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政治家や企業が問題を起こしてしまった時に、記者会見やインタビューがありますよね。
そのインタビューの中で、「自身の出処進退を明らかにしていくつもりです。」のようなフレーズで「出処進退」という言葉が使われているのを、一度は耳にしたことがあると思います。
そんなインタビューを見て、この人は辞めちゃうのかなとか思ったりすることもあるでしょう。
ところで「出処進退」ってどんな意味なのかお解りですか?
この記事では、「出処進退」の意味や語源、英語表現や類義語、使い方の例文をご紹介します。
「出処進退」の意味と語源
「出処進退」の意味
それでは、「出処進退」の意味をご紹介します。
まずは読み方ですが、「出処進退」は「しゅっしょしんたい」と読みます。
「出処進退」とは、「官位や地位にとどまっていることと、やめて退くこと。身の振り方や身の処し方。」という意味です。
「出処進退」は政治家や企業の重役といった人達がよく使う四字熟語ですが、言い換えると「自分が今いる地位にとどまるのか辞めるのか」ということです。意味にもありますが、「身の振り方」が一番なじみのある言葉でイメージしやすいですね。
「進退出処」という形で使われることもあります。
「出処進退」の語源
続いて、「出処進退」の語源をご紹介します。
「出処進退」を二語に分けて紐解いていきます。
まず「出処」について、「出」は「役人の地位につくこと」で、「処」は「官につかず家にいる」ということなので、「役人の地位につくのか、役人にならず民間人としているのか」という意味になります。
次に「進退」ですが、「職務上の身の処し方」という意味です。
これらの二つを合わせると「出処進退」は「役人の地位につくのか、役人にならず民間人としているのかの職務上の身の施し方」という意味になります。
ちなみに「役人」とは、国の機関に努めている人のことを意味しており、語源ができた時代の役人というのは今の政治家や公務員といったものに近い感じでした。この語源から、だんだん企業の役職などにも使われるようになったものと考えられています。時代とともに言葉の使われ方が変化しているのを感じますね。
「出処進退」の英語表現と類義語
「出処進退」の英語表現
次に、「出処進退」の英語表現をご紹介します。
- advancing and retreating
- appearance and disappearance
【例文】
- He have to think about his advancing and retreating(彼は自分の出処進退について考えなければならない)
- I want to know her one’s course of action(わたしは彼女の出処進退を知りたい)
「advancing」は「前進すること」、「retreating」は「退却すること」を意味しています。
二つ目の「appearance and disappearance」も似た意味です。
上記以外にも「movement(行動)」や「step(歩み)」と表現されることもあります。
「出処進退」の類義語
「出処進退」の類義語をご紹介します。
- 去就進退(きょしゅうしんたい)
- 進退去就(しんたいきょしゅう)
「去就進退」は「今いる地位や役職にとどまるのかの態度のこと」という意味です。
「去就」も「進退」と同じ意味で「どう身を処するかの態度」ということです。
また、「出処進退」が「進退出処」と言い換えられるように、「去就進退」も「進退去就」と言い換えられることもあります。
「出処進退」の使い方
最後に、「出処進退」の使い方を例文でご紹介します。
【例文】
- 「わたくしの出処進退につきましては後ほど明言させていただきたいと思います。」
- 「問題のある議員たちの出処進退の真偽が問われています。」
- 「問題を起こしてしまった後の出処進退を決めるのは彼自身だ。」
- 「彼は出処進退について悩んでいるようです。」
- 「職を退くなんてもったいないといわれても、この出処進退に後悔はありません。」
自分の地位にとどまるか退くか悩んでいるときによく使われる言葉ですが、実際に公の場で使う時は退くのが望ましいと思われるような問題を起こした場合です。
「出処進退」は「(わたくし、彼)の出処進退」「出処進退を(決める、明らかにする)」といった使い方が多いですね。
あまり良いイメージではありません。そのため、辞めるつもりがない時に人の前で多用しすぎると、この人辞めちゃうのかなと思われたりする可能性があるので注意しましょう。
様々な会見で見る「出処進退」
これまでご説明したように、「出処進退」は政治家や企業の重役がよく使ってきた言葉です。
最近ではスポーツ選手や学校などの理事長や校長、病院の院長だったりと様々な業界の人が記者会見で使う場面が見られるようになっています。
「出処進退」という言葉を使わざるを得ないということは、それなりの問題を起こしてしまったということです。できることならば、使う場面がないようにしていきたいですね。
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