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突然ですが、あなたは今までの人生で他のことには見向きもせず、ただひたすらに何かに対して力を注いだ経験がありますか?
部活でも良し、仕事でも勉強でも、趣味でもなんでもいいと思います。
打ち込める何かがあるって、とても人生を豊かにしてくれますよね。人との輪も広がるし、日々が楽しくなっていくポイントの1つとも言えるでしょう。
結果ばかりを見たり追い求めたりするのではなく、過程を楽しむことで最終的に結果に繋がっていることも多々あります。
よく知っているつもりでいるこの「一心不乱」ですが、ここでは詳しく解説していきます。
この記事では、「一心不乱」の意味や語源、英語・類義語表現や例文を用いた使い方をご紹介していきます。
「一心不乱」の読み方、意味や語源とは
ではまず、「一心不乱」の基礎知識から抑えていきましょう。
「一心不乱」の読み方とは?
「一心不乱」は「いっしんふらん」と読みます。
この言葉を全く知らなくても、パッと見るだけで何となく読み方は想像できそうな簡単な漢字で構成されていますね。というわけで読み方の難易度は低いといってよいでしょう。
注意するべきは、書き方です。
特に間違いが多いのは「一心」の部分を「一新」とか「一進」とか書いてしまっているパターンです。書く時は注意しましょう。
でも、「一心不乱」の意味を理解していればこのような間違いは防げるようになると思います。
「一心不乱」の意味とは?
「一心不乱」とは、「ひとつの物事に心を集中させて、他の物事には目もくれないこと」という意味です。
前半2文字、後半2文字に分けることができて、それぞれに意味を持っています。
「一心」
ひとつの事に心を集中させる、ということ。
自分の心は今ひとつのことにしか向いておらず、他には一切ぶれていないという状況ですね。
例えていうならば、お茶を飲みながらケーキを食べておしゃべりして、というのではなく
『ただただお茶の味に集中して楽しむ』というような状況は「一心」という状況に当てはまります。
あなたの心は『ただお茶という一つのことにだけ向いている』というわけですね。
「不乱」
ひとつに集中した心が全く乱れないこと
「乱(みだれる)」という言葉を「不」という感じが打ち消しているので「乱れない」というようになります。
どの位の長さかはわかりませんが、「お茶の味を集中して楽しむ」という状況が一定時間続く、ということです。
期間の長短は問わない言葉なので、お茶の例では分単位・時間単位のものでしたが、これが月単位・年単位であっても全く問題はありません!
「一心不乱」の語源とは?
「一心不乱」という言葉は、どこで最初に使われた言葉なのかということまではなかなか広まっていないのが事実です。
元をたどっていくと、仏教の経典「阿弥陀経」の中で登場したのが始まりです。
「阿弥陀経」とは、明日の命も危ぶまれるような飢餓や病気に苦しみ、誰ともいとわず蹴落としあいながら生活していた民衆に対して、「どうやったら安定した安心の場が手に入るのか、その場所はどこにあるのか、そしてどのように生きていけば安定の場を築くことができるのか」という事を説いた仏説です。
「阿弥陀経」の中の一説に、「一心不乱に極楽の世界に生まれ住みたいと念ずれば、その命が尽きる時、阿弥陀仏さまが極楽の国に生まれ行くことができる」というものがあります。
極楽の世界は、まさに民衆たちが望む安心安全で快適な国と説かれていて、その国に行くためには「願い」「祈り」が必要だ、と説かれたのですね。
その表現方法として、「一心不乱」という言葉が用いられたのです。
「一心不乱」の英語・類義語
では、「一心不乱」が持つ意味を英語や、他の四字熟語で表したい場合はどのような表現があるのでしょうか。
「一心不乱」を英語で言うと?
- single- mindedly:一心不乱にの最たる英語表現です。
その他にも
- intently:夢中で
- wholeheartedly:心から
という2つの単語も「一心不乱」の意味に近い単語なので知っておくと便利です。
「一心不乱」の類義語とは?
- 一意専心(いちいせんしん):他の事には心を向けず、一つの事に意識を集中して取り組むこと
- 無我夢中(むがむちゅう):何かに熱中して自分を忘れる様子
- 一所懸命(いっしょけんめい):ひたすら何かに打ち込むこと
この中では「一意専心」が最も「一心不乱」の意味に近いことが分かりますが、他の二つの四字熟語も「何かに熱中する」という様子は一心不乱に類を見るものです。
親しみのある四字熟語なので、類義語として覚えておくと役に立ちそうですね。
「一意専心」と「無我夢中」の記事は、こちらをどうぞ。
「一心不乱」の使い方
では「一心不乱」を使った文章にはどのようなものがあるのか、例文を紹介していきます!
【例文】
- 「彼は好きな作家の新刊が出るたびに一心不乱に読み込むんだ。その時はいくら声をかけても無駄だよ」
- 「うちの子、よっぽど第一志望の大学に合格したいのか昼夜問わず一心不乱に勉強しているの。頑張ることはいいことだけど、親としては健康が心配だわ。」
- 「一心不乱にやりたい何かがある君がうらやましいよ。僕は何がしたいのか全く分からないんだ。」
- 「折角ここまで一心不乱にやってきたんだ。ここであきらめるなんてもってのほかだよ。」
- 「優勝という成果が出たのは嬉しいですが、これからも今回の優勝という結果に満足せず一心不乱に努力を続けていこうと思います」
「一心不乱」は何かに没頭したり、集中的に打ち込んだりする時に使います。
基本的には、「一心不乱に~する」という使い方がほとんどですね。
「一心不乱」に取り組んでみよう!
何か一つの事に打ち込むってすごく大変なことですが、何か成果を求めたり結果を出したい場合は必要不可欠なことかもしれないですね。
複数の物事に対して同時に取り組む、ということも人生の選択肢の幅が広がってよいことです。
でも長い人生、一つのものごとに集中してその分野を深く追求するという経験も、それはそれで尊いもの。
阿弥陀経にもありましたが、ひたすら願ったり祈ったりするその「思いの強さ」こそ、描く将来像を手に入れる近道なのかもしれません。
是非打ち込める何かを見つけて、一心不乱に取り組んでみましょう。
今までに見えなかった景色が見えるかもしれませんよ。
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