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あなたの普段の生活で争いごとは多くはないと思いますが、スポーツをしていたり囲碁や将棋などが趣味であったりオンラインゲームが好きだったり、または何かのトラブルで弁護士さんにお世話になることもあるかもしれません。
これらは全く共通することがないように思えても、実は「争う」ということで共通しています。そこで「虚々実々」という言葉なのですが、この「虚々実々」とはこれらの争いにどのように関係してくる言葉なのでしょうか。
この記事では「虚々実々」の意味や語源、英語・類義語の表現や使い方の例文をご紹介します。
「虚々実々」の意味と語源
「虚々実々」の意味
それでは「虚々実々」の意味をご紹介します。
まずは読み方ですが「虚々実々」は「きょきょじつじつ」と読みます。
「虚々実々」とは「互いに相手の腹をさぐり合い、力の限りに策略を出し尽くして争う様子」という意味です。
嘘とまことを取り混ぜ、相手の内心を探るということです。ゲームでもスポーツでも法廷でも腹の中を探り合い知力の限り戦うことは同じですね。
「虚々実々」は「虚虚実実」と書く場合もあります。
「虚々実々」の語源
続いて「虚々実々」の語源をご紹介します。
漢字の持つ意味を説明します。
「虚」とは「からっぽ、守りの弱いところ」など窪んで中が空いているという意味、または「うそ」ということです。「空虚(くうきょ)」という「なにもない」と空間や心の中などがからっぽという表現に使われます。また戦いなどでは「備えに隙がある」ということです。
「実」は本来「實」と書きます。「實」は「実り」ということ、財産を表しています。中身がたくさんつまっていて隙間がないということ、戦いなどでは「備えが堅い」ということです。
つまり「虚」と「実」は反対の意味を持ち合わせていて、二語を二回くりかえすことにより、「なにもない」ということと「たくさんつまっている」という意味を更に強調させているのです。
「虚々実々」は「何が本当で何が嘘かわからず、判別がつかない」という様子を表す時にも使用されます。
「虚々実々」の英語表現と類義語
「虚々実々」の英語の表現
次に「虚々実々」は英語でどのように表現されているのかご紹介します。
- diamond cut diamond(知恵者や強者同士の冷静で凄まじい戦い、好勝負)
【例文】
- It was diamond cut diamond(正に虚々実々というところだった.)
「diamond cut diamond」は英語のことわざです。「強い者には強い者を、毒を以て毒を制す」という意味です。
「虚々実々」の類義語
「虚々実々」と似た意味や構成を持つ言葉をご紹介します。
- 譎詐百端(けっさひゃくたん)
- 手練手管(てれんてくだ、しゅれんてくだ)
「譎詐百端」とは「嘘や裏切りが非常に多いこと」という意味で、「手練手管」は「思うままに人を操りだます方法や技術のこと」という意味です。
「虚々実々」やこの二つの類義語は、かなり頭が切れる人じゃなければ実行するのは難しそうですね。
「手練手管」の記事はこちらをご覧ください。
「虚々実々」の使い方
最後に「虚々実々」の使い方を例文でご紹介します。
【例文】
- 「最近流行っている将棋の戦いは、まさに虚々実々だね」
- 「剣道の試合で虚々実々に戦いたいので、同じくらいの強さの人に当たりたい」
- 「首相の対談は、和気あいあいと進んでいるかのように見えて、虚々実々の駆け引きがあった」
- 「あの策略家の社長には君が虚々実々と対応してほしい」
- 「弁護士同士の話し合いは、いつも虚々実々として冷静さを保ちつつ、相手の隙を狙っている」
「虚々実々」は大切な真剣勝負の試合や話し合いの時に使う場合が多いです。
相手の隙をどうやって見つけるかがカギです。
「虚々実々」は知恵と力と忍耐
「虚々実々」という四字熟語は本当か、嘘か駆け引きを互いに見破ろうと真剣な時に使われます。これには知恵と戦える体力、相手に隙を与えず逆に相手の弱いところを見つける忍耐が必要です。
「虚々実々」とは普段はあまり使うことはないかもしれませんが、ニュースなどで首脳会談が行われていることを耳にすると思います。その時「虚々実々」な会談なんだなと頭の中で考えると良いでしょう。
きっと首相たちはニコニコしているだけではなく、緻密な戦略で相手の懐に入り込もうとしているのです。
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