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私は旅行の予定はきっちりと決めたい方です。それは限られた短い時間で、多くの場所に行きたいと、欲張り精神が出てくるせいかもしれません。
まあ、予定をたてたところで、スムーズに実行できるのは半分くらいですけど。
知らない土地で乗りなれない乗り物を使うと、どうしても予定通りいかないことも多く、観光しているとついつい、長居してしまうこともあるからです。
できることならば、ゆっくりと気の向くまま、思い付きのままで旅をしたいと思います。
予定が未定だと不安も多いですが、とても贅沢な時間を過ごせますよね。
この記事では、「雲水行脚」の意味と語源、使い方の例文、類義語と英語表現をご紹介します。
「雲水行脚」の意味と語源
「雲水行脚」の意味
最初に、「雲水行脚」の意味をご紹介します。
まず読み方ですが、「雲水行脚」は「うんすいあんぎゃ」と読みます。
「雲水行脚」とは、「僧侶があちこちと旅をして仏教の修行をすること」という意味から「あちこちと行き先を決めずに旅をする」という意味で使われるようになりました。
「雲水行脚」の語源
続いて、「雲水行脚」の語源をご紹介します。
まず、「雲水」から説明していきましょう。
「雲水」は仏教用語で、雲と水が流れていくことを意味しています。一所(ひとところ)に留まらない「雲」と「水」は、執着のないことを表しています。また、「自由」ということも表現しています。
執着しないということは、仏教において手放すものという考え方です。世の中はお金、名誉、地位などに執着することが多いものですが、仏教ではそれらを手放し自由な境地に立つことを教えています。
次に「行脚」ですが、こちらは一つのお寺にとどまらずにあちこちと移動し修行をする僧侶のことを言います。
「雲水行脚」は仏教の僧侶の修行からできた言葉で、修行ではありませんが「目的はあるけれど、行き先は決めず、あちこちと旅をする」ことを表す言葉となりました。
「雲水行脚」の使い方
次に、「雲水行脚」の使い方を例文でご紹介します。
【例文】
- 「子供が雲水行脚から戻り、一回り成長した気がする」
- 「仕事を辞め、しばらくは雲水行脚とする」
- 「あの坊さんは若いころ、雲水行脚に出て方々を回っていたそうだ」
- 「雲水行脚の旅行で得たものは、私の最高の宝となっている」
- 「僕は、ずっと雲水行脚のような人生を送ってきた気がする」
「雲水行脚」は、一所(ひとところ)に留まらないことを表現します。
「雲水行脚に(出る)」「雲水行脚から(帰る)」などと使われることが多いです。
「雲水行脚」の類義語と英語表現
「雲水行脚」の類義語
それでは、「雲水行脚」の類義語をご紹介します。
- 一所不住(いっしょふじゅう)
- 雲水不住(うんすいふじゅう)
- 行雲流水(こううんりゅうすい)
「一所不住」は「一定の場所に住まずにあちこち転々とする」という意味です。
「雲水不住」は「一か所に住みとどまらない」という意味です。どちらも一所に留まらないのですが、「雲水行脚」のように旅ではなく、住む場所のことを表しています。
「行雲流水」は、「空をゆく雲や川を流れる水のように、物事に執着することなく成り行きに任せて行動するたとえ、一定の形を留めず自然に移り変っていくことのたとえ」という意味です。同じ『雲水』が使われているのもあって、意味も似ていますね。
「行雲流水」については、こちらの記事に詳しく書いています。
「行雲流水」とは?意味と由来、英語表現と類義語【使い方の例文】
こちらの「南船北馬」は、「絶えまなく旅をしていること」という意味です。「雲水行脚」でも『旅をする』という意味に似ています。
「南船北馬」とは?意味と語源、使い方の例文【類義語と英語表現】
「雲水行脚」の英語表現
最後に、「雲水行脚」の英語表現をご紹介します。
- itinerant priest(雲水行脚)
【例文】
- You would have itinerant priest enough.(君は十分、雲水行脚しただろう。)
- You should itinerant priest more(あなたはもっと雲水行脚すべきだ。)
「itinerant」は「巡回」、「priest」は「僧侶」という意味で、「itinerant priest」で「雲水(行脚)」となります。
「pilgrimage」という表現で「行脚」という意味はありますが、今回の「雲水行脚」には『旅僧』という意味を含んでいる「itinerant priest」が相応しいと言えるでしょう。
四字熟語の英語表現を、ビジネス場面別でまとめてみました。
ビジネス英語として実践で使える四字熟語30選【英語勉強アプリもご紹介】
まとめ:「雲水行脚」する余裕も必要
以上、「雲水行脚」についてご紹介してきました。
まとめると、以下の通りです。
読み方 | うんすいあんぎゃ |
意味 | あちこちと行き先を決めずに旅をする |
語源 | 仏教語で「雲水」は雲と水が流れることを表し、一つの場所にとどまることなく、僧侶が修行することからできた言葉 |
類義語 | ・一所不住(いっしょふじゅう) ・雲水不住(うんすいふじゅう) ・行雲流水(こううんりゅうすい) |
英語表現 | itinerant priest(雲水:旅僧) |
「雲水行脚」は、仏教からできた言葉でした。
行き先を決めず、あちこちを旅するのは時間の限られている現代人にとって難しいことですが、そんな時間も欲しいものです。
旅に限らず、時には人生も行き当たりばったりであっても、面白そうで勉強にもなりますね。
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