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あなたは「和洋折衷」という言葉を聞くと何を思い浮かべますか。わたしはついつい、洋風のおせちや抹茶や餡子(あんこ)などを使った洋菓子、和風ドレッシングなどの食べ物を想像します。ところで「和洋折衷」の意味はお解りでしょうか。
実はこの「和洋折衷」という言葉、わたしたち日本人にとても身近な四字熟語なのです。食べ物だけのことではありません。
この記事では「和洋折衷」の意味や語源、英語・類義語の表現や使い方の例文をご紹介します。
「和洋折衷」の意味と語源
「和洋折衷」の意味
まず、「和洋折衷」の読み方ですが「わようせっちゅう」と読みます。
ではどのような意味なのでしょう。小学生でも解るように紐解いてご紹介します。
「和洋折衷」とは「和風と西洋風の様式を共に程よく取り入れる」という意味になります。
現代の日本の生活スタイル、ダイニングテーブルでの食事、フォーク、スプーン、ベッドでの就寝、ソファ、洋式トイレなどのほとんどが「和洋折衷」と言えるでしょう。
「和洋折衷」の語源
次に「和洋折衷」の語源をご紹介します。
成り立ちは幕末から明治初期のころのことでした。
幕末の朱子学者、斎藤拙堂が「和漢洋」という日本風と中国風、西洋風を織り交ぜて良いものにしていくと唱えたのが最初でした。斎藤拙堂は洋式軍制を取り入れるなどの藩政改革にも関わった人物なのです。
その後、明治時代以降に日本風と西洋風の「和洋折衷」というスタイルが出来上がりました。
徳川幕府が終わり西洋の文化が日本へ流入し始めたころ、住宅を建てるにあたり家族の生活する場所は日本の伝統的な様式で造り、応接用などの他人の目に触れるような箇所を洋風に造られた家に住む富裕層が増えました。そこから「和洋折衷」という言葉ができました。
「和洋」は「日本風と西洋風」ということで「折衷」は二つ以上の異なった考え方のよいところを取り合わせて、一つにまとめるということです。
西洋のパンと日本のあんこを合わせてできたアンパンは「和洋折衷」の代表的なもののひとつです。
「和洋折衷」は歴史が浅い言葉だからこそ現代の私たちに馴染み深いですね。
「和洋折衷」の英語表現と類義語
「和洋折衷」の英語表現
では「和洋折衷」を英語でどのように言い表すのかご紹介します。
以下はどちらも「和洋折衷」という意味を表します。
- blending of Japanese and Western styles
- compromise between East and West
1の「blending of Japanese and Western styles」は直訳で「和洋折衷」ですが、英文で表すときには「compromise between East and West」が使われます。
2の「compromise between」は「折衷」という意味になります。
【例文】
- Wedding food to compromise between East and West(結婚式の料理は和洋折衷にする)
- The building of the atmosphere of compromise between East and West(和洋折衷の建物)
「East and West」ということは外国人の認識として「日本風と西洋風」ではなく「東洋風と西洋風」というように考えられているのですね。
「和洋折衷」の類義語
それでは「和洋折衷」に似た意味や同じような構成を持つ言葉をご紹介します。
和魂洋才(わこんようさい)
和魂漢才(わこんかんさい)
「和魂洋才」とは日本人の伝統的な精神を忘れずに西洋の文化を学び、両者を調和させることで、「和魂漢才」とは日本人の精神と中国伝来の学問や文化を融合させることです。
「和洋折衷」は日本人の精神ではなく文化と西洋の文化の良いところを掛け合わせることなので使用するときは間違えのないよう気を付けましょう。
「和魂洋才」についてはこちらの記事をご覧ください。
「和洋折衷」の使い方
最後に「和洋折衷」を例文で使い方を実践してみましょう。
【例文】
- 「あの建物は大正時代に建った洋館で畳の部屋にベッドがあり和洋折衷を取り入れている」
- 「母の着物の生地でパーティードレスを作ったら外国人に和洋折衷だと褒められた」
- 「ビーチサンダルは和洋折衷なものだと思います」
- 「君の意見は和洋折衷で面白いね」
- 「日本の結婚式は和洋折衷で教会式に和服で正装する女性が多いのです」
- 「明治以降に開港した港町は和洋折衷な街並みのところが多くて、今でも素晴らしい観光地になっている」
このように「和洋折衷」は日本と西洋の良いとこ取りの物を表現するときにふさわしい言葉です。
切っても切り離せない「和洋折衷」
「和洋折衷」の意味や語源をご紹介してきましたがいかがでしたか。
現代では日本人の生活スタイルと「和洋折衷」は切っても切り離せないものになっていますね。人間同士の対話もお互いの良いところを尊重し合い、「和洋折衷」のように更に素晴らしいものにしていきたいものです。
そうすれば世界の平和の輪も広がるのではないでしょうか。
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