Contents
この記事は、約9分で読むことができます。
「今日はいつも頑張っているご褒美に・・・」なんて言いつつ、甘いものを買ってしまう。
これって自分に対して正当な理由を言っているだけではないでしょうか?
「ちょっと高価なものを買ってしまったけれど、安物より長持ちするし」というのもそうですね。
本当は甘い物なんて週に一度は買っていたり、高価なものも必要性がなかったりする場合がありますよね。
ご褒美の甘い物を食べすぎて、体重が増えることを気にしつつ「ご褒美だから」という正当な理由をつけることを「大義名分」と言います。
私も日々「大義名分」のもとに行動を起こしますが、この「大義名分」とは元々どのような意味なのでしょうか?
この記事では、「大義名分」の意味や語源、英語・類義語の表現や使い方の例文をご紹介します。
「大義名分」の意味と語源
「大義名分」の意味
最初に、「大義名分」の意味をご紹介します。
まずは読み方ですが「大義名分」は「たいぎめいぶん」と読みます。
「大義名分」とは「人また臣民として守るべき事柄、何か行動するにあたっての根拠、やましくない口実」という意味です。
何か行動を起こす時に、行動する理由という意味で主に使われます。
「大義名分」の語源
続いて、「大義名分」の語源をご紹介します。
「大義名分」は、孔子の思想に基づく教えの「儒教」に由来する考え方で、本来は「主の命令に臣下として従わなければならない」、「人として守るべきこと」ということです。
「主からの命令は人の道を外れていることがない。だから主からの命令には従わなければならない」というちょっと恐ろしいことです。
主が間違った命令を下したとしても、「主がやれと言ったからやった~」と言えば通るということです。
「大義名分」は何か事を起こすことの「もっともらしい口実」ということなのです。
「大義」とは「人がふみ行うべき最高の道義。特に、国家・君主に対してつくすべき道」という意味です。
「名分」は「身分や立場などに応じて守らなければならない本分(責務)」ということで「大義名分」の場合は口実や理由のことを指しています。
「大義名分」の英語表現と類義語
「大義名分」の英語表現
次に、「大義名分」の英語表現をご紹介します。
- Just cause(大義名分)
【例文】
- He passed through a just cause(彼は大義名分を通した)
- Was the original tax increase of just cause(大義名分のもと増税をした)
「Just(正しい、公正な)」と「cause(理由、根拠)」で「大義名分」になります。
四字熟語の英語表現を、ビジネス場面別でまとめてみました。
ビジネス英語として実践で使える四字熟語30選【英語勉強アプリもご紹介】
「大義名分」の類義語
それでは、「大義名分」の類義語をご紹介します。
- 大義滅親(たいぎめっしん)
「大義滅親」は「大義のためには親兄弟も顧みない」ということで、「人としての動議を果たすためには親や兄弟もかえりみず、主君に従う」という意味です。
「大義名分」は良いとしても、
「唯々諾々」のように『何でもかんでも言いなり』にならないように気をつけたいと、
その反面「不承不承」のように『気が進まないながらも承認する』のも考えものですね。
「唯々諾々」「不承不承」については、こちらの記事に詳しく書いています。
「唯々諾々」の意味と読み方とは?英語と類語、例文による使い方をご紹介
「不承不承」とはどんな意味?語源や使い方と例文5つをご紹介!
「大義名分」の使い方
最後に、「大義名分」の使い方を例文でご紹介します。
【例文】
- 「ごみ処理所建設は市民の生活の為という大義名分だ」
- 「友人のお見舞いに都心の病院まで行ったが、それは大義名分で帰りにショッピングを楽しんできた」
- 「介護という大義名分のもとに退職した」
- 「戦争は国民の為というのが大義名分だが、本当は武器屋のためだ」
- 「この車を購入する大義名分が必要だ」
- 「難しいトンネル工事は大義名分があるからこそ、ここまで掘り進むことができた」
「大義名分」はマイナスイメージの言葉のようですが、「大義名分」があることは悪いことではありません。
一般的には、「大義名分で~」「大義名分の~」「~大義名分だ」と使いますね。
ビジネスをする上で、自分のすることに対して批判的な人や意見は付きものです。
だからといって、その度それに屈していてはメンタルが持ちません。
毎回『〇〇をするのは、〇〇なんだと言える』などと考えるのも疲れますが、自分がどうしても実現したいことがある時は(批判的な意見があるだろうと考えておいて)そんなことを考えておくと自分の領域を確保できるしょう。
でも、そんな時に限って誰も何も反応しなかったりするんですけどね…(^^;
ビジネスシーンでの語彙力を身につけたい方に、人気の書籍もご紹介しておきます。
【注目記事】
ビジネスシーンでよく使う「大義名分」ですが、この記事を読まれている方には営業マンもいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな営業マンの方にオススメできる記事も書きましたので、是非こちらも合わせてご覧ください。
【経験談あり】営業マンに本当に必要な5つのスキル~実務&思考編~
まとめ:「大義名分」は行動力
以上、「大義名分」について、ご紹介してきました。
まとめると、以下の通りです。
読み方 | たいぎめいぶん |
意味 | 人また臣民として守るべき事柄、何か行動するにあたっての根拠、やましくない口実 |
語源 | ・「主の命令に臣下として従わなければならない」「人として守るべきこと」という、孔子の思想に基づく教えの「儒教」が由来 ・「大義」=「人がふみ行うべき最高の道義。特に、国家・君主に対してつくすべき道」、「名分」=「身分や立場などに応じて守らなければならない本分(責務)」 |
英語表現 | Just cause(正当な理由) |
類義語 | 大義滅親(たいぎめっしん) |
「大義名分」とは、必ずしも表の理由と裏の理由があるという意味の言葉ではありません。
「大義名分」があるからこそ、人は行動に移せるのです。
心の中に「大義名分」がなければ意志は弱く、一歩を踏み出すことは出来ないし、出来ても2歩目が出せません。
「大義名分」はあまり良いイメージはない言葉ですが、何か行動する時には「大義名分」が必ずあるのです。
「大義名分」がない人は「〇〇だから〇〇をしなければならない」と「大義名分」を作れば行動力が高くなるかもしれません。
名分=優れた文章って・・・ひょっとして「名文」と勘違いされていますか?
white氏様
コメントまたご指摘をいただき、ありがとうございます。
今確認しましたが、確かに間違えておりました。
先ほど修正しておきました。
今後ともよろしくお願いいたします。