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「あの人は三日天下に終わったね。」というと、どんな状況を思い浮かべますか?
もしかしたら歴史の授業でこのセリフを耳にしたことがあるかもしれません。
日常では聞き慣れない「三日天下」という四字熟語ですが、実は現代でも使える場面がたくさんあります。
この記事では「三日天下」の読み方と意味や語源に加え、英語・類義語表現と使い方を例文で解説します。
「三日天下」の意味や語源
まず読み方ですが、「三日天下」とは「みっかてんか」と読みます。
「みっかでんか」と読むこともあります。
「三日天下」の意味
「三日天下」とは「わずかな期間だけ地位や権力を握ること」という意味です。
「三日」とは「短い期間」を表す例え、「天下」とは「天が覆っている下界全体」という意味から転じて、「一国を治める支配権のこと」を指します。そこから「わずかな期間しか一国を支配できないこと」を表す四字熟語として使われるようになります。
「三日天下」の語源
「三日天下」の語源は、戦国時代の出来事に由来します。
日本全体を支配下に置いた武将、織田信長。家臣の明智光秀が主君を裏切り、信長を討つ「本能寺の変」が起こりました。こうして明智光秀が天下を取りましたが、光秀はわずか十数日で豊臣秀吉に敗れ、滅ぼされてしまいます。
光秀が天下を治めた期間が非常に短かったことから、「三日天下」の言葉が生まれました。
明智光秀はわずかな期間しか天下を治めることはできませんでしたが、「三日天下」という言葉は今も長く知られています。
「三日天下」の英語表現と類語
「三日天下」の英語表現
「三日天下」は、英語で以下のように表すことができます。
- short-lived reign(短命の治世)
- king for a day (1日の王様)
「short-lived reign」は、「短命の治世」という意味です。
「short-lived」は「短命な」「一時的な」のように「短い時間」を表します。
例えば、下の例文のように使えます。
【例文】
- Her happiness was short-lived.(彼女の幸せな時は短かった。)
「reign」は「支配、勢力、統治」という意味です。
例えば「the reign of law」は、「法の支配」を表します。
「king for a day」は、直訳すると「1日だけの王様」という意味です。
そこから転じて、短い期間だけ権力を握る人を指すようになりました。
「三日天下」は武将が権力者であるのに対し、海外では王様が国家の実権を握っていたことがよくわかる表現です。
「三日天下」の類語
「三日天下」の類語は、次の言葉です。
- 三日坊主(みっかぼうず)
「三日坊主」とは「何かを始めても長続きせず、すぐにやめてしまうこと」です。
お坊さんの修行は厳しく、早朝から修行が始まり、食事も粗食で制限の多い生活を送る必要があります。出家して坊主となった人でも厳しさに耐えられず、三日経ったら抜け出してしまう人がいることに由来する言葉です。
「三日坊主」は本人の努力が足りずにやめてしまった時に使われます。外的な要因で権力を奪われた時に使う「三日天下」と使い所が異なるため、注意しましょう。
「三日坊主」については、こちらの記事に詳しく書いています。
「三日天下」の使い方
では、最後に「三日天下」の使い方について例文をご紹介します。
【例文】
- 「首席で合格した彼がトップでいられたのは、三日天下だった。」
- 「社長から跡を継いだ息子は、成果を出せず、三日天下に終わった。」
- 「不正が見つかったため、警察庁長官は三日天下で辞任に追い込まれた。」
- 「近年の日本の総理大臣は三日天下が続いている。」
- 「野球チームの監督はすぐに辞任し、三日天下であった。」
「三日天下」は、歴史上で権力者が治めた期間が短い場合、現代では政治、ビジネスの権力者が短期間でその座を降りる場面で用います。
「三日天下に終わる」という慣用表現もよく使われますので、覚えておきましょう。
三日天下で終わらないように
歴史上の人物、明智光秀はわずかな期間しか実権を握ることができませんでした。
現代でも、政治やビジネスにおけるトップがすぐに失脚することは珍しくありません。本人の失敗はもちろん、他人からの策略にはまり、辞任に追い込まれることもあります。
トップの座を手にしたからといって油断せず、謙虚な姿勢で物事に取り組むことが必要ですね。
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