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あなたの周りには、信頼できて尊敬できるような憧れの上司はいますか?
残念ながら私の周りには、そういった憧れの上司が一人もいません。
なので、私は常に会社で「面従腹背」の態度をとっています。
できれば「面従腹背」の態度をとらなくてすむような素敵な上司の下で働きたいんですが、なかなかいい上司に恵まれないのが現状です。
ずっと「面従腹背」の姿勢で仕事をしていると心も疲れてきてしまいますよね。
ところで、「面従腹背」の意味ってご存知ですか?なかなか堂々と話せる言葉でもないので、聞き覚えがない方もいらっしゃるかもしれませんね。
この記事では「面従腹背」の意味や語源、英語の表記や類義語、使い方の例文をご紹介します。
「面従腹背」の意味と語源
「面従腹背」の意味
はじめに、「面従腹背」の意味についてご紹介していきたいと思います。
まずは読み方ですが、「面従腹背」は「めんじゅうふくはい」と読みます。
「面従腹背」とは「うわべだけ従うふりをして、内心では従わないこと」という意味です。
つまり、「表では、はいはいと頷きながらも、実際には従う気がない」といった様子ですね。
性格に例えると、「表裏がある人」や「腹黒い人」とも言います。
「面従腹背」の語源
次に、「面従腹背」の語源についてご紹介します。
まず「面従」という言葉ですが、これは「面前では従う」という意味です。
「面前」とは「人が見ている前」や「目の前」という意味があるので、「面従」を分かりやすく言うと、「人が見ている前では従う」という意味になりますね。
続く「腹背」には二つの意味があります。
一つ目は「腹と背中」や「前と後ろ」という意味、そしてもう一つは「腹の中で背く」という意味です。
「面従腹背」の「腹背」の意味は後者の方ですね。
簡単に言うと「心の中では反発している」という意味になります。
「腹の中で背く」と言う言葉を聞くと、なんだか腹黒い感じのイメージが湧いてきますね。
「面従腹背」の英語表現と類義語
「面従腹背」の英語の表現
続いて、「面従腹背」が英語でどのように表現されているのかをご紹介します。
- Many kiss the hand they wish to cut off(面従腹背)
【例文】
- He is good at pretended obedience(彼は面従腹背が得意だ)
- Be hard to pretended obedience(面従腹背するのが辛い)
「Many kiss the hand they wish to cut off」は、英語のことわざで「切り落としてやりたい手に平気でキスをする人も多い」という意味です。
つまり、「心の中では憎く思っていても、その気持ちを隠して平然を装う人も多い」という意味ですね。
行動と気持ちが正反対であることを表しているので、英語版の「面従腹背」と言われています。
しかし、日本で使われる「面従腹背」の意味を表したい場合は、例文のように「pretended obedience」という言葉を使った方がいいでしょう。
「pretended」は「見せかけの」や「~のふり」という意味で、「obedience」は「服従」という意味です。
なので、「pretended obedience」は「見せかけの服従」「服従のふり」という意味になり、「面従腹背」を表す言葉としてピッタリです。
「面従腹背」の類義語
次に、「面従腹背」の類義語をご紹介していきます。
- 面従後言(めんじゅうこうげん)
- 巧言令色(こうげんれいしょく)
「面従後言」と「面従背毀」は、ともに「うわべでは従うふりをして、陰では悪口を言う」という意味があります。
「陰で悪口を言う」の部分は多少違いますが、うわべと中身が違っていることを表しているので「面従腹背」と似ていますね。
もう一つ同じような言葉で「面従腹誹」という言葉がありますが、これは最後の方で予備知識としてご紹介したいと思います。
「巧言令色」とは「言葉をうまく飾り、表情を上手に繕(つくろ)う」という意味なので、言動と行動が一致していないという点で似ていますね。
「巧言令色」について、こちらの記事に詳しく書いています。
「面従腹背」の使い方の例文
最後に、「面従腹背」の使い方を紹介します。
【例文】
- 「面従腹背されない人になりたいな」
- 「面従腹背の部下ばかりで困る」
- 「出世のためには面従腹背も必要だ」
- 「会社でうまくやるには面従腹背が一番だ」
- 「あいつは面従腹背を絵に描いたようなやつだな」
「面従腹背」は、人に対する態度を表す時に使われる言葉です。
「面従腹背する」「面従腹背される」など動詞として使われる場合が多いですが、例文のように「面従腹背の部下」や「面従腹背が一番」など、性格を表す「名詞」として使われる場合もあります。
できれば使いたくないし、使われたくない言葉でもありますね。
「面従腹背」の「背」は間違いだった?
類義語のところで少しご紹介しましたが、「面従腹背」に似た言葉で「面従腹誹」という言葉があります。
これは「うわべだけ従うふりをして、内心では誹る(そしる)こと」という意味です。
実はこの「面従腹誹」の「誹」という漢字を「はい」と読み間違えたことで、「面従腹背」という言葉ができたと言われています。
実際、明治時代以前は「面従腹背」という言葉が見つかっていないので、もしかしたら「面従腹背」は本当に間違いが原因でできた言葉かもしれませんね。
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