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めまぐるしく変化する世の中では、マニュアル通りではなく自分の力で考えることが求められています。
状況に応じた適切な配慮をしながら、考えを生み出して行動ができる人は「当意即妙」な人として、周囲から信頼されるでしょう。
日常でも使える四字熟語である「当意即妙」とは、どんな意味でありどのような場面で使われるのでしょうか?
この記事では、「当意即妙」の読み方や意味や語源、英語・類義語表現や使い方の例文をご紹介します。
「当意即妙」の読み方、意味や語源
「当意即妙」の読み方、意味
「当意即妙」とは、「とういそくみょう」と読みます。
「当意即妙」とは、「その場に応じて機転をきかせ、適切な対応をすること」という意味です。
「当意」とは、「その場ですぐに考えつくこと」を指します。
「当」とは、田畑に実りを願って事にあたることから、「生み出す」意味になりました。
「意」は「音」と「心」という字が組み合わさり、「心の動き・気持ち・考え」を表します。
「即妙」とは、「素早く出される、能力や知識」のことです。
「即」は「すぐに」を表す言葉です。「妙」とは、「不思議」という意から「不思議なほど優れている」意味で使われています。
「当意即妙」な人は、すぐさま優れたアイデアを思いつき、その場の状況を変えてくれる人といえますね。
「当意即妙」の語源
「当意即妙」は、仏教語である「当位即妙」から来ています。
「当位即妙」とは、「ありのままであることが、仏の真理にかなっている」という仏教の考え方です。欲望や悩みで苦しむ人間が、無理やり自分を変えずとも悟りを啓く(ひらく)ことができると説かれています。
身分を示す「位」が気持ち・アイデアを表す「意」に変わり、意味も変化して使われ始めました。
「当意即妙」は、「その場に応じて優れた機転をきかせる」ことですが、由来は「ありのままでいい」という異なる意味を指していたことは面白いですね。
「当意即妙」の英語表現と類義語
「当意即妙」の英語表現
「当意即妙」は、英語で以下のように表現します。
- ready wit(素早い機転)
- play it by ear (その場に応じて適切な行動をする)
「Ready wit」とは「素早い機転」を表します。「wit」とは「場に応じて、働く知恵」を示す言葉です。
「Play it by ear」は英語圏でよく使われるイディオムで、直訳すると「耳で行う」ですが、「その場の状況に合わせて適切な行動をとる」意味です。次の例文のように使います。
【例文】
- Let’s play it by ear.(その場の状況に合わせてやろう)
「当意即妙」の類義語
「当意即妙」の類義語は、以下の通りです。
- 臨機応変(りんきおうへん)
「臨機応変」は、日常でもよく使われる単語ですね。
「転機」「時機」ともあるように、「機」とは「適切なタイミング」のことです。
「臨機応変」とは、「適切なタイミングに直面したときに、場に応じて変化すること」を意味します。
「当意即妙」は「その場で優れた知恵、アイデアを出すこと」であるのに対して、「臨機応変」は「状況に応じた、適切な行動をとること」を示す意味の違いもあります。
「当意即妙」と「臨機応変」の意味の違いに注意しながら、適切に使い分けましょう。
ちなみに、「臨機応変」についてはこちらの記事をご覧ください。
「当意即妙」の使い方
「当意即妙」は、その場で素早く気の利いたアイデアを出すことです。
【例文】
- 「難しい交渉の場面で、彼は当意即妙の言葉を出した。」
- 「接客業に携わるには、当意即妙に相手に話を合わせる技術が必要だ。」
- 「当意即妙な答えを返すので、周りからの信頼も厚い。」
- 「彼女の当意即妙な対応のおかげで、危機を切り抜けた。」
- 「当意即妙な切り返しによって、その場が丸く収まった。」
主に対人関係やビジネスの場面において、以上の例文のように使われます。
トラブルを切り抜ける機転を身につけよう
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緊迫した状況では、どれほど万全な準備を整えていても突発的なトラブルは起こってしまうものです。そのような時に、とっさの機転を働かせて危機を乗り切る力を身につけていることは必要です。
ピンチをチャンスに変える「当意即妙」な対応を心がけ、常日頃から備えておきましょう。
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