「阿鼻叫喚」とは?意味や読み方、使い方の例文や英語・類語表現について

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日本語って本当に表現のバリエーションに富んでいて、非常にユニークな言語ですよね。
島国であることによって独自の発展を遂げた言語ではありますが、実はそのルーツは他国の色々な歴史が深く絡んでいることも多いのです。
今回紹介する「阿鼻叫喚」もその中の1つと言えます。一体どんな由来で生まれた言葉なのでしょうか。
また、どんな国のどんな言語がルーツになっているのでしょうか。
この記事では、「阿鼻叫喚」の意味や語源、英語・類義語表現や例文による使い方をご紹介します。

 

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「阿鼻叫喚」の読み方、意味や語源とは

さて、それでは早速「阿鼻叫喚」について見ていきましょう。
まずは読み方ですが、「阿鼻叫喚」は「あびきょうかん」と読みます。
漢字だけ見てもあまりどういう意味を持つ言葉なのかイメージが掴みにくいですよね。
それもそのはず、「阿鼻叫喚」という言葉はインドや南アジア、東南アジアなどで使われている「サンスクリット語」がルーツとなっているのです。

「阿鼻叫喚」の語源

「阿鼻」という部分はサンスクリット語の「avici」から来ており、意味は「無間」つまり「ひっきりなしに」ということになります。
特に仏教の教えの中で人は悪いことをすると地獄に落ちるという説がありますが、実はその地獄の種類は8種類もあるとされ、生きている間に犯した罪によって、どの地獄に落ちるかが変わってくるとされています。
以上のような8つの地獄は「八熱地獄」と呼ばれています。
そして、阿鼻(無間)地獄というのがその中でも最も重い罪を犯した者たちが行く末の、一番苦しい罰が与えられる地獄なのです。

次に「叫喚」の部分ですが、サンスクリット語でいう「raurava」という「叫び声」という意味の言葉を漢字に直したところからきた言葉です。実は八熱地獄のうちの第4の地獄の名前は叫喚地獄。「叫喚」もまた、地獄の名前になるような恐ろしい言葉です。

「阿鼻叫喚」の意味

以上から、「阿鼻」「叫喚」のそれぞれの意味が分かりましたね。
このように怖い意味がある言葉が組み合わさった「阿鼻叫喚」とは、「目も当てられないような悲惨な目にあい、救いを求めて泣き叫ぶさま」という意味になります。

地獄に落ちてしまった亡き者たちが地獄での苦しみに耐えかねて助けを求め叫ぶということが由来してできた言葉ですが、現在ではこの世でも信じられない災害や事件が起きた時によく使われる言葉となっています。

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「阿鼻叫喚」の英語・類義語表現

「阿鼻叫喚」の英語表現

「阿鼻」も「叫喚」も地獄を指す言葉なので、まずは地獄という英単語からご紹介しましょう。
英語で「地獄」とは「Pandemonium」と言います。
さらに「地獄で泣き叫ぶこと」としたければ、以下のような表現になります。

  • Screaming in Pandemonum

あまり使いたい言葉ではありませんが、知識として身につけておけば便利に感じるかもしれないですね。

「阿鼻叫喚」の類義語表現

次に類義語も併せてご紹介していきます。
「阿鼻叫喚」の類義語には以下の四字熟語があります。

  • 八万奈落(はちまんならく)
  • 八大地獄(はちだいじごく)
  • 無間地獄(むげんじごく)

「阿鼻地獄」「叫喚地獄」だけでも類義語になります。「阿鼻」や「叫喚」に含まれている言葉なので覚えやすいですね。

 

「阿鼻叫喚」の使い方

それでは実際に、どういった場面で「阿鼻叫喚」という言葉が使えるのか、例文と共に見ていきましょう。
以下のような例文を参考にしてみてくださいね。

【例文】

  1. 「短時間で町中が火の海になり、一瞬で阿鼻叫喚の様相に変わり果てた。」
  2. 「ひいきのチームが勝ちを確信した瞬間相手にサヨナラホームランを打たれて逆転負けした。ファンの阿鼻叫喚ったらすさまじいものだったよ」
  3. 「三つ子と過ごす平日日中はまさに阿鼻叫喚である。猫の手も借りたいほどだ。」
  4. 「先月から休みが一回もないぞ・・・この連勤は阿鼻叫喚だ」
  5. 「紙なんて軽いと高をくくっていたけれど、1000枚もなるとすごい重さだ。これを隣町に一人で運ぶなんて阿鼻叫喚だよ」

「阿鼻叫喚」という言葉は、悲惨な状況・むごたらしい様を表現したい時に用いるとニュアンスが伝わりやすいです。

 

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ルーツを大切にしつつも躊躇なく使ってみよう。

地獄がもとになって生まれた言葉なので怖いイメージが定着している言葉ですが、あなたはどう感じましたか?
現在では、地獄のようにおぞましいという意味でも使われる他にも、とにもかくにも大変で仕方ないという場合にも「阿鼻叫喚」は頻繁に使われるようになっています。
意外と日常生活の中でも使えるシーンは多いんですね。
是非ためらわずに「阿鼻叫喚」という言葉を使ってみましょう。表現の幅を広げられますよ。

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