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「一宿一飯」という言葉を以前から知っておりましたが、日常で使用する機会は中々ありませんでした。一人で自由に旅をするとかも「やってみたいなぁ」と思う程度で、実際にはありません。テレビ番組などで企画されているものを拝見する程度でした。一人きりの旅先であれば、「一宿一飯」という場面を迎えたかもしれませんね。
この記事では「一宿一飯」の意味や語源、英語の表記や類義語、使い方の例文をご紹介します。
「一宿一飯」の意味と語源
「一宿一飯」の意味
はじめに、「一宿一飯」の意味についてご紹介したいと思います。
まずは読み方ですが、「一宿一飯」は「いっしゅくいっぱん」と読みます。
「一宿一飯」とは「旅先などで、一晩泊めてもらったり、一度の食事を恵まれたりすること」という意味です。また、「ちょっとした恩義でも、忘れてはいけないという戒めの語」という意味もあります。
つまり、「ちょっとした世話になること」「些細な恵みも決して忘れてはならない」ことを表しています。
「一宿一飯」の語源
次に、「一宿一飯」の語源についてご紹介します。
「一宿一飯」は、昔「博徒(ばくと)」と呼ばれる、金銭を賭けて勝負を争う「博打」で生計を立てている人達の間で使われていました。生活は安定せず、決まった家を持たない人も多く、旅の途中などに泊めてもらったり食事を振る舞われたりして世話になることがありました。その有り難さから、世話になると「生涯の恩義」とする風潮があったのです。
現代では、行き当たりばったりで他に行く当てがなく、急遽世話を受けた際にその恩義を表すために使います。
「一宿一飯」の英語表現と類義語
「一宿一飯」の英語の表現
続いて「一宿一飯」が英語でどのように表現されているのかをご紹介します。
- A night lodging and a meal(一宿一飯)
【例文】
- Favor of a night lodging and a meal(一宿一飯の恩義)
「A night lodging」は「一晩の宿」という意味で、「a meal」は「食事」という意味です。なので、「A night lodging and a meal」は直訳で、「一晩の宿と食事」となり、「一宿一飯」を表していますね。
「一宿一飯」の類義語
次に「一宿一飯」と似たような意味を持つ言葉をご紹介していきます。
- 一飯千金(いっぱんせんきん)
- 飲水思源(いんすいしげん)
「一飯千金」は「一回の食事にも、千金に値するほどの価値がある」という意味で、「わずかな恵みに対しても、厚い恩返しをすること」を表しています。
「飲水思源」は「水を飲むときに、その水源のことを考える様子」から「基本を忘れない」という意味で、転じて「他人から受けた恩を忘れない」ことを表しています。
どちらの言葉も、「些細なことでも、恩を忘れない」ことから「一宿一飯」と同じですね。
「一宿一飯」の使い方
最後に「一宿一飯」の使い方を紹介します。
【例文】
- 「旅先で、一宿一飯の恩義に預かる」
- 「一宿一飯を乞うと、彼は快く私を家へ入れてくれた」
- 「一宿一飯の恩があるので、失礼な態度はとれない」
- 「一宿一飯の世話をした青年から、旅先より手紙が届いた」
- 「あなたから頂いた、一宿一飯の恩は決して忘れません」
「一宿一飯」は、「非常に有り難いことではない」とされ、「あくまで、些細な恵みや助け」を受けた際に使います。また、「受けた恩を決して忘れてはならない」という教訓が込められています。
「一宿一飯の恩義」という使い方が多くされるのもそのためでしょう。「人は決して一人では生きていけない、必ずたとえ通りすがりでも他の人の助けを受けている」ということなのでしょう。
現代の旅人たち
いつ頃からでしょうか、「一人旅」や「バッグパッカー」という言葉が増えたように思います。旅をする人が増えたわけではなく、その旅の仕方が注目されてのことだと思います。その言葉を耳にすることが増えたことで、「私も」という人も多いのでしょう。もし、自分が旅をする人に出会ったら、手を差し伸べられるだろうかと「一宿一飯」の言葉と共に考えてしまいました。応援したい気持ちはあるのですが、「怖い」と思う気持ちもどこかにあります。
「一宿一飯」というのは難しいことなのだと感じました。そして、「一宿一飯」の手を差し伸べることができる人達を、心より尊敬してしまいますね。
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