Contents
この記事は、約8分で読むことができます。
突然ですが、あなたは今の環境に満足していますか?
例えば会社勤めにされている方なら経験があると思いますが、入社して経験値が上がってくると「もっとこうしていきたい」「〇〇すれば改善できる!」などと熱意を持って取り組んだことって、ありませんか?
でも時間が経つにつれて段々と、「何でこうできないのか」「あれではダメだ」などと不満が出てきたりして、徐々に惰性で仕事をするようになったり、いつの間にか慣れてしまっていませんか?
どの選択が良いのかどうかは個人が決めることですが、まだ熱意が少しでも残っている方には今回の「鶏口牛後」という言葉を教えてあげたいです!
では、この「鶏口牛後」という四字熟語ですが、どんな意味があるのでしょうか。
この記事では「鶏口牛後」の意味や語源、英語・類義語表現や例文による使い方をご紹介します。
「鶏口牛後」の意味と語源
それでは、「鶏口牛後」の意味や語源をご紹介していきます。
「鶏口牛後」の意味
まずは読み方ですが、「鶏口牛後」は「けいこうぎゅうご」と読みます。
「鶏口牛後」とは「大きい組織の中で末端の地位にいるよりは、規模の小さい中でもいいから先端に君臨した方が良い」という意味です。
「自分の力を信じていて、その力を存分に発揮していきたい」という意味でも捉えられますね。
自分の中でくすぶっている方には持ってこいの言葉なので、起業家志向のある方にはオススメです。
「鶏口牛後」の語源
次に、「鶏口牛後」の語源について見ていきましょう。
「鶏口牛後」は、中国の春秋戦国時代のことが記述されている「史記」という書物の中に登場したのが始まりです。
その「史記」の中で、以下のような話がありました。
戦国時代には、なんと7つもの国が覇権を争う時期がありました。
その7つの国の中でも最も力を持っていた大きな国というのが「秦」です。
ある時「秦」は他の6国に対して領土を秦へ分け与えるよう脅したのです。
6国の中の1人がそれに反発しましたが、秦の国王はそれを採用しませんでした。
そこで6国の中の一人は、他の5国に対して「我々諸侯(しょこう)の勢力は、合わせれば秦の10倍になるんだから、6国が同盟を結んで秦を仲間外れにする他に策はないでしょう。
鶏の口になっても良いですが、牛の尻になってはいけません。」と説いたのです。
その結果、「秦」の脅しのおかげで他の6国は同盟を結ぶことができたのでした。
「史記」の中で「秦」という大国が「牛」、その他の6国それぞれを「鶏」と置き換え「秦の支配下になるのではなく、各国が独立したままで小さくても王であり続けるべき」という意味で用いられたことがきっかけで、「鶏口牛後」という言葉ができたのです。
また、「鶏口牛後」のそれぞれの漢字の意味についても見ていきましょう。
- 「鶏」・・・弱小のもの、規模が小さいもの
- 「牛」・・・大きな勢力をもつもの、巨大なもの
つまり、正反対のものを表す手段として「鶏」と「牛」が用いられているんですね!
- 「口」…先頭、トップの位
- 「後」…末端、一番最後の位(「口」に対して「尻」という意味で用いられた漢字)
つまり、「口」は会社の組織でいうと社長や国でいうと大統領や王を表していて、「後」は会社の組織で言うと平社員や国でいうと僕(しもべ)や支配下にある者のことを指しています。
「鶏口牛後」の英語表現・類義語
続いて、「鶏口牛後」の英語表現と類義語をご紹介していきますね。
「鶏口牛後」の英語表現
まず、「鶏口牛後」を英語で表現するとどうなるのでしょうか。
【例文】
- Better to be the head of dog than the tail of a lion.(ライオンのしっぽになるより犬の頭となる方が良い)
- better to be the leader of a small group than a subordinate in a large organization.(大きな組織の中で支配されるよりも、小さなグループの中でリーダーになる方が良い)
1.は、まさに「鶏口牛後」と酷似した表現です。
鶏→犬、牛→ライオン、口→頭、後(尻)→しっぽ
このように置き換えられていますが、意図も表現方法も同じと言っていいでしょう。
2.は、「鶏口牛後」の意味をそのまま英訳した形ですね。
「鶏口牛後」の類義語
次に、「鶏口牛後」の類義語をご紹介します。
- 鶏尸牛従(けいしぎゅうしょう)
- 鶏頭牛尾(けいとうぎゅうび)
「鶏頭牛尾」は、中国でできた「鶏口牛後」がもっと日本でも理解されやすいように形を変えてできた言葉です。
鶏口牛後は、四字熟語の他にも「大鳥の尾より小鳥の頭」「鯛の尾より鰯の頭」「芋頭でも頭は頭」など、色々な動物や物で代用される言葉です。
あなたも、自分なりの表現で「鶏口牛後」を作ってみてはいかがでしょうか?
「鶏口牛後」の使い方の例文
最後に、「鶏口牛後」の使い方を例文と共にご紹介していきます。
【例文】
- 「僕は、この大企業で仕事のノウハウを学んだ。いよいよ鶏口牛後の精神で、自分の会社を設立するぞ」
- 「鶏口牛後な引き抜きの話をもらった。今の会社への恩もあるし、受けるかどうか迷うところだ」
- 「あの高校は名だたる進学校だけど、私は鶏口牛後というようにそこまでレベルが高くなくてもいいから他の高校で成績トップであり続けたいわ」
- 「私は、鶏口牛後で今の会社を設立した社長を尊敬している」
- 「鶏口牛後と言うけれど、私は7人の家族を養うためにリスクは避けて牛後の身でいるべきだと思っている。」
「鶏口牛後」は、何かを選択する場面などで役割を上手にはっきする言葉です。
例文のように「鶏口牛後の精神」「鶏口牛後な~」「鶏口牛後で~」などと名詞や形容詞として使うのが一般的ですね。
こちらの言葉も「鶏口牛後」に似ていて、潔いイメージがある四字熟語ですね。
あなたは、「鶏口牛後」?それとも安定的?
「鶏口牛後」という言葉に触れてきましたがいかがでしたか?
人のリーダーシップの下で自分にできる与えられた仕事をするか、それとも自分がその組織を動かすかという事になりますが、それはやはり人それぞれだとも言えますよね。
つまり、「鶏口牛後が必ずしも正しい」という教えではないようにも見えるでしょう。
しかし、自分で運命を切り開いていく「リーダーシップをとる」という選択は、リスキーではあるかもしれませんが「毎日が刺激的で楽しめる」という部分もあります。
自分の適性にあった選択こそ、最善の策だと言えるでしょう。
コメントを残す