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あなたは「一牛鳴地」という言葉をご存じですか。
日常的に使われる言葉ではないので、初見の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
特に小学生の書初め等でも、あえて選ばれる四字熟語ではありません。私も習った覚えがありません。
「牛が鳴く?」と漢字だけ見ると、ますます意味や使い方がわからないですよね。
この記事ではそんな「一牛鳴地」の意味や語源、英語・類義語表現や例文による使い方をご紹介します。
「一牛鳴地」の意味と語源
「一牛鳴地」の意味
まず、「一牛鳴地」は「いちぎゅうめいち」と読みます。「一牛鳴」と略すこともあり、慣用的に「いちごみょうち」と読むこともあります。
「一牛鳴地」とは「牛の鳴き声が聞こえる範囲の土地。きわめて近い距離のたとえ」という意味です。
この他にも「のどかな田舎、田舎風景」という意味も持っています。
牛の鳴き声が聞こえるというシチュエーションがなかなか現代社会ではないですよね。確かに、のどかな風景が思い浮かびます。
- 「一」は「一つ」
- 「牛鳴」は「牛が鳴くこと」
- 「地」は「土地」
漢字の意味はそのままですね。
「一牛鳴地」の由来としては知られていないのですが、出典として中国の漢詩があります。
それにしてもなぜ牛だったのでしょうか。
また明確にどのくらいの近さ、という決まりはないそうです。
「一牛鳴地」の英語と類義語
次に英語と類義語についてご紹介していきます。
「一牛鳴地」の英語
「一牛鳴地」を英語に訳すとどうなるでしょうか。
【例文】
- Very close distance that we can hear crying of a cow. (一牛鳴地)
- A peaceful rural landscape. (一牛鳴地)
- I will move a short distance. (一牛鳴地の範囲に引っ越す)
1は「一牛鳴地」の意味をそのまま英語に訳しています。
2では「のどかな田舎」という意味の英文です。
3は直訳ですと「近距離」という意味の「a short distance」を使っています。
参考にしてみてください。
「一牛鳴地」の類義語
続いて類義語を見てみましょう。
- 一牛吼地(いちぎゅうこうち)
- 一衣帯水(いちいたいすい)
それぞれ「一牛吼地」とは「牛の鳴き声が聞こえる範囲の土地。きわめて近い教理のたとえ」、「一衣帯水」とは「一筋の帯のように狭く長い川。川や海をへだてて土地がたがいに接近していることのたとえ」という意味です。
「一牛吼地」は「一牛鳴地」の別名なので意味は全く同じですが、ちなみに「吼」は「ほえる」という意味です。
「一衣帯水」は近距離という意味で類義語になります。
「一衣帯水」の記事はこちらをどうぞ。
「一牛鳴地」の使い方
最後に、「一牛鳴地」の例文による使い方をご紹介していきます。
【例文】
- 「私は都心に行ったが、一牛鳴地の土地に住み続けている人が多い」
- 「一牛鳴地の行動範囲ではいつ誰に会うかわからない」
- 「一牛鳴地の土地で憧れの仕事には就けないだろう」
- 「一牛鳴地の場所で一生を終わらせたくないが、恋しくも思う」
- 「いずれ子どもたちも巣立ち一牛鳴地の範囲から出ていくだろう」
「〇〇の土地」「〇〇の範囲」「〇〇の場所」という形で使います。
「田舎」や「地元」というイメージで使うことが多いです。
狭い範囲のことを言う時に比喩として使われますので、ぜひ覚えておいてください。
「一牛鳴地」ののどかな風景
ここまで「一牛鳴地」についてご紹介してまいりましたが、いかがでしたでしょうか。
やはりシーンを考えると頻繁に使う言葉ではありませんね。
例文では主に「近距離」であることを表現した使い方でしたが、「一牛鳴地ののどかな村」というような言い回しもあるので、合わせて覚えておいてください。
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