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「有耶無耶」と聞くと、どんなイメージが思い浮かびますか?日常ではあまり聞きなれず、新聞などでも見かけない単語ですね。漢字から堅いイメージを受ける熟語かもしれません。
「有耶無耶」はいったいどのような意味で、どんな場面で使われるのでしょうか。
この記事では「有耶無耶」の読み方・意味・語源はもちろん、英語・類義語表現と使い方の例文をご紹介します。
「有耶無耶」の意味や語源
「有耶無耶」の意味
「有耶無耶」は、「うやむや」と読みます。
「有耶無耶」とは、「物事が曖昧であり、はっきりしない様子」、または「もやもやした感情があり、胸がすっきりしないこと」という意味です。
「耶」とは、疑問の助詞である「や」の意味を表します。漢字の成り立ちは、牙の上下が噛み合う「牙」と人が集まって暮らす「邑(むら)」からできた形声文字です。
「有耶無耶」の語源
「有耶無耶」の語源にはいくつかの説が唱えられています。
「有耶無耶」は、「ありやなしや(あるのだろうか、ないのだろうか)」という問いかけから生まれた熟語という説があります。
また、秋田県には「有耶無耶の関」と呼ばれる場所があります。はるか昔、峠を越える際に「手足長足」と呼ばれる鬼が出没し、人々が困っているところに3本足の八咫烏(やたがらす)が舞い降り、鬼がいるときは「有耶」鬼がいないときは「無耶」と鳴き知らせたという伝承から生まれたという言い伝えもあります。
日常で使われる言葉の由来が、古くからの伝承であるのはとても面白いですね。
「有耶無耶」の英語や類語表現
「有耶無耶」の英語表現
「有耶無耶」は、英語で以下のように表すことができます。
- give a vague reply(有耶無耶な返事を返す)
- leave a matter unsettled(物事をうやむやにしたままにする)
「give a vague reply」は、返事をごまかしてはっきりとさせないことを表します。「vague」は見慣れないですが、「曖昧な」という意味をもつ英単語です。一方、「leave~unsettled」は「~を曖昧なままにする」という意味を持ちます。「unsettled」の意味は、「秩序立っていない」または「解決されていない」です。
英語は常に答えを明瞭にする言語・文化です。そのため、有耶無耶のままにして、問題を収めるということはあまり馴染みがないようですね。
「有耶無耶」の類語
「有耶無耶」の類語は、以下の言葉です。
- 曖昧模糊(あいまいもこ)
- 不得要領(ふとくようりょう)
- あやふや
「曖昧模糊」とは、「ぼんやりとして、不明瞭である様子」という意味です。「曖昧」と「模糊」は同義語であり、ともに「はっきりしないこと」を意味します。
「不得要領」とは、「要領を得ず、肝心なことがわからない」という意味です。
「あやふや」とは「はっきりとせず不確かである様子、どっちつかずである様子」という意味です。
「曖昧模糊」についてはこちらの記事をご覧ください。
「有耶無耶」の使い方
それでは、「有耶無耶」の使い方を例文で見ていきましょう。
【例文】
- 「課題を有耶無耶にしたまま、先延ばしにしている。」
- 「いつも言い訳して、悪かったところを有耶無耶にする。」
- 「事件解決の糸口がつかめないまま、有耶無耶のまま迷宮入りしそうだ。」
- 「自分のミスの原因を有耶無耶にしてごまかそうとした。」
- 「彼の有耶無耶な態度に愛想を尽かした。」
「有耶無耶」は、意図的に曖昧にしてごまかす場合によく使われます。身に覚えがあるのに、相手にわからないようにわざとらしく隠してしまうという文脈で用いられます。
「有耶無耶にする」という形の表現をよく見かけますね。ネガティブな意味で使われることが多い四字熟語です。
曖昧な態度にご注意
「有耶無耶」とは、意図的にぼかして、ごまかす意に用いられる言葉でした。
日本人は曖昧な物言いで、物事をはっきりと言わない国民性が強いです。しかし、問題を対処する時には自分の意見をしっかりと述べ、明快な解決策を出すことが求められます。
曖昧な発言には注意して、時には自己主張を行うことも意識していきたいですね。
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