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突然ですが、あなたは人の為になることをしていますか?
私自身、何か良い行いをしなければ、と考えることがあります。考えると頭の中が壮大な計画になってしまって、中々行動を起こせないのです。でも、冷静になって考えると、毎日のように良いことはしているのではないでしょうか。小さなことですが、大切な身内の為にお世話したり、仕事でお客様にサービスしたり、誰かを喜ばせることは自分も喜ぶし嬉しくなりますよね。
そんな、良い行いを陰ながら行っている人もいます。誰がやってくれたかわからないけど、「ありがたい」と思うことあります。誰かわかったら、お礼をしたい・言いたいですよね。
この記事では「陰徳陽報」の意味や語源、英語の表現や類義語、使い方の例文をご紹介します。
「陰徳陽報」の意味と語源
「陰徳陽報」の意味
それでは「陰徳陽報」の意味をご紹介します。
まずは読み方ですが「陰徳陽報」は「いんとくようほう」と読みます。
「陰徳陽報」とは「人に知られず良い行いをしていれば、その報いは必ずある」という意味です。
人に知られず良い行いをしていれば、いつかは自然と人に知られるような良いことがやってくるということです。
「陰徳陽報」の語源
続いて「陰徳陽報」の語源をご紹介します。
「陰徳陽報」は「淮南子(えなんし)」という中国、前漢の皇帝である武帝さんの頃に編成された思想書の「巻十八 人間訓(じんかんくん)」の中に書かれています。「有陰德者、必有陽報」と記されてあります。「陰徳陽報」はこの一文を略したものです。
「陰徳」というのは「人に知られずに行う良いこと」ということで、「陽報」というのは「はっきりとした良い報いが訪れる」ということです。
陰で良い徳を積んでいる者には、必ず良いことがあると言っています。「神様仏様はきちんと見ているんだよ」ということですね。
「陰徳陽報」の英語表現と類義語
「陰徳陽報」の英語の表現
次に「陰徳陽報」は英語でどのように表現されているのかご紹介します。
【ことわざ】
- He who lend to the poor, gets his interest from God (貧しき人に貸す人は神より利益を得る)
- He that sows good seed shall reap good corn(よい種を撒く者はよい麦を収穫する)
これらは「陰徳陽報」と同じ意味を持つ英語のことわざです。
二つ目のことわざの「corn」は、この場合「トウモロコシ」ではなく「穀物」を表わしています。
良い行いをした者は後で良いことがあるのは全世界共通なのです。
「陰徳陽報」の類義語
「陰徳陽報」と似た意味や構成を持つ言葉をご紹介します。
- 善因善果(ぜんいんぜんか)
「善因善果」とは仏教語です。「良いことをしていれば、必ず良い報いがある」という意味です。
「陰徳陽報」は人知れず良い行いをしているということ、「善因善果」は陰で良いことではありません。表でも裏でも良いことをしているのです。
「陰徳陽報」の使い方
最後に「陰徳陽報」の使い方を例文でご紹介します。
【例文】
- 「祖父は人知れず良いことをしていた。その為、陰徳陽報で困った時に必ず誰かが助けてくれた」
- 「彼は陰徳陽報の行いをし、気が付けば表彰されていた」
- 「早朝に町内のゴミ拾いをしているけど、『いつか陰徳陽報で良いことが起こるかな』と期待する私」
- 「いつか陰徳陽報もあるかと、ボランティア活動を行っていることを誰も知らない」
- 「昨日、エレベーターまで荷物を運んでくれた人の名前を聞いておくのを忘れた。あの人はいずれ、陰徳陽報にあずかるだろう」
「陰徳陽報」は「自分はこんな良い行いをしている」とは言わず、無意識のうちに良いことをしている人が多いかもしれません。
「陰徳陽報の(行い)」「陰徳陽報に(あずかる)」などと使われることが多いですね。
「陰徳陽報」の行い
「陰徳陽報」は「人知れず良い行いをすると、良いことが返ってくる」ということでした。自分が「これは良い行いだ」と考えることなく、当たり前のようにしている事も含まれます。人に知られないように良い行いをしようとか、人に知れたらアウトなわけではありません。
何気ない良い行動に、誰も気が付かないということもあります。そして、良い行いを人に知られても、良いことは自分に必ず返ってきます。要するに、「良い行い」はしたほうがお得ということです。
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