「流言飛語」とは?意味や読み方、使い方と例文【英語・類語表現】

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週刊誌では毎週スクープが流れますが、中には根拠のない噂も含まれます。
しかし、うわさ好きの人は、ついつい広めてしまいますよね。
このように、世間では「流言飛語」が行き交います。
「流言飛語」とは、どのような意味や使い方があるのでしょうか?
この記事では、「流言飛語」の読み方、意味、語源を説明した後、英語表現と類義語、使い方を解説します。

 

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「流言飛語」の読み方、意味や語源

「流言飛語」の読み方

「流言飛語」は、「りゅうげんひご」と読みます。
「流言」は「るげん」とも読みますが、この四字熟語の場合は「りゅうげん」と言いましょう。また、別の表記で「流言蜚語(りゅうげんひご)」とも書くことがあります。

「流言飛語」の意味

「流言飛語」とは、「根拠のない噂やデマ」という意味になります。

「流言」と「飛語」は、似た意味を持つ語同士です。
「流言」は、確実な根拠が得られない状況で広まっていく噂のことを表し、「飛語」は、世間に流れる証拠のない情報を示します。

「流言飛語」の「飛」という漢字は、もとは「蜚」という文字でした。「蜚」とは、中国で「蜚蠊(ひれん)」という虫、つまりゴキブリのことです。ゴキブリが飛ぶ様から、「蜚」という文字が転じて「飛」になり、「空中を移動する」という意味を持ちました。
嫌われ者であるゴキブリが「飛」の文字の語源であるとは、意外ですよね。
漢字の意味を紐解くと「実体のない言葉が、拠り所もなく行き交っている様」を表していると、よく分かります。

「流言飛語」の語源

「流言飛語」の語源は、紀元前の中国に遡ります。

「流言」とは、紀元前475年~221年頃、儒教書『礼記・儒行』から来た言葉です。
その中にある、「儒者の行動指針」には、このような一文があります。
「過言は再びせず、流言は極めず、その威を断ぜず、その謀を習わず。」
(誤ったことは二度とは言わず、根拠のない噂は問い詰めすぎず、
威厳を絶やさず、陰謀には加担しない。)
「飛語」の語源は、紀元前91年頃に完成した、中国の歴史書『史記』です。
そのうちの一編、『魏其武安侯伝(ぎきぶあんこうでん)』には、次のように記されています。
「乃ち蜚語有り、悪言を為し、上に聞す。故に十二月晦を以て、論じて渭城に棄死す。」
(すると、根も葉もない噂が流れ、王を非難したことが、王の耳に入った。そのために、大晦日に処刑され、川に捨てられた。)

同様の意味を表す二つの言葉を合わせて、「流言飛語」という四字熟語として使われ始めました。「流言飛語」は、中国の長い歴史を経て生まれた言葉なのですね。

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「流言飛語」の英語表現と類語

「流言飛語」の英語表現

「流言飛語」は、英語で以下のように表します。

  • Wild rumor
  • Unfounded rumor

日本語訳では、両方とも「根拠のない噂」という意味です。
「Wild」とは、直訳では「野生の」を意味する単語ですが、この場合は「でたらめな、見当違いの」という意味で使われています。

  • Wild rumors fueled fear.(根拠のない噂が恐怖を煽った。)

「流言飛語」の類語

「流言飛語」の類語は、次のような語があります。

  • 妄言綺語(もうげんきご)
  • 妄誕無稽(もうたんむけい)

妄言綺語は、仏教が由来の言葉で、「でたらめなことを言い、嘘をつくこと」を意味します。
「妄言」、「綺語」はともに仏教の十悪に入る言葉です。
「妄言」は嘘をつくこと、「綺語」は大げさに飾り立てて、事実とは異なるように話すことです。

妄誕無稽とは、「証拠が全くなく、非現実的なこと」を意味します。
「妄誕」は、言うことに証拠や確証が何もないことです。
「無稽」とは、考える拠り所がないことで、「稽」は「考え、考える」という意です。

このように「流言飛語」と類似する言葉はたくさんあります。昔から人々の間で、根拠のない噂話は数多く交わされていたようですね。

 

「流言飛語」の使い方

「流言飛語」は、ネガティブな意味で使う表現です。
政治汚職、災害、不況など世の中が混乱した場面で、さらに状況を悪化させるような嘘やデマを「流言飛語」と呼んで使われることが非常に多いです。
それでは、「流言飛語」を用いた例文をいくつか紹介します。

【例文】

  1. 「大震災をきっかけに、インターネット上で流言飛語が行き交った。」
  2. 「流言飛語は、一度広まると止めることはできない。」
  3. 「週刊誌の話題は、ただの流言飛語にすぎない。」
  4. 「流言飛語に惑わされず、自分で情報を確かめよう。」
  5. 「『トイレットペーパーが無くなる』という流言飛語が広まり、主婦たちはスーパーに押し寄せた。」

こちらの記事は「流言飛語」のように「根拠のない噂」というよりも、「大げさに騒ぐわりには大したことがない」という四字熟語です。「言葉の使い方」の一つとして、ご参考ください。

 

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流言飛語には気をつけよう

人間は不安になると、情報を鵜呑みにしてしまいがちです。
しかし、災害や不況に陥った際に、デマによって適切な行動が取れなくなるかもしれません。流言飛語に惑わされず、自分で正しい情報を取捨選択する習慣を日頃から身につけましょう。

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