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「あの人は牛飲馬食だね。」と聞くと、あなたはどんな光景を思い浮かべるでしょうか。漢字を見てイメージはできますが、意外と日常会話では使ったことがない人が多い言葉です。
「牛飲馬食」はどのような意味で、どんな場面で使われるのでしょうか。
この記事では「牛飲馬食」の読み方・意味・語源はもちろん、英語・類義語表現と使い方の例文をご紹介します。
「牛飲馬食」の意味や由来
「牛飲馬食」の意味
「牛飲馬食」は「ぎゅういんばしょく」と読みます。
「牛飲馬食」とは、「大量に飲み食いすること」という意味です。
牛が水を飲み、馬が草を食べるようにたくさん飲食をする様子を表します。牛は体が大きく、4つの胃袋をもちます。1日に100リットルもの水を飲みます。馬は1日に13時間以上草を食べ続けます。牛と馬は、例えの通り、まさに「牛飲馬食」といえます。
「牛飲馬食」や由来
「牛飲馬食」は、「牛飲」と「馬食」が別々の言葉として存在し、のちに組み合わせて使われるようになりました。「牛飲」と「馬食」はともに中国の古典に由来する言葉です。
「牛飲」は、中国の歴史書「史記」の「殷本紀」に記された一説から来ています。
「一鼓而牛飲者三千人。(一鼓して牛飲する者三千人)」とあり、元は牛のように身をかがめて地面に顔を近づけて飲むという意味を表しましたが、後に大量に飲む意に変化しました。
「馬食」は、同じく「史記」の「范雎蔡沢列伝」にある「(范雎は)須賈に馬のように食べさせながら、責めて言った。」という一文に由来しています。
「牛飲馬食」の英語表現と類義語
「牛飲馬食」の英語表現
「牛飲馬食」は、英語で以下のように表すことができます。
- Binging(度を越して食べ飲みしすぎる)
- Excessive drinking and eating(過剰な飲食)
- over-eating and over-drinking(食べ過ぎ、飲みすぎ)
「binging」とは「度が過ぎるほど飲み食いしすぎる」という意味の英単語です。短時間に一気に飲み食いするイメージで使われます。「Excessive」とは、「必要以上に、過剰に」を表します。「over-eating and over-drinking」も「食べ過ぎ、飲みすぎ」を表しますが、こちらは一定期間続けて過食してしまう状態の時に使います。英語によって、ニュアンスに違いが見られるので、使い分けのポイントを押さえましょう。
「牛飲馬食」の類義語
「牛飲馬食」の類義語は、以下の言葉です。
- 暴飲暴食(ぼういんぼうしょく)
- 痛飲大食(つういんたいしょく)
- 鯨飲馬食(げいいんばしょく)
「暴飲暴食」は、「むやみに飲み食いをすること」を表します。日常会話でも聞き馴染みがあるのではないでしょうか。
「痛飲大食」は「多量に食べ飲みすること」を表します。胃袋が痛くなるほど飲み、大量に食べる様から言葉が成立しました。
「鯨飲馬食」は、「牛飲馬食」よりもさらに大量に飲み食いする様子を強調した熟語になります。
シチュエーションに合う適切な単語を使えるようにしたいですね。
「鯨飲馬食」の記事はこちらをご参考ください。
「牛飲馬食」の使い方
それでは、「牛飲馬食」の使い方を例文で見ていきましょう。
【例文】
- 「相撲力士の牛飲馬食ぶりに皆が圧倒されていた。」
- 「牛飲馬食を売りにしたタレントが人気を集めている。」
- 「いつもは牛飲馬食な彼も、今日は控えているようだ。」
- 「バイキングに連れて行くと、子どもたちは牛飲馬食の様子を見せた。」
- 「彼女の小柄な体型と牛飲馬食のギャップに驚いた。」
「牛飲馬食」は、たくさん飲み食いする様子を肯定的に表すことが多い熟語です。類義語の「暴飲暴食」は否定的なニュアンスで使われることが多いので、使い分けに気をつけたいですね。また、一回の食事で大量に食事をするという文脈で使われることが一般的です。
「牛飲馬食」と耳にすると、たくさん飲み食いする光景が目に浮かぶようです。
人間の生活に深く関わる動物
「牛飲馬食」は身近な動物の様子を人間に例えています。
動物の名前が入っている四字熟語やことわざはたくさん存在しています。牛と馬は昔から人間に飼育されていた家畜動物で、食料としてはもちろん農耕や移動手段として等様々な場面で人間の生活に大きく関わって来ました。
こうした四字熟語から、人間と動物の深い関係性をうかがうことができますね。
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