった。」
- 「円転滑脱な人は、世渡り上手だ。」
- 「彼女は、円転滑脱に仕事をこなしていく。」
- 「大手企業との交渉は、円転滑脱とはいかなかった。」
「円転滑脱」は、物事がスムーズに進み、人間関係がうまくいっている様子を表す単語です。
または、「円転滑脱な人柄」など人の特性に対して使うこともあります。
物事をスムーズに進めるためには
グループの中にひとりでも円転滑脱な人がいると、物事がどんどん進み人間関係も良くなりますね。物事をスムーズに進めるポイントは作業の効率化を図ること、そして人間関係を把握した上でうまく立ち回ることです。
あなたも円転滑脱に物事を進め、成長を加速化させましょう。
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