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突然ですが、あなたは「身土不二」という言葉をご存知ですか?
ちなみに私は読み方すら知りませんでした。
実はこの「身土不二」という言葉、私達の食生活にとって大事なことを教えてくれている言葉なんです。
なかなか「身土不二」を意識することもないので、これを機に「身土不二」という言葉の意味を知って、食生活に活かしてみてはいかがでしょうか?
この記事では「身土不二」の意味と語源、英語表現と類義語、使い方の例文をご紹介します。
「身土不二」の意味と語源
「身土不二」の意味
最初に、「身土不二」の意味をご紹介します。
まずは読み方ですが、「身土不二」は「しんどふじ」や「しんどふに」と読みます。
「身土不二」とは、「身と土は一つである」つまり、「身と土は切り離せない」という意味です。
分かりやすく言うと、「人間の身体と土地や環境は切り離せない関係にある」という意味です。
そして、これが転じて「その土地で採れた物や季節の物を食べると健康にいい」という意味にもなっています。
「身土不二」の語源
次に、「身土不二」の語源をご紹介します。
「身土不二」の語源は、「食事で健康になる」という理論を示した石塚左玄氏にあります。
この石塚左玄氏は「玄米菜食」を基本とした食事を実践し普及させた人物で、「身土不二」の意味でもある「季節の食べ物がいい」ということを唱えた人物です。
ただ、この時はまだ「身土不二」という言葉はありませんでした。
しかし、石塚左玄氏の没後、西端学氏という人物が石塚氏の考えを広めようと「地元の食材を食べることは健康にいいが、それ以外の土地の物を食べることは健康に悪い」と唱えます。
その時に、それを聞いた京都の僧侶であった光田某氏が、「仏教に身土不二という言葉がある」と西端氏に教え、「身土不二」が「その土地で取れた物や季節の物を食べるのが人間の身体にいい」という意味で使われるようになりました。
そして、この教えが「身土不二の原理」と呼ばれるようになり、広まっていったと言われています。
「身土不二」の語源は、今で言う「食育」の中にあったんですね。
「身土不二」の英語表現と類義語
「身土不二」の英語表現
続いて、「身土不二」の英語表現をご紹介します。
- Local and seasonal foods are good for the health(身土不二)
【例文】
- The basics of the meal are local and seasonal foods are good for the health(身土不二が食事の基本である)
- There is a pervasive view that local and seasonal foods are good for the health(身土不二の考えが浸透している)
「local」は「地元の」、「seasonal」は「季節の」、「foods」は「食べ物」「食材」という意味なので、「local and seasonal foods」は「地元の食べ物」や「季節の食べ物」を表しています。
そして、「good for」は「ためになる」、「health」は「健康」という意味なので、「good for the health」は、「健康のためになる」と意味になります。
つまり、「local and seasonal foods are good for the health」は「地元の食べ物や季節の食べ物は健康のためになる」という意味になり、「身土不二」の「その土地で採れた物や季節の物を食べると健康にいい」ということを表していることになりますね。
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「身土不二」の類義語
それでは、「身土不二」の類義語をご紹介していきます。
- 地産地消(ちさんちしょう)
- 不時不食(ふじふしょく)
「地産地消」とは、「地元で生産した者は、地元で消費する」という考えを表した言葉です。
少し意味は違いますが、「自分がいる場所で採れた物を食べる」という点では「身土不二」と同じですね。
「不時不食」とは、「季節のもの以外は食べない」という意味で、これが転じて「季節のものを食べましょう」という意味で使われるようになった言葉です。
「季節の物を食べる」という部分が「身土不二」と同じですね。
ちなみに、『食』にまつわる四字熟語「粗衣粗食」「医食同源」
「粗衣粗食」は、「貧しくて粗末な暮らし、シンプルでつましい生活」という意味です。
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「医食同源」は、「病気にならないために日頃からバランスの良い食事を摂る」という意味です。
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「一汁一菜」は、「ごはんに対して汁物椀、シンプルなおかず」「質素な食事」という意味です。
「一汁一菜」とは?意味と語源、英語表現と類義語【使い方の例文】
「身土不二」の使い方
最後に、「身土不二」の使い方を例文でご紹介します。
【例文】
- 「身土不二を食事の基本にしたい」
- 「なるべく、身土不二を意識して食事を作る」
- 「身土不二の考えを取り入れたい」
- 「食事の基本は、身土不二であるべきだ」
- 「昔は、身土不二が当たり前だった」
「身土不二」は食事の基本として考えられることが多いので、食事に関する文章の中で使われることが多いです。
使い方としては、「食事の基本は身土不二」などが多いですね。
まとめ:仏教での「身土不二」
読み方 | しんどふじ |
意味 | 身と土は一つである=身と土は切り離せないということ |
語源 | 「食事で健康になる」というを示した石塚左玄氏の理論からであり、京都の僧侶であった光田某氏も「仏教に身土不二という言葉がある」と教え、「身土不二」が「その土地で取れた物や季節の物を食べるのが人間の身体にいい」という意味になったことから |
英語表現 | Local and seasonal foods are good for the health(地元の旬の食材が健康に良い) |
類義語 | ・地産地消(ちさんちしょう) ・不時不食(ふじふしょく) |
語源のところでご紹介した僧侶の光田某氏が言っていた通り、「身土不二」は元々仏教語として使われていました。
仏教語での「身土不二」は、「正報と依報は切り離せないと」いう意味です。
「正報」とは「過去で行ったことの報いを受ける身」のことで、「依報」は「よりどころ」「与えられた世界」のことです。
つまり、「正報と依報」とは「人と国」や「阿弥陀仏と極楽」などを表す言葉だったのです。
なので、仏教語での「身土不二」は、「人と国は切り離すことができない」などの意味になりますね。
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