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あなたの身の回りには自己中心的な人はどれほどいるでしょうか。自分も「自己中心的な人間なのかもしれない」と考えさせられる時がありませんか。
自分の利益のためだけに行動する人はいつの時代にもいます。「自己中」などと言いますが
自分が言われると嫌な気がしますね。違った言い回しで「我田引水」という言葉がありますが、あなたはご存知でしょうか。
この記事では「我田引水」の意味や語源、英語・類義語表現や使い方の例文を解りやすくご紹介します。
「我田引水」の意味と語源
「我田引水」の意味
まず、「我田引水」の読み方ですが「がでんいんすい」と読みます。
では「我田引水」はどのような意味を持っているのか小学生でも解るように詳しく紐解いていきましょう。
「我田引水」とは、「他人のことを考えず、自分に都合がいいように言ったり行動したりすること。 自分に好都合なように取りはからうこと。」という意味です。
2つの語に分けてご説明します。「我田」とは自分の田畑、農地のことで「引水」は水を導くということです。
漢字の直訳は「自分の農地に水を導く」ということになります。
「我田引水」の語源
「我田引水」の語源は「水争い」ということから来ています。内容は次の通りです。
「自分の農地に水を導く」ということは作物を育てるうえで当たり前の行動ですが、この「我田引水」という四字熟語は自分の田んぼにだけ多く水を引き入れる自分勝手なことから来ています。
稲の生育には当然水が欠かせません。雨の少ない夏場は少しでも自分の田んぼに水が入るようにと、昔は争いが起きたこともあります。これを「水争い」と言いました。
そのような争いが起きないよう村の責任者が共通の用水路を管理していました。しかしその責任者が自分の田んぼへ水が多く入るように操作したのです。
「我田引水」の本来持つ意味は「責任あるものが自分の私利私欲のために行動すること」です。共用の物を責任あるものが真っ先に自分の利益のために操作することを非難した語です。
それが現在は責任を持つ人だけではなく、自分の欲のために行動する人のことを「我田引水」と言うようになりました。
「我田引水」の英語表現と類義語
意味と語源についてわかったところで、次に英語や類義語の表現について見ていきましょう。
「我田引水」は英語の表現
まずは「我田引水」の英語表現について見ていきます。
- Seeking one’s own interests(我田引水)
「我田引水」を同じ意味の単語で表すと「selfish(利己主義)」です。
また「我田引水」の英文にすると以下のようになります。
【例文】
- Every miller draws water to his own mill.(粉屋はみんな自分の水車に水を引き込む)
どこにでも自己中心な人はいますね。
「我田引水」の類義語
「我田引水」の類義語は以下の通りです。
- 得手勝手
- 自分勝手
- 手前勝手
- 独断専行
四字熟語は「~勝手」と付いているだけあって利己的なことが分かりますね。
そして、最後の「己が田へ水を引く」は「我田引水」と同じ意味のことわざです。
「我田引水」の例文
「我田引水」の使い方の例文
「我田引水」の意味が解ってきたところで使い方を例文でご紹介します。
【例文】
- 「ママ友の中には我田引水する人がいて子供のことさえ後回しだ」
- 「同僚は手柄を全部自分が立てたかのように我田引水する人です」
- 「彼は自分の利益優先なので我田引水した結果、周りに友人がいなくなってしまった」
- 「あなたは周りのことを気にかけ過ぎなので、もう少し我田引水で生きたら気持ちが楽になるよ」
- 「私は今まで人のためと思ってやってきたけれど、全て我田引水で自分の利益になることだった」
- 「自己の会社のことばかり優先で我田引水と言われるけれど、このプロジェクトが通れば大勢の人が助かることばかりだ」
やはり「我田引水」はネガティブな意味で使われることが多いですね。
「我田引水」は自分に返ってくる
「我田引水」は自分中心で上手く行くよう物事を運ぶことですが、後には悪いことが自分に返ってくることがあります。自己中心的な行動をすると、他人に嫌われ後々協力者がいなくなり辛い思いをしてしまいます。
そのようにならないように「我田引水」を頭の中に入れておいて、自分だけじゃなく他人も利益が出るような行動ができるように心がけましょう。そうすれば良いことが自分に返ってきますよ。
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