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何でも自分の物差しに当てはめて考える人っていますよね?
「今の若いものは」などと言って、若者をさんざん批判したりする高齢の方もいますが、「そんな若者の時代にしたのは、その高齢の方たちの力なのに…」と思います。
何故、自分の基準に当てはめて考えるのでしょう。
自分の基準の物差しに当てはめて考えるから腹も立つだろうし、自分が辛くなるだけだと思ってしまいます。
このように融通がきかないことを「杓子定規」と言いますが、あなたの近くにこんな人いますか?
この記事では、「杓子定規」の意味や語源、英語・類義語の表現や使い方の例文をご紹介します。
「杓子定規」の意味と語源
「杓子定規」の意味
それでは、「杓子定規」の意味をご紹介します。
まずは読み方ですが、「杓子定規」は「しゃくしじょうぎ」と読みます。
「杓子定規」とは「一定の基準に無理やり当てはめようとすること。融通の利かなこと。」という意味です。
誤った基準で物事を推し量ろうとすることを言います。
「杓子定規」の語源
続いて「杓子定規」の語源をご紹介します。
まず「杓子」ですが、昔は「杓子」でご飯やみそ汁を盛っていたそうで先端が汁物もすくえるように丸くくぼみがあり曲がっています。
今でいう「おたま(レードル)」のことですね。
「定規」とは線を引いたり、寸法を計測したりする文房具のことを言います。
寸法を測ったり線を引いたりするのに曲がった「杓子」を「定規」として使用し、「杓子」の寸法に当てはめようとすることから「杓子定規」は「一定の基準に当てはめようとすること」という意味で使われるようになりました。
これは、測っている人の基準に合わせるということですね。
測っている人の基準が「杓子」のように曲がっていて、それに無理やり当てはめようとすることです。全くもって正確な基準ではなく間違った定規で寸法を測っている状態ということです。
このように自分の「杓子」が間違っていないと思い込んでいるので、「融通がきかない」人のことも「杓子定規」と言われるようになりました。
…が、しかし、「融通がきかない」という悪いイメージがある「杓子定規」ですが、こんなエピソードもあります。
昔は年貢のお米などは「杓子」で測っていたそうで、「良いお代官様」は「杓子定規」で曖昧に測り、何とか年貢のきつい農民の暮らしを良くしようとしていたそうです。
「良いお代官様」は「杓子定規」で曖昧に少なめに測り、融通のきかないお代官様は「杓子定規」で曖昧に多めに測り「悪いお代官様」とされたのでしょう。
ここから「杓子定規」は、「融通のきかない」という意味になったと考えられます。
「杓子定規」の英語表現と類義語
「杓子定規」の英語表現
それでは、「杓子定規」は英語でどのように表現されているのかご紹介します。
- a hard and fast rule(杓子定規)
【例文】
- It doesn’t do to go by hard and fast rules.(物事は杓子定規にはいかない)
- There is no hard and fast rule to go by.(杓子定規に当てはめることはできない)
「fast rule」は「厳格なきまり」ということで、「a hard」の「固い、硬い、」を合わせて「a hard and fast rule」は「鉄則」という直訳になります。
「杓子定規」の類義語
次に、「杓子定規」の類義語をご紹介します。
- 形式主義(けいしきしゅぎ)
「形式主義」とは「内容よりも形式を重んずる考え方」という意味で、物事の内面より外面を尊重するという少しマイナスの考え方です。
「杓子定規」も自分の物差しで測ることから、見た目で判断するということでは似ていますね。
「杓子定規」の使い方の例文
最後に、「杓子定規」の使い方を例文でご紹介します。
【例文】
- 「彼はマイルールがあり、杓子定規な考え方をしている」
- 「役所は融通が全く利かない杓子定規的なところだ」
- 「父の頭が固く、杓子定規で家族はみんな迷惑していた」
- 「今時、杓子定規の考え方では会社はうまくいかない」
- 「杓子定規な環境から外に出ると、自分の世界観が変わった」
「杓子定規」は、考えが固執した人に使われるマイナスな言葉です。
「杓子定規な(考えかた)」「杓子定規(的な)」などと、使用される場合が多いですね。
「杓子定規」ではなく融通を利かせる
「杓子定規」は、自分や団体の物差しで物事を間違ったルールに当てはめようとすることです。
マイルールに当てはまらないからダメというのではなく、少し融通を利かせて曲がっている定規をまっすぐにすれば、何が本当に良いか悪いか分かってくるはずです。
もし、あなたが間違った定規で物事を見ているのであれば、人生半分は損をしていますので修正した方が良いでしょう。
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