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政府が「三位一体改革を行います」と発表したり学校が「三位一体の体勢で安全を守ります」と言ったり、様々な場面で聞くことの多い「三位一体」という四字熟語ですが、よく使われる言葉なので一度は耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか。
しかし、よく聞く言葉にしては、読めなかったり書けなかったりする人が多いのも事実です。私も学生の頃は何度も「さんいいったい」と書いて×印をもらったものです。
この記事では「三位一体」の意味や語源、英語の表記や類義語、使い方の例文をご紹介します。
「三位一体」の意味と語源
「三位一体」の意味
はじめに、「三位一体」の意味についてご紹介したいと思います。
まずは読み方ですが、「三位一体」は「さんみいったい」と読みます。
「三位一体」とは「三つのものが本質においては一つであること」という意味です。
簡単に言うと、「三つで一つ」ということですね。一致団結する時に「三人の心を合わせて一つになろう」というのも、一種の「三位一体」と言えます。
「三位一体」の語源
次に、「三位一体」の語源についてご紹介します。
「三位一体」の語源はキリスト教にあります。
キリスト教には、「父なる神、神の子(キリスト)、聖霊の神の異なる三人は、もとは同じ一つの神だ」という教えがあります。これは、「異なる姿の三つの神が存在するが、本質は全て『神』という同じものだ」という考えです。
この教えが、「三位一体」の語源となり、「三つのものが本質においては一つである」という意味になりました。
キリスト教の「三位一体の神は強い力を持つ」という教えが、今は「三人で力を合わせる」というニュアンスで使われているんですね。
「三位一体」の英語表現と類義語
「三位一体」の英語の表現
続いて「三位一体」が英語でどのように表現されているのかをご紹介します。
- trinity(三位一体)
【例文】
- To be trinity(三位一体となる)
- The trinitarian god(三位一体の神)
- Believe in the trinitarianism(三位一体説を信じる)
「trinity」は、そのまま「三位一体」という意味です。また、「trinity」が形を変えて「trinitarian」となることで「三位一体の~」とったり、「trinitarianism」となることで「三位一体説」となったりもします。文章によって形が変わる単語なので、注意しながら使うようにしましょう。
「三位一体」の類義語
次に「三位一体」と似たような意味をもつ言葉をご紹介していきます。
- 一心同体(いっしんどうたい)
- 渾然一体(こんぜんいったい)
「一心同体」とは、「二人以上の人達が心を一つにして、まるで一つになるようになること」という意味です。複数のものが一つになる様子が「三位一体」と同じですね。
「渾然一体」は、「複数のものが溶け合って区別がつかない状態」という意味です。こちらは元の形が無くなってしまうので少し意味が違ってきますが、複数のものが一つになるという部分では「三位一体」と同じですね。
「一心同体」については、こちらの記事に詳しく書いています。
「三位一体」の使い方
最後に「三位一体」の使い方を紹介します。
【例文】
- 「家庭・学校・地域が三位一体となって子供を守る」
- 「寒さと暗さと恐怖が三位一体となって襲ってくる」
- 「我が国の防衛は陸軍・空軍・海軍の三位一体で成り立つ」
- 「我々三人が三位一体となって頑張るしかない」
- 「同期入社の三人が三位一体となって、プロジェクトを成功させた」
「三位一体」は、使う場面で言い方が変わってきます。力を合わせて協力する時などには「三位一体となって」という使い方をし、三つで一つの役割を果たすものを表す時などには「三位一体で~」という使い方をします。
「三位一体」は、文字通り三つのものを一つとする時に使う言葉です。三つ以下や三つ以上の物を一つとして考える場合は「三位一体」という言葉は使えませんので注意しましょう。
「三位一体」と「三神一体」
「三位一体」に似た言葉で「三神一体」という言葉があります。これはヒンドゥー教の中の「ブラフマン神・ビシュヌ神・シバ神という違う機能をもつ三人の神が、実は同じ一人の神だった」という説を表す言葉です。
「三位一体」と似たような漢字で同じような意味をもつ言葉なので、間違わないように注意しましょう。
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