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突然ですが、あなたは「一陽来復」という言葉を使った経験はありますか?
私は、いつか会社の上司が「一陽来復の兆しが見えてきた」と言っているのを聞いたことがあります。
「兆し」という言葉が使われていたので、『何となくいい意味の言葉なんだろうな』とは思っていたのですが、その時はまだきちんとした意味は知りませんでした。
あまり頻繁に使われる言葉ではないので、私のように「一陽来復」の意味を知らない方も多いのかもしれませんね。
この記事では、「一陽来復」の意味と語源、英語表現と類義語、使い方の例文をご紹介します。
「一陽来復」の意味と語源
「一陽来復」の意味
はじめに、「一陽来復」の意味についてご紹介したいと思います。
まずは読み方ですが、「一陽来復」は「いちようらいふく」と読みます。
「一陽来復」とは「冬が終わって春が訪れること」「新年の始まり」「悪いことが続いた後に運が向いてくる」という意味です。
つまり、「良いことの訪れ」や「物事が回復すること」を表す言葉ですね。
「一陽来復」の語源
次に、「一陽来復」の語源についてご紹介します。
「一陽来復」の語源は、中国の占い書である「易経」の中にあります。
「易経」には「陰暦十月に陰気が極まり、十一月の冬至になって陽気が初めて生ずる」といったことが書かれており、これが「一陽来復」の由来となりました。
「易」では「陰」が「冬」を表し、「陽」が「春」を表します。
また、「陰暦十一月」に含まれる「冬至」は、1年で最も「陽」が短い日だと言われていました。
そのため、「冬至の前の十月に冬が終わり、十一月の冬至になると春が始まる」といった意味で使われるようになりました。
さらに、「陰」が「月」や「夜」などマイナスな印象、「陽」が「太陽」や「朝」などプラスな印象を与える言葉として使われていたため、「悪い事が終わり良い事が訪れる」という意味でも使われるようになりました。
「陰」と「陽」はよく耳にしますが、この二つが「一陽来復」の語源に関係していたというのは少し驚きですね。
「一陽来復」の英語表現と類義語
「一陽来復」の英語表現
続いて、「一陽来復」の英語表現をご紹介します。
- Winter is over and spring comes(一陽来復)
- Favorable turn of fortune(一陽来復)
【例文】
- Wait of winter is over and spring comes(一陽来復を待つ)
- A sign of favorable turn of fortune(一陽来復の兆し)
「Winter」は「冬」、「over」は「越える」、「spring」は「春」、「comes」は「来る」を意味します。
なので「Winter is over and spring comes」は、直訳で「冬を越えて春が来る」となり、「一陽来復」の「冬が終わって春が訪れること」を表します。
そして、「sign」は「前兆」や「兆し」、「favorable」は「好調」「好都合」、「turn」は「変わる」「転じる」、「fortune」は「運勢」という意味になります。
なので、「Favorable turn of fortune」は直訳で「運勢が変わって好調の前兆が訪れる」などとなり、「一陽来復」の「悪いことが続いた後に運が向いてくる」の意味を表していることになりますね。
四字熟語の英語表現を、ビジネス場面別でまとめてみました。
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「一陽来復」の類義語
それでは、「一陽来復」の類義語をご紹介していきます。
- 重見天日(ちょうけんてんじつ)
- 枯木竜吟(こぼくりょうぎん)
- 前途洋々(ぜんとようよう)
- 前途有望(ぜんとゆうぼう)
- 雲散霧消(うんさんむしょう)
「重見天日」とは、「悪い状況から抜け出し、再び良い方向に向かうこと」という意味です。「悪い事が終わっていい方向に向かう」という意味で、「一陽来復」と同じですね。
「枯木竜吟」とは、「苦しい状況から抜け出して、生を得ること」という意味で、生命の回復を表す言葉です。意味は違いますが、何かが回復するという部分では「一陽来復」と同じですね。
「前途洋々」とは、「これからの人生が明るく開けて希望に満ち溢れていること」という意味です。こちらはよく耳にする四字熟語ですが、「一陽来復」とほぼ同じ意味ですね。
「前途有望」とは、「将来に期待や希望が持てること」という意味です。こちらは、物事というよりも『人』が対象になります。
「雲散霧消」とは、「雲や霧が晴れて良いことが訪れる」という意味です。こちらは、「一陽来復」のように悩み事や心配事が消えることを意味しています。
「前途洋々」「前途有望」「雲散霧消」については、こちらの記事に詳しく書いています。
「前途洋々」とは?意味や語源、英語・類語表現!使い方の例文もご紹介
「前途有望」とは?意味と語源、使い方の例文【類義語と英語表現】
「雲散霧消」の意味や読み方とは?例文による使い方【英語・類語】
「一陽来復」の使い方
最後に、「一陽来復」の使い方を例文でご紹介します。
【例文】
- 「今は、一陽来復を願うしかない」
- 「今年は、一陽来復のお守りを買おう」
- 「ようやく、一陽来復の春が来た」
- 「一陽来復を待とう」
- 「一陽来復の兆しが見えてきた」
「一陽来復」は、日常会話でも使われることの多い言葉です。
特に良いことの兆しが見えてきた場合や、良いことの兆しに期待する場合に使われることが多いですね。
「一陽来復の春」「一陽来復の兆し」「一陽来復を待つ」などの言い方が一般的です。
また、「一陽来復のお守り」も有名なので、神社などに行くと耳にしたり目にすることがあるかもしれませんね。
人前での語彙力を身につけたい方に、人気の書籍もご紹介しておきます。
まとめ:大人気の「一陽来復」のお守り
以上、「一陽来復」についてご紹介してきました。
まとめると、以下の通りです。
読み方 | いちようらいふく |
意味 | ・冬が終わって春が訪れること ・新年の始まり ・悪いことが続いた後に運が向いてくる |
語源 | 中国の占い書である「易経」に書かれている「陰暦十月に陰気が極まり、十一月の冬至になって陽気が初めて生ずる」=「冬至の前の十月に冬が終わり、十一月の冬至になると春が始まる」ということから。 |
英語表現 | ・Winter is over and spring comes(冬が終わり、春が来る) ・Favorable turn of fortune(幸運の好転) |
類義語 | ・重見天日(ちょうけんてんじつ) ・枯木竜吟(こぼくりょうぎん) |
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