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「門戸開放」と聞くと、どんなイメージが思い浮かびますか?
今まで閉じこもっていたものが自由に開放される意味ではもちろん、実は政治でもよく使われる言葉です。「門戸開放」はいったいどのような意味で、どんな場面で使われるのでしょうか。
この記事では「門戸開放」の読み方・意味・語源はもちろん、英語・類義語表現と使い方の例文をご紹介します。
「門戸開放」の意味や語源
「門戸開放」の意味
「門戸開放」は、「もんこかいほう」と読みます。「もんとかいほう」と読み間違えやすいため、注意しましょう。
「門戸開放」とは「制限・制約を取り払って、自由に出入りできるようにすること」という意味です。
「門戸」とは、家の前にある門のこと。これは開け放って行き来を自由にすることを表します。転じて、国の貿易や経済活動を活発にするため制限条件を取り払ったり、港や市場を外国に開放したりする意味も示すようになりました。
江戸時代に日本は鎖国を解いて、諸外国に「門戸開放」し近代化を遂げたのですね。
「門戸開放」の語源
「門戸開放」といえば、門戸開放政策が有名です。門戸開放政策とは、特定の国・地域との貿易・商業・工業活動を行う権利を全ての国の国民がもつという政治的主張です。
1899年に、アメリカが中国の主権の尊重と港湾の自由使用を求める門戸開放通牒を発布しました。どの国でも中国と貿易することができる権利をもち、主権を侵害しないように他国に主張しました。
「門戸開放」は、政治的文脈で古くから使われていた言葉です。
「門戸開放」の英語表現と類義語
「門戸開放」の英語表現
「門戸開放」は、英語で以下のように表すことができます。
- open door (扉を開く)
【例文】
- America opened the doors of China to the World.(アメリカは中国の門戸を世界に解放した)
「門戸開放」の英語表現は、日本語と同様に「扉を開く」という意味になります。
貿易自由化など政治的文脈で特に使われることが多く、門戸開放政策は「open door policy」と訳します。
英語でも、日本語と似たような比喩を用いて表現していることは、とても面白いですね。
「門戸開放」の類義語
「門戸開放」の類義語は、以下の通りです。
- 対外開放(たいがいかいほう)
- 規制緩和(きせいかんわ)
「対外開放」とは、「閉鎖的だった場所を外に向けて開放すること」を表す言葉です。「対外」とは、「外部、または外国」を指します。
「規制緩和」とは、「行政による産業や経済の規制を緩めること」です。「緩和」とは「やわらげること」を表しています。
対外開放と規制緩和は、両方とも政治的な文脈で使われることが多いです。新聞でもよく見かける熟語ですね。
「門戸開放」の使い方
それでは、「門戸開放」の使い方を例文で見ていきましょう。
【例文】
- 「他国との交流を絶っていた国が、門戸開放を行う運びとなった。」
- 「一見お断りの店が、広く一般に門戸開放した。」
- 「受験資格の年齢制限がなくなり、門戸開放された。」
- 「野球クラブは、初心者にも門戸開放している。」
- 「シェアオフィスの利用を社会人だけではなく、学生にも門戸開放する傾向が広まる。」
「門戸開放」は、今まで一部の人だけが使っていたものの、制限を取り払って広く受け入れることで広く使われます。特に政治的な文脈で、鎖国を解き他国と国交・貿易を行うことも意味しています。文章で使われることが多いことも覚えておきましょう。
開放の自由に伴う責任
閉じられていたものを広く一般に公開することは、風通しをよくし、活動を活発にするために有効です。しかし、自由には悪影響を及ぼす責任も伴います。
政治的な場面でも、貿易をやりやすくするため関税を取り払うと外国との価格競争に負け、国内産業が育たなくなってしまうことも十分考えられます。安易に自由化を進めるのではなく、あらゆる可能性を視野に入れた上で「門戸開放」を決断したいですね。
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