「合従連衡」とは?意味と語源、英語表現と類義語【使い方の例文】

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世の中でうまく立ち回って、良い人間関係を作ったり仕事も上手くいったりしている人っていますよね。

調子のいい上司や先輩に気に入られたり、急に離れて他の先輩と仲良くしていたり。

「世渡り上手だよねー」と陰で嫌味を言っていても、心の中ではちょっと羨ましいと思ってしまいます。

しかし、空気を読みながら相手に好かれることは、案外大変なのかもしれません。

ところで「合従連衡」という四字熟語はご存じですか。

これもうまく立ち回る様子を表す言葉ですが、この「合従連衡」という言葉の意味をよく理解してから使用した方がいいようです。

この記事では、「合従連衡」の意味や語源、英語表現や類義語、ビジネスでの使い方の例文をご紹介します。

 

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「合従連衡」の意味と語源

「合従連衡」の意味

それでは、「合従連衡」の意味をご紹介します。

まずは読み方ですが、「合従連衡」は「がっしょうれんこう」と読みます。

「合従連衡」は、「状況に応じて、勢力が協力したり離れたりすること」という意味です。

また、「たくみな計算や外交上のかけひきのこと」という意味もあります。

「合従連衡」の語源

続いて、「合従連衡」の語源をご紹介します。

「合従連衡」を分けて紐解いていきます。

「合従」の「合」は「同盟」、従は「縦」で、「縦のつながり」を意味します。

「連衡」の「連」は「連合」、衡は「横」で、「横のつながり」を意味します。

この言葉は、中国の戦国時代に行われた外交術の一種が元となっています。

西側の国である秦(しん)が強大になり、周辺の国を征服しようとします。その時、蘇秦(そしん)という人が周辺の6か国に対して、縦(南北)に同盟を組んで秦に対抗するよう呼びかけました。その策略を「合従」と言います。

それに対し、「連衡」は「合従」の対抗策として秦の張儀(ちょうぎ)が使った策略で、秦と組むメリットを説いて合従から抜けさせ、秦と各国が個別に横(東西)に同盟を組むというものです。

「合従連衡」は元々、国と国とのつながりの場面で使う言葉でした。しかし、外交だけでなく、個人間や企業間でも使うことのできる言葉です。

その時の利害に応じて、手を結ぶ相手を変えながら生き残るために行動することは、個人も社会で生き抜くために必要な戦略のひとつですよね。

 

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「合従連衡」の英語表現と類義語

「合従連衡」の英語表現

次に、「合従連衡」の英語表現をご紹介します。

  • Realignment and alliance 
  • merger and acquisition 

【例文】

  • Semiconductor manufacturers are pursuing realignments and alliance.(半導体メーカーは合従連衡を行っています。)
  • M&A is continuing in many industries.(様々な業界で合従連衡が進んでいます。)

「realignment」は「再編成」 「alliance」は「同盟」という意味です。

「merger」は「合併」、acquisitionは「買収」で、よく「M&A」と表記して新聞でも見る機会がありますね。

「pursue」は「追及する、続行する」という意味の動詞です。犯人などを「追跡する」という意味もあります。

「合従連衡」の類義語

「合従連衡」の類義語をご紹介します。

  • 雲集霧散(うんしゅうむさん)
  • 離合集散(りごうしゅうさん)
  • 分合集散(ぶんごうしゅうさん)

「雲集霧散」は「多くのものが集まっては消えていくこと」を意味します。

「離合集散」は「離れたり集まったりすること」を意味する言葉です。

「分合集散」も同様に「離れたり集まったりを繰り返すこと」を意味します。

これらは、「協力したり、対立したりすること」を表す時にも使います。

「雲集霧散」は「つながりや関係」というよりも、実際の人や物、関心などが集まったり離れたりすることを表すことが多いでしょう。雲や霧という漢字が入っているように「パッと」集まり、消える様子に使います。

「離合集散」については、こちらの記事に詳しく書いています。

 

「合従連衡」の使い方の例文

最後に、「合従連衡」の使い方を例文でご紹介します。

【例文】

  1. 「各企業も戦略的な合従連衡を通じて、業界全体の改革を進めなければならない。」
  2. 「うちの会社も合従連衡で合併しないといけないが、今までの顧客はついて来てくれるだろうか。」
  3. 「選挙のたびに、連立を組み替える合従連衡の政治が続いている。」
  4. 「今の世界政治も昔と変わらぬ合従連衡の動きがあり、様々な思惑が渦巻いているね。」
  5. 「今後の情勢によっては、生き残りをかけた合従連衡も避けられない。」

使う場面は、例文の通り政治やビジネスで用いることが多いですね。

使い方としては、「合従連衡して(生き残る、対抗する)」または「合従連衡の(政治、合併、動き)」「合従連衡を(行う、繰り返す、進める)」というように使うことが多いですね。

「合従連衡」は「臨機応変」というような肯定的なイメージよりも、「節操がない、短絡的だ、コロコロ態度をかえる」と否定的にとらえる人が多いので注意しましょう。

これは、歴史書でも、合従連衡を繰り返した結果、結局滅ぼされた6か国の同盟が影響しているでしょう。

 

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結局は自分の選択力「合従連衡」

語源のところの、蘇秦の政策は「弱いものが集まれば、強いものに対抗できる」という発想でした。

しかし、大国の秦は一国ずつ交渉し、個別に同盟を結びます。この時の小さな国たちは、「弱いものは、強いものと手を組めば生き残れる」と考えたのでしょう。

「合従」では6か国が自立していましたが、「連衡」では大国に依存してしまったのではないでしょうか。

いつの時代も、周りをよく観察して自分で考え、選択していくことが生き残るカギとなりそうですね。

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