「万物流転」とは?意味と語源、英語表現・類義語【使い方の例文】

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世の中は常に変化し続けています。

こうしている間も時間は経過していて、新しくなったり古くなったり、成長したり老いたりと永遠にずっと一緒の状態であることはありません。

そのように説く言葉として「万物流転」という四字熟語があります。

とても神秘的な言葉ですが、どんな時に表現する四字熟語でしょうか。

この記事では「万物流転」の読み方・意味・語源を、英語や類義語表現や例文による使い方をご紹介します。

 

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「万物流転」意味と語源

「万物流転」の意味

まずは読み方ですが、「万物流転」は「ばんぶつるてん」と読みます。

「まんぶつりゅうてん」ではありませんので、注意してください。

「万物流転」とは、「すべての存在は同じ状態であることはなく、変化し続ける」という意味になります。

「万物(ばんぶつ)」とは、「この世に存在するあらゆるもの」を指します。

漢字の成り立ちを紐解くと、万(萬)は、「サソリ」を示す文字から転じて、現在では「たくさんの数」を表す意味に使われます。

物は、「角のある牛」と「悪い物を清める」を合わせた文字が「もの」という意味を表すようになりました。

「流転(るてん)」は、「絶えず移り変わっていくこと」を表します。

漢字の成り立ちを見てみましょう。

流とは、「水」と「子どもが突然産まれる様子」を表すことから「水が流れる」意味に転じます。

転は、車と「糸を巻きつける様子」を組み合わせた文字が、次第に「まわる、めぐる」という意味を表すようになります。

漢字は、自然にあるものを形どってできています。

元は「サソリ」を表す文字から「たくさんの数」へ意味が変化するのは面白いですね。

漢字の成り立ちを知ると、言葉の意味をより深く理解できますよ。

「万物流転」の語源

続いて、「万物流転」の語源について見ていきましょう。

「万物流転」の語源は、紀元前6〜5世紀に活躍した古代ギリシャ人哲学者、ヘラクレイトスが提唱した哲学概念です。

人間も自然も、全く同じであるものは一つもありません。

たとえ同一人物でも、赤ん坊と老人では外見も人となりも大きく変わっているはずです。

それは、山や川などの自然界の現象でも当てはまります。

すべての存在は一瞬たりとも同じであることはなく、いつも変化し続けていると、ヘラクレイトスは主張しました。

ヘラクレイトスは「誰も同じ川に二度入ることはできない。」という言葉でも説明しています。

「万物流転」の語源が、古代ギリシャ哲学者の言葉だったというのは、驚きですよね。

2500年以上経った今でも、日本をはじめあらゆる国で使われていますから、とても長い歴史をもつ言葉です。

 

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「万物流転」の英語表現と類義語

「万物流転」の英語表現

「万物流転」は、英語で以下のように表現します。

【例文】

  • Everything is in a state of flux. (すべてのものは変化を続ける状態にある)

聞きなれない「flux(名詞)」は、日本語では「流動、流れ」を表す単語です。

転じて、「常に変わっていく状態」という意味になります。

例えば、好き嫌いや態度、付き合う友人などがコロコロ変わる人に対して、次のように表現します。

  • You are in flux.(あなたは気まぐれだね。)

「万物流転」は、英語圏でもよく使われる有名な表現です。

「万物流転」の類義語

次に、「万物流転」の類義語をご紹介します。

「すべての存在は、同じ状態であることはなく、変化し続ける」という意味の「万物流転」ですが、似たような意味の四字熟語には以下のものがあります。

  • 諸行無常(しょぎょうむじょう)
  • 生々流転(せいせいるてん または しょうじょうるてん)

「諸行無常」とは、仏教用語で「すべての物事は、絶え間なく変化し、決して永遠のものではない」という意味です。

自分ではどうにもならないことを嘆くのではなく、受け入れる姿勢が大事であることを説いています。

「生々流転」は、「諸行無常」と同じく、仏教から来た言葉で「次々と生まれては、常に移ろいゆくこと」という意味です。

全ての物事において、新しいものが次々と生まれ、変わっていく様子を表します。

「万物流転」は古代ヨーロッパの哲学者の言葉ですが、東洋発祥である仏教でも似た意味の言葉が伝えられているのは面白いですね。

「諸行無常」の記事はこちらに書いていますので、ご参考ください。

 

「万物流転」の使い方と例文

最後に、「万物流転」を使った例文をいくつか紹介します。

【例文】

  1. 「万物流転することだけが変わらない真理だ。」
  2. 「万物は流転する。だから、今は辛くてもきっと状況は良くなるはずだ。」
  3. 「万物流転の世の中では、確実な未来は予測できない。」
  4. 「万物流転しているから、変化に適応しなければならない。」
  5.  「一時は栄華を誇った大企業も、今は不況にあえいでおり、万物流転を感じる。」

「万物流転」は、書き言葉で、人生観や自然法則を説明する時に使いましょう。

また、「万物流転」はネガティブな意味だけではなく、「今は苦境に立たされていても、いつかは変化する」というポジティブな意味にも使うことができます。

上記に挙げた類義語以外にも、「万物流転」と似た表現として以下の四字熟語もあります。

「栄枯盛衰」の意味や由来をわかりやすく解説。使い方の例文【英語・類語表現】

「千変万化」の意味をわかりやすく解説!使い方の例文【類語・英語表現】

「日進月歩」とはどんな意味?使い方の例文や英語・類義語表現について

 

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この世の真理を表す「万物流転」

「万物流転」は、2500年以上前の古代ギリシャから言い伝えられている真理です。

一人の哲学者の残した言葉が、遠く離れた日本にまで伝わり、現在も広く使われるのは素晴らしいですね。

また、東洋起源の仏教でも「万物流転」に近い教えが伝えられていることから、昔から人間が持っている普遍的な世界観であると言えるでしょう。

いつの時代も変わらないのは、すべては絶えず変化し続けることです。

先人の知恵を受け継いで、変化が激しく不確実な世の中を生き抜く力をつけましょう。

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