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普段、偉そうな上司と食事をした時のことです。話すことがなくなってしまい、趣味の話をしたら「教えてほしい!」と言われてびっくりしました。
それ以降、趣味のことになると立場が逆転していましたが、絆が深まりました。
この記事では、「主客転倒」の意味や英語・類義語、例文を用いた使い方をご紹介していきます。
「主客転倒」の意味は?語源は?
「主客転倒」とはあまり使うことはないですが、覚えておくとよい熟語ですね。
読み方は「しゅかくてんとう」と読みます。「客」を「きゃく」と間違えないようにしましょう。
「主客転倒」の意味は?
「主客転倒」とは「物事の大小、軽重などを取り違える・物事の立場が逆転してしまう」という意味です。
「転倒」と聞くと良いイメージはしませんが、四字熟語は幅の広い意味で使われるのも多くあります。
「主客転倒」の語源は?
次に「主客転倒」の語源について、見ていきましょう。
- 「主」・・・「主人」という意味
- 「客」・・・「客人」という意味
- 「転倒」・・・「本来の立場が逆転する」という意味
四字熟語の多くは、古代より伝わっていた書籍や言葉が多く存在しますが「主客転倒」は、それぞれの意味を合わせて出来た言葉です。以前は「転倒」は「轉倒」と表現していました。
「主人と客の立場が逆転する」という意味では、本来、お客様をおもてなしする立場が主であるので、少し違和感がありますね。意味合いとしては「主従関係が逆転する」と考えたほうが合っているようです。
「主客転倒」を英語・類義語で表現してみよう
それでは「主客転倒」を英語・類義語で表現するとどのようなものになるのかご紹介していきます。
「主客転倒」の英語表記
「主客転倒」を英語表現すると、以下のようになります。
- Putting the cart before the house
- reversing order of importance
【例文】
- I know what you say,but it’s just putting the cart before the horse.
(君の言わんとすることはわかるけれど、それでは主客転倒だ。)
「Putting the cart before the house」を直訳すると「馬が荷台をひく前にパターをする」と日本語では意味の通じないところがありますが、「Putting」には「我慢させる・からかう」をいう意味を含む言葉でもあるので、例えとして使うとよいでしょう。
- 「主客転倒」の類義語
それでは次に「主客転倒」の類義語には、どのようなものがあるのでしょうか。
- 本末転倒(ほんまつてんとう)
- 冠履転倒(かんりてんとう)
上記の類義語に加え、会話として普段使われる「元も子もない」も似た意味になりますが、「主客転倒」は「本末転倒」のように最後や結果として残念で終わるといった意味だけではなく、「結果オーライ」といったプラスになる場合にも用いられています。
ちなみに、「本末転倒」についてはこちらの記事をご覧ください。
「主客転倒」の使い方と例文
それでは「主客転倒」は、どのように使われるのか、例文をご紹介していきます。
【例文】
- 「あそこのお店は店員さんの態度が悪く、主客転倒も甚だしく不愉快な思いをした。」
- 「先生が、生徒や保護者に気を使わなくてはいけない社会とは、主客転倒である。」
- 「趣味ではじめたガーデニングを写真に収めたくて、写真を撮り始めたけれど、いつのまにか主客転倒して、写真が趣味になってしまった。」
- 「先輩と釣りにいき、普段はなにかと教えてくれる先輩に、釣りを教えることになった時、主客転倒だと笑った。」
- 「彼と彼女の立場は、いつのまにか主客転倒してしまった。」
「主客転倒」を使う範囲は、広いことが例文からもわかりますね。「主客転倒」の結果がどうなるのかを考えて使うようにすれば、間違った使い方もしないでしょう。
使い方次第でポジティブに感じること
ここまで「主客転倒」について、解説してきました。
言葉の意味には、悪い意味を表現するもの・良い意味を表現するものがありますが、使い方次第で両方の意味になるものがあります。
普段は主従関係のような二人が、趣味では立場が逆転してしまうことなどはどこかほっこりするエピソードではないでしょうか。
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